ご飯+お汁だけでOK! 簡単に作れて栄養バランス抜群の“ほかほか骨活レシピ”

フード
2024.11.30

骨に欠かせないカルシウムやビタミン類は、油断すると不足しがちなものばかり。意識して摂りたいけれど料理をあれこれ作る余裕がない…というなら、ご飯+お汁で完結するミニマム骨活メニューを。主菜がなくても栄養バランス抜群で、手間なくできるものばかり。日々の食卓にぜひ取り入れて。

食は骨の健康に直結! 早くケアを始めるほど吉。

丈夫な骨を作るにはカルシウムが大事。頭では分かっていても、「必要量が摂れている人はごくわずか。本来は骨量が最大になるはずの20代でも、骨粗鬆症予備軍がいるのが現状です」とは、産婦人科医の善方裕美先生。とくに女性はホルモンの変動とともに骨がもろくなりやすく、早めのケアが必須だそう。

「一番効果が高いのは食の見直し。カルシウム摂取量を増やすことが、骨の状態改善に直結します。しらすなどの小魚に多く含まれますが、毎日食べるのが難しければ乳製品や大豆製品も上手に利用して。骨を作るのに欠かせないビタミンDやビタミンKが多く含まれる、きのこや緑黄色野菜などもぜひ欠かさずに」

それらを無理なく摂れるとして料理家のみないきぬこさんが提案してくれたのは、栄養バランスのよい炊き込みご飯や混ぜご飯と汁ものの、2品献立。

「より簡単に済ませたいときは、ご飯と汁を合体させた一品でも。魚は缶詰や刺し身を使えば手軽ですよ」

しなやかな骨を作る[三大栄養素]

[カルシウム]Calcium

骨の基礎を作る要の栄養素。ごまや粉チーズも活用しよう。

「骨ごと食べられる魚のほか乳製品、大豆製品、ごま、海藻、小松菜などの青菜に豊富。「1日の理想摂取量は牛乳にしてコップ3杯半分、ししゃもで4尾分。一度に摂るのは難しいので、毎食少しずつ増やす工夫を」(善方先生)

[ビタミンD]Vitamin D

カルシウムの吸収をサポート。不足しがちゆえ意識して摂取を。

「日光により皮膚で生成されますが、美白意識が高い今、圧倒的に足りていません。日照の少ない冬場はさらに不足しがち。含有量の多い鮭などの魚や干ししいたけ、まいたけなどを意識して摂りましょう」(善方先生)

「ビタミンK」Vitamin K

カルシウムを骨に取り込み、骨を強くする役割が。

「青菜やブロッコリーのように色の濃い野菜に多いほか、わかめや鶏もも肉にも多く含まれている。納豆は、ビタミンKだけでなくカルシウムも豊富。「ビタミンKは脂溶性なので、油と一緒に摂るのがおすすめです」(善方先生)

くずし豆腐と小松菜のみそ汁
ごま油でコクを増し、ビタミンKの吸収率もアップ!

絹ごしよりカルシウムの多い木綿豆腐をごま油で軽く炒めて、コクとうまみをプラス。カルシウムもビタミンKも豊富な優秀食材、小松菜もたっぷりと。

【材料】2人分(Ca=カルシウム、K=ビタミンK)
木綿豆腐(Ca)…150g、小松菜(Ca、K)…120g、だし汁…300ml、みそ…大さじ1~1,1/2、ごま油…小さじ1

【作り方】
1、小松菜は3cm長さに切る。

2、鍋にごま油を中火で熱し、1と豆腐を崩しながら加えて炒める。だし汁を加え、ふつふつとしてきたら1分ほど煮てみそを溶き入れる。

鮭とひじきの炊き込みご飯
ビタミンD×カルシウムの最強の組み合わせ。

ビタミンDの含有量ダントツの鮭を、カルシウム豊かなひじきと一緒に炊き込みご飯に。調理は炊飯器に任せ、後はみそ汁を作れば骨活献立が完成。

【材料】作りやすい分量(Ca=カルシウム、K=ビタミンK、D=ビタミンD)
米…2合(300g)、生鮭(D)…2切れ(160g)、芽ひじき(乾燥)(Ca)…5g、しょうが(薄切り)…3~4枚、A[酒…大さじ2、和風だしの素(顆粒)…大さじ1/2、うす口しょうゆ(なければ普通のしょうゆ)、みりん…各大さじ1]、塩…少々、細ねぎ(小口切り)、白ごま(Ca)…各適量

【作り方】
1、米は洗ってざるにあげる。

2、ひじきはたっぷりの水に5分ほど浸けて戻し、水気を切る。しょうがは千切りにする。

3、炊飯器に1の米を入れ、Aを加えて2合の目盛りまで水を注ぐ。2のひじきとしょうが、鮭をのせて炊飯する。

4、鮭の皮と骨を取り除いてほぐし、さっくりと混ぜて、塩で味をととのえる。器に盛り細ねぎとごまを散らす。

タンドリーチキンピラフ
カレー風味が食欲をそそる、カルシウムご飯。

鶏もも肉も実は、ビタミンKが多い食材。ヨーグルトに漬け込んで米と炊けば、カルシウムもしっかり摂れるピラフに。パセリでビタミンKをさらに補強して。

【材料】作りやすい分量(Ca=カルシウム、K=ビタミンK)
米…2合(300g)、鶏もも肉(K)…1枚(250g)、赤パプリカ…1/2個、A[にんにく、しょうが(共にすりおろし)…各小さじ1、塩…小さじ1、カレー粉…大さじ1、ヨーグルト (Ca)…1/3カップ、ケチャップ…大さじ1]、コンソメ(顆粒)…大さじ1/2、バター…20g、塩…少々、パセリ(みじん切り)(K)…適量

【作り方】
1、米は洗ってざるにあげる。

2、鶏肉を約3cm角に切り、Aとともにボウルに入れてよくもみ込む。パプリカは5mm角に切る。

3、炊飯器に米を入れて大さじ2分少なく水加減をして、コンソメを加えて混ぜる。バターを小さく刻んで所々に散らし、2の鶏肉とパプリカをのせて炊飯する。

4、全体を混ぜて塩で味をととのえ、器に盛ってパセリをのせる。

ブロッコリーとエリンギのミルクスープ
ビタミンD&Kと、2つの乳製品でカルシウム強化。

ビタミンDを補うきのこのスープは、食材を小さめに切ってくたくたに煮て、風味も口当たりもまろやかな一品に。粉チーズでうまみと栄養をもうひと足し。

【材料】2人分(Ca=カルシウム、K=ビタミンK、D=ビタミンD)
ブロッコリー(K)…120g、エリンギ(D)…1パック(100g)、玉ねぎ…1/4個、にんにく(すりおろし)…小さじ1、コンソメ(顆粒)…小さじ1、牛乳(Ca)…200ml、サラダ油…小さじ1、塩、こしょう…各少々、粉チーズ(Ca)…適宜

【作り方】
1、ブロッコリーと玉ねぎは粗みじん切りにする。エリンギは小さめの乱切りにする。

2、鍋にサラダ油とにんにくを入れて中火にかけ、香りが立ったら1を加えて炒める。全体がなじんだら水100mlとコンソメを入れる。ふつふつとしてきたらふたを少しずらしてのせ、5分ほど煮る。

3、牛乳を加え、再度ふつふつとしてきたら塩、こしょうで味をととのえる。器に盛り、好みで粉チーズをふる。

PROFILE プロフィール

善方裕美

産婦人科医。よしかた産婦人科院長として診療に当たるかたわら、骨活の大切さをTVやYouTubeなどで発信。「自分の骨密度を知っておくことも大事。ぜひ一度、整形外科や産婦人科で測ってみてください」

みないきぬこ

料理家、フードコーディネーター。身近な食材を使いながら、簡単でひとひねりの利いたメニューで定評がある。広告の現場や、TVドラマの劇中料理制作などにも携わる。

写真・中垣美沙 スタイリスト・矢口紀子 レシピ作成、料理作製・みないきぬこ 取材、文・新田萱子

anan 2424号(2024年11月27日発売)より

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