「レーズンは嫌いだけど、レーズンサンドは食べてみたい」。当ページでもお馴染みのフードエッセイスト、平野紗季子さんは長年レーズンを敵視しつつも、他ならぬ特別感漂うレーズンサンドに憧れ続けていたという。そんなレーズンパラドックスから閃いたのが「レーズンとそれ以外のサンド菓子」のアソート。監修は『Equal』後藤裕一シェフ。彼にかかるとドライフルーツはたちまち輝きだす。
レーズンなら湯がいてふっくらさせ、丁寧に選別。漬け込むラム酒シロップにはシェリービネガーを忍ばせ、キレと果実味を纏わせてみせた。チェリーは酸味を残すようサッと湯がき、フランボワーズビネガー入りのキルシュシロップにクランベリーも一緒に漬けて、より香り華やかに。ピンクが眩しいチェリーのサンドを齧るとさくり、サブレが砕け、果実味溢れるクリームにチェリーの酸味がキュン! チェリーとベリーがぎゅっと濃縮した香りまでもがチャーミング。レーズンサンドはこれでもかとレーズンたっぷり。ぷにゅっとジューシーにはじければ、ドライフルーツの芳醇さと果物の瑞々しさが口いっぱいに。レーズン好きには過去最高のレーズンサンドを。苦手な人にも果実サンドの喜びを。Yesの人もNoの人も、一緒に仲良くお茶しよう。
「(NO)RAISIN SANDWICH VERY BERRY CHERRY」¥2,500。フルーツはデザートを仕上げるがごとく、ピンセットで丁寧にのせてサンド。レーズンサンドとノーレーズンなVERY BERRY CHERRYサンド 各3個入り。9/26~はマロンのサンドに。アートディレクター・田部井美奈さんデザインのパッケージもおしゃれで、手土産にもぴったり。
(NO)RAISIN SANDWICH https://noraisinsandwich.com/ 毎週日曜10:00~オンライン発売 公式Instagramは@noraisinsandwich 平野さんがプロデュースする菓子ブランド。新たに専用工房を構え、定期販売スタート。
チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。
※『anan』2021年9月15日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・中根美和子 取材、文・chico
(by anan編集部)