意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「海底火山噴火」です。

被害・影響が各地で。火山大国であることを忘れないで。

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昨年8月、小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」が噴火しました。1914年の桜島以来、約100年ぶりの規模の大噴火でした。これにより大量の軽石が生み出され、黒潮反流に乗って沖縄県の広範囲に漂着。軽石は脆いので、崩れて細かい砂状になって、海面を漂います。それを魚や海亀の赤ちゃんが大量に飲み込んで死亡するなど、生態系に大きな影響を与えます。

軽石が大量漂着した沖縄県では観光業や漁業に大きな被害が出ました。養殖魚が大量死。さらに、軽石が海面を覆い日光を遮断し、海藻に日が当たらなくなってしまいました。海藻は海の栄養分であり魚のベッドですから、海藻がダメになることでも海の生態系は乱れます。

また、漁船の海水取り込み口や海水こし器に軽石が詰まるとエンジンが壊れてしまいますから、漁師が漁に出られないという問題も起きました。

軽石はその後、潮の流れに乗って奄美群島や東京都や千葉県など、各所に流れ着きました。11月末から、台湾宜蘭県で起きた軽石による漁業被害も、福徳岡ノ場噴火のものである可能性が高いといわれています。

そんななか、1月15日に南太平洋のトンガ諸島で大規模な海底火山噴火が起きました。噴煙が最大高さ20km近く、半径260kmも広がった、1000年に一度の規模ともいわれており、被害や気候への影響が心配されています。

海底火山噴火というと、直接生活に影響がないように感じるかもしれませんが、日本は火山大国です。活火山の富士山は、いつ噴火してもおかしくない状況です。大規模噴火が起きれば首都圏でも、停電したり交通インフラが止まる恐れがあります。降灰直後から2週間程度、上下水道や電力、流通などが機能停止に陥る可能性があるという試算もされています。

三菱地所は昨年11月に、大手町・丸の内・有楽町に所有するビルで、富士山の噴火による降灰を想定した対策を実施すると発表しました。ビルの機能がストップしないように整備するほか、帰宅困難者受け入れの準備もするそうです。私たちも平時のうちから、災害の備えをしておきましょう。

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堀 潤 ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。

※『anan』2022年2月9日号より。写真・小笠原真紀 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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