華美なスイーツよりも、素朴な焼き菓子に夢中。
「少し前は、派手だったり華やかなスイーツにみんな目を奪われていたと思うのですが、最近は逆に、茶色の焼き菓子にばかり私は目が行ってしまって。もしかして“映え”の時代は終わり、本質的な美味しさを求めるようになっているのかな、と思います」
芸能界のスイーツ女王・田辺智加さんがいま一番注目しているのは焼き菓子。なかでも茶色と白の素朴な佇まいのキャロットケーキに夢中だそう。今年コンビニスイーツとしても発売されたことで、ブームに火が付いた。
「まずはやはり後輩に誕生日プレゼントでもらい、一口目で衝撃を受けた『Sunday Bake Shop』のキャロットケーキ。あの唯一無二のスパイス感は、事あるごとに食べたくなります。私の好みは、スパイスがこれでもかと効いた重めの生地に、上にあの白いふわふわのフロスティングがたっぷりのっているタイプ。それを求め、最近はキャロットケーキを見かけると必ずと言っていいほど食べています。劇場がある神保町のコーヒー屋で食べ、浜田山の紅茶店でも食べ…。ちなみにお店で食べるキャロットケーキは、そのお店のコーヒーや紅茶と一緒に食べると、相乗効果で美味しさが増すんですよ(笑)」
また、デパートで定期的に開催される「英国展」の盛り上がりからも、焼き菓子ブームの熱狂を感じる、と田辺さん。
「私もせっせと足を運ぶのですが、人が多すぎて、意中の商品を買えたためしがありません(笑)。Xでも毎回トレンドに上がりますし、あの人気ぶり、本当にすごいですよね…。英国に加え、オーストリアのウィーンの焼き菓子を目にする機会も増えていて、トラディショナルな焼き菓子が復権しているのかなと」
インタビュー中、何度も「それにしても、なんで私はこんなに茶色が好きなのか…」と独りごちていた田辺さん。
「昔も今も、焼き菓子は茶色で素朴なのですが、例えばレモンケーキの上にアイシングがのっているバランスや、キャロットケーキのフロスティングの上にちょっとだけピスタチオが散らしてあるとか、小さなディテールがとてもおしゃれになっている。素朴さと、その細やかな部分に宿る愛らしさが、いまの私たちには新鮮なのかもしれませんね」
キャロットケーキ
1、見た目はかわいく、でも甘さは控えめ。
京王井の頭線・浜田山駅の近くにある、本格紅茶とイギリス菓子のお店。「上にマジパンで作ったにんじんがのっていてかわいい。甘さ控えめでスパイスがよく効いています」
2、強めなスパイス感が、コーヒーによく合う。
喫茶店文化が息づく神保町の、スペシャルティコーヒーのお店。「一口食べると声が出るほどスパイスが強い。そこがコーヒーにぴったりなんです」
3、全焼き菓子好きが憧れるかわいい丸型ケーキ。
焼き菓子専門店の草分け的存在といえばここ。「ふわふわでほろほろ、でもスパイスはしっかり効いている。ここに行くと買い物が止まりません…」
正統派焼き菓子
1、サクッ、ふんわり、しっとりの融合に感動。
パフェの名店として知られるパティスリーは、焼き菓子も絶品。「サクッとしてふわっとして、中の生地はしっとり。プレーンも美味しいのですが、季節の味のスコーンもぜひ」
2、紅茶と合わせると、味も気分も上がる!
紅茶で有名なロンドンの老舗百貨店。スコーンは英国本店の最新レシピで焼かれている。「お気に入りの食器と紅茶をセットして、おうちでティーパーティをしています(笑)」
3、オーストリア生まれ、口溶け良いクッキー。
日本橋大伝馬町のフランス焼き菓子のお店が手掛けるオーストリア菓子〈キッフェルン〉。「ほろほろとした口当たりと優しい味わいが美味。最近本当に、こういう素朴な焼き菓子が好きです」
4、フォルムも愛らしい名店のレモンケーキ。
西荻窪のレモンケーキの名店。「酸っぱいアイシングと甘い生地のバランスが素晴らしい」
PROFILE プロフィール
ぼる塾・田辺智加
1983年生まれ、千葉県出身。お笑いカルテット・ぼる塾のメンバー。『ラヴィット!』(TBS系)の月曜レギュラーとして出演中。芸能界のスイーツ女王の異名も持つ。