お菓子な宝物

chicoの“お菓子な宝物”『LuLu』(ルル)のリスほか

フード
2025.02.19

ギフトコンシェルジュの真野知子さんがおすすめするギフトをご紹介。今回は『LuLu』(ルル)のリスほかです。

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手前から時計回りに、「リス」¥750。チーズフランを包んだふわふわチーズクリームにサワークリームシャンティを重ねた「プルム」¥620は、淡雪のような口溶け。「ショコラミキュイ」¥680は、たっぷりのエスプレッソクリームを絞った半生ガトーショコラ。ほんのりトンカ豆の華やかなニュアンスも。

艶めく漆黒に誘われるまま一口いくと、アイスクリームみたいに、いやそれ以上に軽く、フワッ、スッと溶けてしまった。ショコラのムースなのにすっきりしつつ、舌に消えた後も続くのはカカオとバニラの幸せな香り。味の組み合わせはごくベーシック。けれど繊細でさらりとみずみずしくすらあるテクスチャーや豊かな香りを思うと、無性にまた食べたくなってしまう。

「リス」は福江寛幸シェフが、20年ほど前に作った思い入れあるお菓子を、これまでの経験をもとにブラッシュアップした『LuLu』のシグネチャー。親しみやすくも忘れ難い味わいは、温もりと洗練が息づくお菓子で知られる『菓子工房オークウッド』で長年統括責任者を任された彼らしい。ひたむきに目指すのは、「人の心に残り続けるお菓子。食べた瞬間においしい! となるよう、技術やアイデアを詰め込んでいます」。「リス」の幻みたいな口溶けと鮮やかな香りも、カカオ香とすっきり感を両立するチョコレートを使い、乳化や温度、混ぜ方など細部まで工夫することで叶えたという。ショコラ生地は小麦粉を使わず、ムースとともに消える儚さに。さらに低温で水分を残すように焼いたクレームブリュレを忍ばせ、あの心地よいみずみずしさをまとわせた。ここにしかない研ぎ澄まされたおいしい普遍が、お菓子マニアも近所の子たちも虜にする。

PROFILE プロフィール

チコ

スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。

INFORMATION インフォメーション

LuLu

埼玉県さいたま市見沼区東大宮4‐1‐4  トライフォース1F TEL:048・782・7602 11:00~19:00 月・火曜休、不定休 昨年11月オープン。確実に購入したい場合は予約がおすすめ。店頭または電話(インスタグラム@lulu_patisserie_2024で対応時間を要確認)、ベイクモール(準備中)で。

写真・清水奈緒 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・chico 撮影協力・UTUWA

anan 2434号(2025年2月12日発売)より

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chico

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