夏の暑さを元気に乗り切るために食事で意識したいことといえば、「タンパク質をしっかり摂ることです」と料理研究家で栄養士の牛尾理恵さん。
「タンパク質は、アミノ酸の集合体。アミノ酸は筋肉などカラダを作るために不可欠な物質で、不足すると疲れやすくなったり、免疫力が低下してしまいます」
とくに、動物性タンパク質に注目。
「肉や魚にはタンパク質が多く含まれているので、効率的にタンパク質を摂取できます。しかも、動物性タンパク質には、体内で合成できず、食事から摂る必要がある必須アミノ酸も豊富です」
その摂り方にも、ポイントが。
「1日に必要なタンパク質量は、成人女性で60gほど。ただし、タンパク質は“摂り溜め”ができないため、1日3食、各20gくらいずつ小分けに摂ることが大切です。では何をどれくらい食べると20g摂取できるかというと、肉または魚100gが目安。そう覚えておけば、食材を買う時にもわかりやすいはず」
掲載レシピはフライパンひとつでOK。
「無理なく続けられることが第一なので、調理法も食材も極力シンプルに。しかもおいしく、元気をチャージできますよ」
タンパク質を肉でチャージ!
肉は総じて高タンパクなので、エネルギーチャージにもってこい。ただし、健康を考えるなら肉の脂質に要注意。脂質の少ない部位や赤身を選んで、賢くカットしよう。
豚ロースの肉巻き(1人分のタンパク質量22.3g)
肉は柔らか、野菜はシャキッ。2つの食感が楽しめる。
きめ細かく、味わい深い豚ロース。脂身を切り分けやすい部位でもあるので、カロリーが気になる人はカットするのも手。塩、こしょうが効いた柔らかな肉と、シャキッとしたズッキーニの名コンビは、クセになるおいしさ!
【材料/2人分】
豚ロース薄切り肉…10枚(約200g)、ズッキーニ…1本(200g)、小麦粉…小さじ2、バター…5g、オリーブ油…小さじ1、しょうゆ…小さじ1/2、レモン…1/4個
【作り方】
1、ズッキーニは5cm長さの細切りにする。
2、豚肉を広げ、塩・こしょう各少々をふり、1を均等に分けてのせ、クルクルと巻く。小麦粉を薄くまぶす。
3、フライパンでバター、オリーブ油を中火で熱し、2の巻き終わりを下にして並べる。少しずつ転がしながら全体を焼く。
4、しょうゆを回し入れて絡め、器に盛り付け、くし形に切ったレモンを添える。
豚赤身ひき肉と納豆炒め(1人分のタンパク質量24.9g)
納豆との合わせワザで高タンパク&食べやすさ◎。
様々な部位を混ぜ合わせたひき肉は、脂質が多くなりがち。でも、赤身を選べばそれも解消。赤身特有のパサつきやすさは、納豆と合わせることで滑らかに。タンパク質量アップにも繋がって一石二鳥。
【材料/2人分】
豚赤身ひき肉(または鶏むねひき肉)…150g、長ねぎ…1/2本、しいたけ…2枚、しょうが…1かけ、ひきわり納豆…2パック(80g)、ごま油…小さじ2、みそ…大さじ1、しょうゆ…大さじ1/2、レタス…100g
【作り方】
1、長ねぎ、しいたけ、しょうがはみじん切りにする。
2、フライパンでごま油を中火で熱し、ひき肉を炒める。色が変わってきたら1を加えてさらに炒め合わせる。
3、納豆を加え、みそ、しょうゆで味つけする。
4、レタスは冷水にさらしてシャキッとさせ、水気をしっかりと切り、3をのせて包んでいただく。
鶏もも肉のチーズタッカルビ風(1人分のタンパク質量28.5g)
山芋がチーズの代わり。食物繊維もたっぷり摂れる!
鶏もも肉は高タンパクではあるけれど、脂質も多め。そこでタッカルビのトッピングとしておなじみのチーズを山芋に代えて、脂質カットとトロッとした食感を実現。食物繊維も摂れる嬉しいメニュー。
【材料/2人分】
鶏もも肉(皮つき)…1枚(250g)、きゃべつ…200g、玉ねぎ…1/2個、A[コチュジャン…大さじ2、しょうゆ…小さじ2、トマトケチャップ…大さじ1、砂糖…小さじ1、にんにくすりおろし…1かけ分、しょうがすりおろし…1かけ分]、山芋…150g、刻み海苔…適量、卵黄…2個
【作り方】
1、鶏肉は食べやすくひと口大に切り、塩・こしょう各少々をふる。
2、きゃべつはざく切り、玉ねぎは1cm厚さに切る。
3、フライパンに1、2を入れ、合わせたA 、水大さじ2を回しかけ蓋をして中火にかけ、8~10分蒸し煮にする。
4、山芋をすりおろす。
5、3を器に盛り4をかけ、刻み海苔を散らし、卵黄をのせる。
牛尾理恵さん 料理研究家、栄養士。調理の手間は最小限に、おいしく健康的なレシピを提案。著書に『おいしく食べて美やせ体質になる! 高たんぱく質の絶品おかず』(扶桑社)などがある。
※『anan』2023年8月2日号より。写真・神林 環 スタイリスト・洲脇佑美 レシピ&料理作製・牛尾理恵 取材、文・保手濱奈美 構成・菅野知子
(by anan編集部)