食欲をそそりデトックスもできる、香り豊かな薬味とハーブをたっぷり使ったレシピをご紹介。身近な食材や調味料と合わせて作る、手軽でおいしい4品が、夏の疲れた体に染み渡ります!
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香りで食欲を刺激して夏に嬉しい栄養も摂取
この夏は猛暑で体はバテ気味、いまいち食欲もない…。「そういう時こそ、薬味やハーブを日々の食事に積極的に取り入れてほしい」と語るのは、ハーブ料理家の若井めぐみさん。
「香りは味の決め手になり、料理の仕上がりも大きく左右する要素。特に薬味やハーブは香りづけに欠かせない食材で、料理に加えると食欲を刺激してくれます」
今やスーパーで一年中、多くの種類が入手できるけれど、やはり旬のものを食べることで、その時期に必要な栄養素を摂取することができるという。
「夏に旬を迎えるのは、大葉やバジル、ミント、みょうがなど。爽やかな香りのものが多く、食べると口の中も気持ちもすっきりとするほか、抗酸化作用や抗菌効果などにも優れています。また、シャキシャキとした食感や、トッピングすると料理が涼やかになるところも暑い季節にぴったり」
そんな薬味やハーブのなかから、今回は春から夏にかけて旬を迎えるものを中心にピックアップし、4品のレシピを紹介。
「なかには独特の香りのものもありますが、調味料とのバランスでむしろクセになる味わいとなって、料理を格上げしてくれます。とはいえ、どのレシピも特別な調味料は不要で、身近な食材と合わせて、簡単な手順で作ることができます。夏の食卓に取り入れて、その魅力をたっぷりと味わってください」
【ニラの梅和えそうめん】疲れた体に英気を養うニラと梅をトッピング

夏の定番、そうめんをアレンジ。ニラ特有の辛味と香りを、梅干しと和えてさっぱりとさせながら、ごま油でコクをプラス。梅干しのクエン酸も夏バテ対策に。
ニラ

独特の辛味や香りを生み出しているアリシンには、抗酸化作用や疲労回復をサポートする効果が。スタミナをつけたい時におすすめ。
【材料/2人分】
ニラ…1束、梅干し(塩分8%のもの)…2個、ごま油…大さじ1、しょうゆ…小さじ1、そうめん…4束(200g)、めんつゆ(2倍濃縮)…100ml、白すりごま…小さじ2
【作り方】
1、ニラはさっとゆでて冷水にとり、水気を絞って長さ3cmに切る。梅干しは種を取り除き、包丁で軽く叩く。
2、ボウルに1を入れ、ごま油、しょうゆを加えて軽く和える。
3、そうめんをゆでてザルにあげ、流水ですすいで、氷水で締め、水気をしっかりと切って器に分け入れる。
4、めんつゆと冷水200mlを合わせて、3の器に注ぎ入れ、2をのせて白すりごまをかける。
【桃と生ハム、大葉のサラダ】みずみずしい甘じょっぱさに大葉の香りをふわり

すっきりとした大葉の香りと旬の桃のジューシーな甘さ、生ハムの塩味のバランスが絶妙なので、味付けは最小限でOK。桃の代わりにぶどうを使ってもいい。
大葉

老化防止や美肌にいい抗酸化成分のβ‐カロテンが豊富。香り成分のペリルアルデヒドは殺菌や防腐作用があるほか、食欲増進にも。
【材料/2人分】
大葉…5枚、桃(大)…1個、生ハム…25g、オリーブオイル…大さじ1、レモン汁…小さじ1、塩…ひとつまみ
【作り方】
1、大葉は千切りにしてさっと水にさらし、水気を切る。
2、桃を一口大に切り、器に並べ、生ハムを食べやすい大きさにちぎってのせる。
3、1を全体に散らし、オリーブオイル、レモン汁をまわしかけて、塩を振る。
【バジルのグリーンサラダ】フレッシュサラダの主役はバジルの爽快な香り

バジルが香るシャキシャキのグリーンサラダは、粉チーズと味噌入りのドレッシングで味付け。複雑で深みのある味わいが魅力。
バジル

神経を落ち着かせる作用があるハーブ。抗酸化成分のβ‐カロテンや骨を強くするカルシウム、塩分排出を促すカリウムなども豊富。
【材料/2人分】
バジル…8~10枚、レタスの葉…2~3枚、きゅうり…1/2本、玉ねぎ…1/8個、粉チーズ…小さじ1、A[味噌…10g、米酢(または穀物酢)…小さじ2、レモン汁…小さじ1、はちみつ…小さじ1/3、こしょう…少々、米油(またはサラダ油)…大さじ1,1/2]
【作り方】
1、レタスは食べやすい大きさにちぎる。玉ねぎは薄くスライスして10分ほど水にさらして、水気をよく切る。きゅうりは4~5cmの長さに切り、縦半分に切ってスライスする。
2、Aをよく混ぜ合わせてドレッシングを作る。
3、1を合わせてボウルに入れ、バジルを適当な大きさにちぎって加え、2をまわしかけて粉チーズを振り、ふんわりと和えて器に盛り付ける。お好みでさらに粉チーズ(分量外)を振る。
【エスニック冷やしトマト】青ネギとディルで仕上げる香り高く冷たい一皿

体を冷やし肌にもいいトマトにトッピングしたのは、和の定番薬味の青ネギ。ディルやナンプラーと合わせてエスニックな風味に。
青ネギ

辛味や香りのもとになるアリシンには、血液サラサラ効果があり冷え症の改善にも。ビタミンCやβ‐カロテンは、白ネギの2倍以上。
【材料/2人分】
青ネギ(小ネギ)…2本、ディル…2枝、トマト(大)…1個、A[ナンプラー…小さじ1、米酢(または穀物酢)…小さじ1、きび砂糖…小さじ1、水…小さじ1、にんにく(すりおろし)…少々]
【作り方】
1、青ネギは小口切りにする。
2、トマトは縦半分に切ってヘタをとり、横にして1cm幅にスライスし、器に並べる。
3、2によく混ぜ合わせたAをかけ、1を散らして、ディルの葉をちぎってのせる。
お話を伺った方
Profile
若井めぐみ
ハーブ料理家。2008年渡仏し、ハーブやスパイスを多用した人気パティスリーで修業。帰国後、2011年にハーブをテーマにした料理教室「ヴェールエクラタン」を設立。近著に『ハーブと薬味でおつまみ』(誠文堂新光社)などがある。
anan 2457号(2025年7月30日発売)より