私の趣味が誰かのためになる! 「ボランティア」の始め方

ライフスタイル
2019.03.09
ボランティア活動に興味はあるけれど、何をどこから始めたらいいかわからない。そんな悩める人に、始め方をガイド。

ボランティアは、問題意識の高い人が取り組むもので、軽い気持ちで参加してはいけないのでは?と思いがち。でも結論から言うと、決してそんなことはない。

「何かに困っている人に対し、自分でできるアクションを起こせば、それがボランティアです」と、東京ボランティア・市民活動センター(TVAC)の河村暁子さん。

道路を渡るのに苦労している車椅子の人に手を貸すことと、何ら変わらない。“自発的”で“見返りを求めず”、“協力し合う”行為なのだ。定期的に通わないといけない、団体に所属しなければならないなどの束縛もなし。また、専門の知識は必ずしも必要ではなく、“思いやり”があれば大丈夫。

ボランティアを通して、趣味やビジネススキルを活かせたり、未経験の興味のある分野に足を踏み入れるきっかけになったり、社会課題を考える機会を得られたり。なにより、自分のしたことが誰かの役に立つという喜びは、何ものにも代え難い体験になるはず。

【自分に何ができるか考える。】

ボランティア活動でできることは、こんなにいろいろなバリエーションがあります。

「そんなこともボランティアになるの!?」と驚くほど、活動の種類は多岐にわたる。子どもや高齢者、障がい者などへの福祉系から、環境保護、国際支援、災害・防災、文化・芸術、NPOの運営支援など分野も様々。コミュニケーションが得意な人、苦手な人、それぞれに向いた活動があり、趣味や特技も活かせる。ここにあるのはほんの一例。誰に対してどんなことをしたいか、想像してみて。

話し相手になる

ボランティア活動1

高齢者向けのデイサービスや介護施設で多く求められているのが、「傾聴」ボランティア。施設に出向いたり、団体主催のお茶会に参加して、ただ話の聞き役になるだけでOK。留学生や在住外国人の日本語の会話の相手をするボランティアの募集も急増している。日本語教師の資格がなくても可。コミュニケーション好きにおすすめ。

(ランニングの)伴走をする

ボランティア活動2

走ることが趣味であれば、週末に公園で、視覚障がい者や知的障がい者と伴走し、ランニングのサポートをするというボランティアがある。伴走方法は教えてもらえるので特別な資格はいらない。また、障がい者へのサポートとしては、施設での活動のほか、障がい者が働いている店の菓子やパンを食べることもボランティアになる。

森で草刈りをする

ボランティア活動3

持ち主の高齢化が進み、山の管理が行き届かなくなったため、山崩れや洪水などの被害が大きくなっている問題が日本の各所で起きている。そこで、週末に森や里山に行き、草刈りなど森林の手入れをするボランティアが、自然・環境保護系の団体により開催されている。アウトドアが好きな人が、レジャーを兼ねて参加している。

炊き出しをする

ボランティア活動4

災害・防災の分野でのボランティア活動は、炊き出し、泥かき、瓦礫運びから、避難所のサポート、避難者たちへの傾聴など幅広い。ニーズは刻一刻、変化するので、災害ボランティアセンターの情報をまめにチェックすることが必須。参加可能なのは近隣住民のみなど、条件があることも。被災地に行かずに支援できる活動もある。

趣味を役立てる

ボランティア活動5

そのほか、捨て猫や捨て犬を保護するNPOで動物の世話をしたり、里親を探すボランティア。博物館や美術館、動物園にて、館内をガイドしたり、手助けが必要な観客の補助、イベント・講演会の受付やお手伝いスタッフなどのボランティアも多種ある。動物好きや文化・芸術に興味のある人は、趣味と実益を兼ねられそう。

河村暁子さん 東京都社会福祉協議会東京ボランティア・市民活動センター(TVAC)主任。多様な団体の活動を知るエキスパート! CSRの一環で、企業からのボランティア研修の相談も増えているとか。

※『anan』2019年3月13日号より。写真・大澤千尋 イラスト・別府麻衣

(by anan編集部)

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