ビステリアとは、フレンチのビストロとイタリアンのオステリア(両方とも気軽な食堂の意味)を合わせた造語。佐藤猛シェフは両方の店で修業してきたことから、オリジナルのスタイルを作りたいと思ったのだと言う。佐藤シェフが料理に興味を持ったのはごく自然な理由からだった。「日曜になると父が料理を作ってくれて。それがおいしくてかっこよくて」。そんな記憶は料理人になるためには最高の宝物だ。
そんなわけで佐藤シェフは地元・京都のイタリアン、フレンチの店で修業を始めるが、京都の老舗肉屋が東京進出する際に、そこを手伝うことになる。さらに自由が丘のフレンチ『ラ・ビュット・ボワゼ』で修業後、フランスで1年働き、今年7月この店をオープンした。
野菜は千葉県松戸の眞嶋農園から、じゃがいもだけは特別に北海道十勝の村上農場の男爵、メークイン系を使う。魚は徳島鳴門の「尾崎商店」から活け締めを仕入れている。素材を吟味して、それを生かすために調理技法を選ぶ。それが3200円のランチにもめいっぱい詰め込まれている。たとえば野菜のテリーヌはフレンチ、パスタはイタリアンだけど、印象に残るのはその素材の力強さだ。北海道北見の蝦夷鹿や山形牛などは料金プラスでも納得の味!
写真中央・前菜の盛り合わせ(野菜のテリーヌ、鳴門から届く鮮魚のカルパッチョ、豚肉と鶏レバーのパテ)、右・パスタ(鳴門のマダコと眞嶋農園の野菜のオリーブオイル)、左・メイン(岩中豚ロースのロティ)、デザート、カフェで¥3,200。
Bisteria Satollo 常に8~10種類のグラスワインも楽しめる。東京都目黒区自由が丘2‐14‐19 夢のパラダイスII 2F TEL:03・5726・9045 12:00~14:00LO(水~日曜)、18:00~21:30LO 月曜、第1・3火曜休(祝日の場合は営業、翌日休)
いぬかい・ゆみこ レストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。
※『anan』2018年12月19日号より。写真・清水奈緒 取材、文・犬養裕美子
(by anan編集部)
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