18時スタートと、夜にデザートをお酒やお茶と味わう大人のデセールカウンター。まさに六本木っぽいのに、メニューにはショートケーキやプリンが並んでいてほっこりした。それでいてどれもしっかり出来たての喜びがある。ショートケーキでも注文後に目の前で作られ、持ち帰りどころかナイフで切れないほど柔らかで、もう初見スイーツの感覚。親しみと冒険の融合がなんとも楽しい。『Patissiere MAYO』店主の宮田真代さんは、予約の取れない某レストランで今も大ヒット中のチーズケーキを生んだパティシエール。軽やかの概念を塗り替えたそのチーズケーキもだけど、彼女のお菓子はありそうでいて無二。
プリンも「大好きな熊本『阿部牧場』の『ASO MILK』を主役にしたくて」と、〈なめらかプリン〉なのに乳製品は生クリームでなく牛乳メイン。低温でスチーム焼きすることで滑らかを叶えている。牛乳の繊細さを生かすべく、砂糖はすっきりした「特上白」やコクのある「みぞれ」などをブレンドして、甘ささっぱりに。舌にのせるとすっと溶け、清々しい乳味がふわり。プリンの懐かしい味に包まれながら、目を瞑れば高原でミルクをごくごく飲んでいる気分にすらなる。なんて爽快なプリンだろう。
「なめらかプリン」¥550。埼玉・深谷の「田中農場」の卵も名脇役。「ASO MILK」の風味を生かすべくカラメルは焦がし浅めで、渡す直前にかけられる。レストラン経験が長い宮田シェフのスイーツは、どれもすっきり軽やかで食後でもするするいける。テイクアウトできるのはプリンのみ。
Patissiere MAYO 東京都港区六本木7‐10‐2‐2F TEL:なし 18:00~24:00(22:00までは完全予約制、以降紹介制) 日・月曜休 プリンは3日前までに要予約。予約はインスタグラム(@patissiere_mayo)から。今年2月オープン。
チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。
※『anan』2021年4月14日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・中根美和子 取材、文・chico
(by anan編集部)