天に向かってひきしぼられるようなフォルムの北海道の利尻山に、緑萌える鹿児島の桜島御岳。遥か上空、神視点から日本の山々を愛でる……ジオラマか箱庭か? いいえ、チョコレートのお菓子です。
この衝撃作を生み出したのは、さまざまなアートワークを手掛けるクリエイティブスタジオ「KLOKA」。『小楽園』のテーマは、“桃源郷の土産物屋”。日本のお伽噺のようでもあり、遠い異国のようでもある小さな楽園のお菓子。「山菓子」はその1作目だ。
リアルな山容は、地形データから3Dプリンターを使って型に落とし込み、チョコのシェルを仕立てて叶えたという。尾根と谷が醸す凸凹が、チョコのパリパリ感を際立たせる日が来るなんて。などと思いつつ雪景色の利尻山をカットすれば、見事な地層が現れる。ほっこりと心和む小豆入りのブラウニーに重なるのは、ラムレーズン入りのホワイトチョコガナッシュ。実は姿だけでなく、どの山もその土地の風味が潜んでいて、利尻山ならオホーツク海の塩と利尻昆布粉入り。ほどよい塩気と旨味をそっとまとった、奥深いラムレーズンの芳醇が山の雄大さを物語るよう。頂に忍ばせたくるみはカリコリと軽快で、春の訪れを待ちわびる気分。底に敷いたフィアンティーヌのサクサク感は、山道を踏み締めるみたいに気持ちいい。名山を丸ごと味わい尽くそう!
山菓子 利尻山(冬)¥2,484。“利尻富士”とも呼ばれる美しい姿がそのままチョコ菓子に。他に大分の由布岳、鹿児島の桜島御岳、静岡の大室山、東京の八丈島 西山の5つの山が揃い、今後さらに増える予定。全山制覇したくなる。
小楽園 11月よりオンラインショップ(https://www.shorakuen.com/)内で販売。2023年1月21日、実店舗オープン予定。東京都渋谷区元代々木町10‐9 info@kloka.co.jp 12:00~19:00 無休
チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。
※『anan』2022年11月9日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・chico
(by anan編集部)