骨髄の中の貴重な栄養をカラダに吸収できる。
骨からしみ出たコラーゲンやアミノ酸がたっぷり。野菜と天日塩で栄養バランス◎。
アメリカの医学博士が火付け役となり、健康志向のニューヨーカーやセレブたちが飲んでいるというボーンブロスは、鶏、豚、牛や魚の骨を煮込んだスープのこと。
「タンパク質は消化の過程でアミノ酸分子に分解されることで、人間のカラダに栄養として吸収されますが、お肉で摂ろうとすると消化にものすごくエネルギーを使ってしまううえ分子量が大きいため、実は必要な成分が吸収できていないことも。でも長時間煮込んだボーンブロスには、お肉にはない骨髄の中のアミノ酸やコラーゲン、カルシウムなど、カラダを修復して健康や美容に必要な成分が溶け出していて、吸収しやすい。マグネシウム豊富な天日塩を入れて飲めば、カルシウムの吸収率を高めて骨の強化に加え、腸を整え美肌効果も期待できます。エネルギー源となる糖質の多い根菜を一緒に煮込むとバランスのいいスープに」(内科医・桑島靖子先生)
「ボーンブロスは骨からしっかりうまみが出ているので、どんなアレンジでも美味しい」(料理研究家・エダジュンさん)
基本のボーンブロスをチキンと魚で作ろう。
ボーンブロスはスープだけを飲むのが基本。手に入りやすいチキンと白身魚のアラを使った、ボーンブロスの作り方を紹介します。スープジャーに入れて持ち歩いて飲んでもOK!
チキンボーンブロス
【材料/作りやすい分量】
(A)
鶏手羽先、手羽元…各8本(約1kg)
野菜(玉ねぎ1 1/2 個、にんじん 1本、セロリ1本など)…約500g
にんにく…2かけ
しょうが…1かけ
りんご酢…大さじ2
水…2L
天日塩…適量
こしょう…適量
【作り方】
(1)鶏肉はよく洗って水分を拭き取ったら、エキスが出やすいように骨に向かって垂直に切り込みを入れる。野菜は洗い、煮込みやすいサイズ(大きめでよい)にカットする。にんにく、しょうがは薄切りにする。
(2)鍋にたっぷりの湯(分量外)を沸騰させる。(1)の鶏肉を入れてさっと茹でて取り出し、流水で脂や汚れをしっかり洗い流す。
(3)別の鍋に(A)を入れて火にかけ、沸騰したら弱火に。アクを取りながら30分以上煮る。加熱時間が長いほどエキスが出る。
(4)粗熱が取れたらキッチンペーパーを敷いたザルでこして完全に冷ます。その後、冷蔵庫で冷やし、表面に固まった脂をしっかり取り除く。
(5)食べる分を温め、塩、こしょうで味を調える。
フィッシュボーンブロス
コクとうまみが凝縮したフィッシュベース、ゴクゴク飲めるやさしい味わいにホッ。
【材料/作りやすい分量】
(A)
白身魚のアラ(鯛など)…2尾分(約1kg)
野菜(長ねぎの青い部分2本分、玉ねぎ2個など)…約500g
昆布…1枚(5cm角)
しょうが…2かけ
りんご酢…大さじ2
水…2L
天日塩…適量
こしょう…適量
【作り方】
(1)昆布の汚れを拭き取り、水を入れた鍋に入れる。
(2)アラ全体に天日塩(分量外)を振って5分置き、出てきた水分を拭き取る。野菜は洗い、煮込みやすいサイズ(大きめでよい)にカット。しょうがは薄切りにする。
(3)別の鍋にたっぷりの湯(分量外)を沸騰させる。(2)のアラを入れてさっと茹で、冷水に取る。流水でぬめりや血合い、汚れを洗い流して水分を拭き取る。
(4)(1)に(A)を入れて火にかけ、沸騰寸前に昆布を取り出す。沸騰したら弱火でアクを取りながら30分以上煮る。加熱時間が長いほどエキスが出る。
(5)粗熱が取れたらキッチンペーパーを敷いたザルでこす。冷めたら表面の脂や汚れを取り除く。
(6)食べる分を温め、塩、こしょうで味を調える。
くわじま・やすこ 内科医、桑島内科医院副院長、日本内科学会総合内科専門医、日本東洋医学会漢方専門医。漢方や栄養療法を取り入れ治療・予防を行っている。
エダジュン 料理研究家、管理栄養士。新刊『できるだけうちにある調味料で作る!エスニックつまみとごはん』(主婦と生活社)が6月18日発売予定。
※『anan』2021年5月26日号より。写真・市原慶子 料理作製、スタイリング・エダジュン 取材、文・若山あや
(by anan編集部)