この数年、中国料理店の充実ぶりが目立つ西麻布。そんな一軒、6月21日にオープンした『Ji‐Cube』のランチに行ってみた。理由はランチでしか味わえない料理があるから。
住宅街に佇む白いキューブ(立方体)は、築50年の一軒家を改装。夜なら隠れ家レストランの雰囲気満点だけど、昼の住宅街では逆に目立っている!? 1階がカウンター席、2階は個室3室。目を引くのが真っ赤なテーブル。唐辛子を粉末にして吹き付けているとか。涼しくなったら外のテラス席もいい感じだ。
料理は四川の老舗『四川飯店』とその系列店で修業を重ねた佐々友和シェフが仕切る。王道中華と日本ならではの季節の素材使いが面白い。でも「ランチでは飲茶セットを用意しています」。そこが今回の注目点だ。最近、点心を出す店が少なく寂しかったけれど、ここでは全7品のうち3~4皿目が点心。蒸し4種(エビ蒸し餃子、エビ焼売、フカヒレ餃子、トマト&鶏肉&バジル餃子)に揚げ2種(韮饅頭、大根餅)。蒸し点心には定番とオリジナルを組み合わせ、揚げ点心は表面カリッと、中はしっとりの新食感を表現。これも全て自家製だからできること。ちなみに締めには坦々麺を選びたい。豆乳を加えたマイルドなスープは病みつきになりそう!
土・日・祝日の昼のみの飲茶セット¥4,400。左から反時計回りに、岩ガキの麻辣ジュレ、牛肉のガーリックソース、おすすめ揚げ点心、胡麻香るクリーミー坦々麺、点心4種盛り合わせ、紹興酒で作ったカラメルソースのプリン、本日の野菜料理(つるむらさきと花びらだけの炒め物)。
Ji‐Cube 東京都港区西麻布3‐18‐10 TEL:03・6434・0076 ランチ11:00~15:00(土・日・祝日)、ディナー18:00~22:00 水曜休、不定休
いぬかい・ゆみこ レストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。
※『anan』2021年9月1日号より。写真・清水奈緒 取材、文・犬養裕美子
(by anan編集部)