「ものすごい短いな」。イタリア料理店『コジコメ』の店主・井村俊介さんが料理を運ぶ後ろ姿を見たとき、短パンの丈に驚いた。今から走りに行くのかという短さだ。どうりで足はナイキのスニーカー、そしてエプロンはイタリアのパスタ地図が描かれたごきげん仕様。
「コックコートを脱ぎたかったんですよね」と井村さん。元々星付きのイタリアンで長く仕事を重ねてきたが、「緊張して出掛けるレストランも良いのですが、ふらっと寄れて好きなものを好きに食べられる店が作りたかったんです。それこそ短パンでもOKな(笑)」。
毎日手書きでノートに綴られるメニューには、旬の食材をシンプルに調理した魅惑のメンバーが勢揃い。ジャンボししとうとペコリーノロマーノ、トマトとスイカの冷たいスープ……文字面を追うだけで幸せな気持ちになる。
更に幸せになりたいのならパスタはマストオーダー。セミドライトマトのタヤリンは、バターとパセリを和えた手打ちパスタの上に自家製セミドライトマトが、どん。崩して食べればパスタのぷつっとした食感にバターとトマトが絡みあい、ぶっちぎりの優勝だ。入り口はリラックスだけれど、料理はキチッと直球のおいしさ。近所の人が羨ましい……の代表のような店だけれど、それは結局遠くても通いたい店なのだ(実際、辺鄙な場所にあります)。
日ごとに替わるメニューから、セミドライトマトのタヤリン¥1,900、ジャンボししとうとペコリーノロマーノ¥850、木更津のクラフトビール・ソングバード¥1,000。イタリアンの名店・広尾『BOTTEGA』から独立し、今年の6月にコジコメを開店。
Cosi Com’e 東京都世田谷区下馬2-14-18 TEL:03・6318・6402 17:00~23:00(21:00LO) 水曜休
ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。
※『anan』2019年8月7日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子
(by anan編集部)
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