九品仏の駅前に何やら行列のできるお店がオープンしたとの噂を聞きつけ行ってみた。そこで出合ったのは、ベーカリー『コム・ン』。味はもちろん芸術性や栄養素まで評価されるパンの世界大会で、日本人初の総合優勝を勝ち取った大澤秀一氏の作るパンが1日に100種類ほど並ぶ。なかでもぜひ食べてみてほしいのは、コンクールの“お国柄パン”部門にも出品したという〈桜と日本酒〉。ふわふわで、ほんのり甘い。「あんぱんでない、あんこを使ったパンを」というリクエストに応えて開発されたパンで、生地には砂糖の代わりに桜あんを使い、日本酒も練り込んだ結果、柔らかく酒饅頭みたいな食感に。もちもちともしっとりとも違うこの食感は何だろう? と思った謎が解けた! ハード系に見えるパンも実はふんわり。
〈きな粉とクルミ〉はマーブル模様の断面からきな粉が香る。クルミもざくざく入っているのでトーストしてクリームチーズを添えて食べるのも私の楽しみ方。サンドはフレンチのシェフとの共作。芦屋にあるシャルキュトリーのハムやソーセージ、自家製惣菜など種類豊富な具に合わせてパンを開発。珍しいのは〈ローストビーフとへしこサンド〉。へしこの余韻も長くて、お酒好きが喜ぶ手土産にもおすすめ。
右・桜と日本酒¥800、器の中手前から時計回りに、コンテストにも出品したクロワッサンA・O・P¥300、ローストビーフとへしこサンド¥900、レザン・レザン¥300、クリームチーズのクラン・レザン¥350、深煎りの大豆粉を使用したきな粉とクルミ¥600、ジャンボンブール¥1,000
Comme’N 東京都世田谷区奥沢7-18-5-1F TEL:03・6432・1061 7:00~18:00 火・水曜休 群馬県高崎市で人気のベーカリーが東京に進出。時間帯によりメニューは刻々と変わり、クロワッサンは当日に成形するため遅めの時間を狙うといいそう。
まの・ともこ ギフトコンシェルジュ。手土産など日常的なギフトからハレの日まで多彩なシーンに合わせたギフトをセレクト。
※『anan』2020年10月14日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・中根美和子 文・真野知子
(by anan編集部)