
写真・田中聖太郎
6⽉5⽇、7⽇に埼⽟・ベルーナドームで開催された、SHINeeの約2年ぶりとなるドーム公演「-The Trilogy I - 2026 SHINee World VII : [THE INVERT] in JAPAN」。5⽉29⽇から3⽇間、韓国・ソウルで開催されたのに続く公演だが、メンバー4⼈で⽇本のステージに⽴つのは実に8年ぶり。気づけば⻑い時間が経っていたが、そんな空⽩の時間をも瞬く間に埋めてしまうような、SHINeeの真⼼とファンの真⼼とが共鳴する、⼤きくてあたたかな空間が広がった本公演。本稿では⽇本公演初⽇、5⽇の模様をレポートします!
Index
冒頭から圧倒的なパフォーマンスでドームを掌握

写真・田中聖太郎
開演3分前、SHINeeの公演ではお馴染み、“さあ出発しよう”と歌う彼らの楽曲「Runaway」が会場に鳴り響くと、パールアクアグリーンと名付けられたグループカラーでもあるミントグリーンのペンライトが、ライブのスタートを待ちきれないように揺れる。会場の期待が頂点まで膨らむと、ヘヴィな⽣バンドの演奏とともにオープニング映像がスタート。
今回の公演シリーズのタイトルは、地獄篇、煉獄篇、天国篇という三部作で構成されるダンテの⻑編叙事詩『神曲』がモチーフになっており、その第1部作である本公演は、[THE INVERT](ひっくり返す、元に戻す)と名付けられる。天から地の底へと墜ちていく4⼈の姿を映すオープニングに続いて、「Spoiler」のイントロにハードなバンドサウンドが重なって会場に⼤⾳響が轟くと、メインステージ中央から4⼈がせり上がって登場! ステージ前に真っ⾚な花⽕が打ち上がると、「Spoiler」で公演をスタート!
ブラックとバーガンディーが基調のレザー⾵⾐装に、MINHOはサングラス、KEYは左⽬を隠す眼帯姿というハードな⾐装で登場し、吊り上げ式のステージがみるみる上昇する中、正⾯を⾒据えて横⼀列でパフォーマンスする4⼈。ステージ両脇の巨⼤LEDにはロダンの「地獄の⾨」を彷彿させる⼈の群れの彫刻が映し出され、派⼿に⽕柱が燃え上がる真っ⾚な世界は、まさに地獄の扉を開けたよう。メンバーも“Letʼs Go! SHINeeʼs in the house!”とラストフレーズを⼒強く叫んでSHINeeの帰還を⾼らかに宣⾔し、その灼熱のパフォーマンスで早くも会場を圧倒したのだった。
ヒートアップした会場の温度を冷ますように、会場のペンライトが海原のように⻘く揺れる中スタートしたのは、6⽉1⽇にリリースされた最新ミニアルバム『Atmos』収録の「Anti Believer」。先ほどとは⼀変して、淡々としたシンセサウンドに乗せて冷たい闇を歌う、スタイリッシュでありながらも内省的な楽曲で彼らの最新モードを披露すると、「Whatʻs up! ベルーナドーム!」(KEY)「みんなもっともっと盛り上がって!」(TAEMIN)と、4⼈が思い思いに会場を煽りながら、LEDに映し出された燃え盛る炎とともに、「HARD」でふたたび会場の温度を上げていく。
メインステージと⼀体になっているムービングステージがせり上がり、客席の上を移動しながらハードなヒップホップビードに乗せてパフォーマンスし、そこにONEWが⼒強くロングトーンを放って会場を沸騰させると、間髪⼊れずに「Breaking News」へ! 久々にパフォ―マンスする⽇本オリジナル曲だけあって、会場のボルテージはさらに上昇。アリーナの中ほどに設置された花道に広がって客席と近い距離でパフォーマンスする4⼈は、ダンスもボーカルもラップもどんどんその熱量を⾼め、それに負けじと会場からも⼤きな掛け声が上がると、「Sherlock(Clue + Note)」へ雪崩れ込む。ギアをさらに1段上げた猛烈なエネルギーで歌い踊るその怒涛のパフォーマンスに、会場には熱狂と感嘆が渦巻いていた。
8年ぶりに4⼈で届ける⽇本語の挨拶
息を切らしながら深く⼀礼した後、「こんばんは。輝くSHINeeでーす!」という全員の挨拶に続き、グループとしては8年ぶりの⽇本公演になるONEWは、万感の「ただいまー!」で会場に挨拶すると、「Stand By Me」をワンフレーズ披露しながら⾃⼰紹介。TAEMINは「みなさん、会いたかったですか! 待っていてくれましたか?」と呼びかけMCを進めたところ、「何か準備してたじゃん?」というKEYの突っ込みに、「Atmos」の⼀節を若⼲の恥じらいをのぞかせながら披露。
「みなさん会いたかったでーす!」と挨拶したMINHOは、「Sherlock」の冒頭を会場とコール&レスポンスしながら熱くプレイバック。そしてKEYは、「僕、本気で何も準備してないんですけど。僕にやってほしいことがあれば何でも」とメンバーに振ると、「僕やってほしいことがあります! コンサートの説明をお願いします」(MINHO)、「それは⾃信があるから」(KEY)と、2年ぶりの⽇本でのドーム公演であること、ベルーナドームはSHINeeとしては初めてだということを流暢な⽇本語で説明。「AIの時代に本⼈で撮影して…」とKEY節を炸裂させながらオープニング映像の裏話やここまでの楽曲を4⼈で振り返った。
朝を感じさせる⿃のさえずりとエレクトリック・ピアノのイントロから「All Day All Night」へ。ゆったりと響くピアノコードと畳み掛けるメロディの対⽐、そして迫⼒のあるユニゾンボーカルへと展開する独特の楽曲世界を描く、SHINeeならではの⾳楽でベルーナドームを満たすと、続いて、ひんやりとした空気感を漂わせながらも、性急なハウスビートにメロディアスなボーカルが乗る「Possibility」で会場を疾⾛させる。ムービングステージでセンターからメインへ移動しながら披露した「Electric」では、客席に挑発的な視線を向けながら、静と動の中に⼤⼈なセクシーさを滲ませるパフォーマンスで、客席からは悲鳴に似た歓声が巻き起こったのだった。
メインステージに戻り、「ベルーナドーム楽しんでますか!」(KEY)の呼びかけに会場が⼤歓声で応えると、TAEMINの「OK! もっともっと⾏ってみて!」の⼀⾔から「View」へ。原曲とは異なるアレンジで新鮮なグルーヴを湛えながら、サビの⼤合唱と「シャ! イ! ニ!」の掛け声で会場がひとつになると、アウトロではKEYからTAEMINに繋ぐスペシャルダンスタイムで魅了した。
新旧楽曲を織り交ぜながら客席とカラフルにコミュニケーション
バンド演奏による「Downtown Baby」で会場の熱気も冷めないでいると、演奏の流れに乗って「Downtown Baby」を歌いながら、4⼈がメインステージの花道にスライドアップで登場し、シームレスに次のセクションがスタート。ウエスタン調のモチーフなどをあしらったカジュアルな⾐装に着替えた4⼈がメインステージ中央に集まると、華々しいシンセサイザーが鳴る中、KEYが会場全体を指差しながら“Song for my Juliette!”と投げかけたのをきっかけに「JULIETTE」がスタート! ハンドマイクに持ち替えた4⼈は、2011年のリリース当時の振付に忠実にパフォーマンスしながら、会場を照らすレインボーカラーの照明と相まって、その⾊褪せることのない楽曲の鮮やかさで会場を多幸感で満たしたのだった。
「Drive」からはふたたびムービングステージで移動しつつ、メンバーそれぞれが客席とコミュニケーションをとりながら歌を届けていく。ONEWの「⾏くぜーっ!」の⼤声アジテートでスタートした「Like A Fire」では、MINHOが、かつてのコンサートでメンバー同⼠でふざけ合った懐かしのダンスを繰り出したのに続いて、KEYのホイッスルボイス、そしてONEWとKEYの掛け合いで会場をますます盛り上げる。
センターステージ花道で届けた「Beautiful」では、銀フレークが舞う中、開放感抜群のメロディを⾼く舞い上げると、続く「Colorful」では、TAEMINが満⾯の笑みを浮かべて「Replay」のダンスを⾼速で踊りながらKEYににじり寄ったり、MINHOの「イ・ジンギ!」コールでONEWが会場に向けてピースのファンサービスをしたりと、ステージの上にも会場のそこここにも笑顔がはじけたのだった。
そして、会場後⽅までステージを移動させながら届けた「SAVIOR」は、ここまで休みなく5曲披露したことを感じさせないエネルギッシュさで客席に⼿拍⼦やジャンプを求めながら、4⼈も客席に負けじとステージ上でぴょんぴょん跳びはね、全⼒で盛り上げていく。客席の上から下まで、くまなく視線を送りながら笑顔でパフォーマンスするその姿には、会場の誰⼀⼈として置いていきたくないという彼らの思いが滲む。
「みなさん、楽しんでますか? SHINeeは楽しんでます!」(MINHO)、「なんか、宇宙の星の真ん中にSHINeeがいるみたいですね。みなさんの光で景⾊がすごく綺麗です」(TAEMIN)と、ここまで⼀緒に盛り上がった会場に礼を述べてメインステージに戻ると、「この⾐装に似合う曲だと思います」(KEY)と、最新ミニアルバムから、SHINeeらしさ全開のエレクトロファンクナンバー「HOURS」をドロップ。フォーメーションを変えながら軽快なダンスパフォーマンスを⾒せるその合間に、ムービングステージの裏側に仕込まれたカメラを4⼈で覗き込んで盛り上げるのも彼らの公演ならでは。
曲を終えると、突然KEYが「ちょっと、(⾐装が)それぞれソースの⾊じゃない?」と⾔い出し、ライトイエローのサテンジャケットの⾃分のことを「僕、マスタードさんです」と名付けつつ、⾚いジャケットのONEWのことをケチャップさん、マイクも含めて全⾝⽩いMINHOのことを、マヨネーズ。そして、⽩いトップスとグリーンのベロアパンツをはいているTAEMINのことはシーザーサラダと命名するというMCで会場を和ませるのも彼ららしい。
⾳楽を通して共鳴し、昇華するみんなの思い

写真・田中聖太郎
会場で初披露となった「Still Raining」のブリッジビデオを挟むと、LEDには⽔滴が滴るビニール傘が映され、「Don't Let Me Go」へ。最新ミニアルバム収録の「Still Raining」の韓国語タイトルは「⼣⽴」。突然降り出し、傘もなくて濡れてしまったその⼣⽴を、「透明傘」という韓国語タイトルを持つ「Don't Let Me Go」(2016)が受け⽌める。どちらも忘れられない記憶を丁寧に紡いだ楽曲だが、それを、モノトーンの⾐装におそろいの⿊のつば広帽⼦で歌う姿は、2014年、彼らの初めての東京ドーム公演で⾒せた、おそろいの⽩のつば広帽⼦にも通じる部分があり、彼らのこれまでの歩みをそっと繋ぐようだった。
メインステージの4段の吊り上げ式ステージに⼀⼈ずつ佇み、LEDに美しいオーロラが映し出されると「Wish Upon A Star」へ。それぞれ異なる響きを持つ4⼈の声が、ひとつずつ、情感豊かに伸びやかに広がり、やがて4つの声が重なると、そこには恋しい思いが共鳴していた。会場もそれに共鳴すると、「DIAMOND SKY」でその思いを空へと舞い上がらせた。⼈差し指と親指でダイヤモンドの形を作って空⾼く突き上げるのがSHINeeとSHINee WORLD(ファンネーム)との約束。MINHOが「みんなありがとう!」と叫び、ONEWは会場の思いも受け⽌めるように両⼿を広げ、KEYとTAEMINの⼒強いロングトーンのハーモニーがその思いをより⾼くまで舞い上げる。メインステージからセンターステージまで移動しながら歌うその間中、ほとんど客席から⽬を離すことなく歌い届ける彼らと、彼らに呼応して⽚⼿を⾼く上げる会場の思いは、ひとつだった。
続いて、ゆったりしたピアノのイントロでスタートしたのは「Green Rain」。メンバーが左右に⼿を振って客席に歌いかけるその姿はやさしく、会場の空気も先ほどよりほどけていく。LEDに過去のライブ映像が映し出される中、ONEWの控えめな「⼀緒に歌ってくれませんか?」という呼びかけに会場が全⼒で応えてシンガロングすると、緑⾊のテープが舞ってあたたかな繋がりが⽣まれる。そして会場が⻘い光に包まれると、本編ラストの「Thousand Miles Away」へ。
このセクションの冒頭では寂しさを抱えていた⾬が、やがて草⽊を茂らせる明るい⾬へと変わり、⾵と光になって美しい明⽇へと繋がっていくような展開は、SHINeeとしてデビューした⽇から今⽇まで、丸18年の歩みで彼らが感じてきた思いの数々を、まるで⾃伝のように語っているような気さえした。最後の⼀⾳まで精いっぱい声を届けた4⼈は、紙吹雪が舞う中、各々のスタイルで会場に感謝を伝え、ミントグリーンの光の粒になってステージから姿を消したのだった。
最後まで全⼒で届ける──誠実さと覚悟を感じたアンコール

写真・樋口隆宏(田中聖太郎写真事務所)
アンコールは、最新曲「Atmos」でスタート。グリーンのレーザーが乱れ⾶ぶ中AtmosのロゴがLEDに浮かび上がると、けたたましいイントロが鳴る。ダンサーの陰に隠れた4⼈が姿を現すと、MVと同じ⽩の⾐装で、軽快なハウスのトラックにスケールの⼤きいボーカルを乗せてSHINeeの現在地を指し⽰す。
「みなさんのSHINeeコールがすごく聞こえてきたから、すごくステージに出たくて早く着替えて出てきました」と、TAEMINがはやる気持ちをそのままに語り、続けて「今回(⽇本公演のために)新しい曲を準備しました! 懐かしい曲、いきましょう!」と、⽇本オリジナル曲「Lucky Star」をドロップ! 2014年のリリース以来、彼らの⽇本公演では定番になっている曲を、全員で1台のトロッコに乗り込んで、メンバーカラーのボールを客席に投げ込みながら歌う。
会場の⼀⼈ひとりとアイコンタクトをするような勢いで、トロッコから⾝を乗り出しながらファンとふれあうと、「OK! この雰囲気で次の曲いきましょうか! Letʼs go~!」(MINHO)のアジテートとKEYのカウントで「3 2 1」へ。疾⾛感抜群のこの曲を、会場の中で⼀番はしゃいでいるのはメンバーなのではないかと思うくらいに全⼒で叫び、全⼒で煽り、全⼒で⾛る! ラストはMINHOが跳びはねてバンド演奏を締めくくり⼤団円。
曲が終わるや否や、「いやあこの2曲、盛り上がるねー。盛り上がるねー」(TAEMIN)、「久しぶりにトロッコにも乗ってみてすごい楽しかった」(KEY)などと、⼤興奮のメンバーたちがそれぞれに⽇本語で無軌道に喋り出すカオスが⽣まれる。気を取り直して、ONEWが左⼿⾸にない時計を⾒ながら、「本当に残念ですけど、もうすぐ終わる時間です」と会場に告げると、メンバーそれぞれ最後の挨拶へ。
「メンバー全員で⼀緒の公演は8年ぶりでしたが、⻑い間こうして待ってくれて本当にありがとうございます。これからもいろんな活動や、いろんな曲を出す予定だから、それまでもうちょっと待っていてくださいね。今⽇もみなさんのおかげで幸せでした。ありがとうございました」(ONEW)、
「みなさん、すごく会いたかったです。みなさんもたぶん僕たちSHINeeを待っていてくれましたよね? 今⽇が来るのがすごく楽しみで、みなさんに早く会いたかったんですけど、みなさんが送ってくれたエネルギーや愛は、全部もらいました。本当に⼤切な思い出ができたし、これからもSHINeeを⾒守ってください」(TAEMIN)、
「本当にみなさんのおかげで僕、幸せ男です。ありがとう。元気が⼀番重要だから、たくさん⾷べて、たくさん寝て、SHINeeの曲をたくさん聴いてください。いつもみなさんが僕の希望です。ありがとうございました!」(MINHO)、
「本当にあっという間にこの時間になりましたけど、僕たちはここに⽴っていますし、SHINeeはずっとステージに⽴つことに集中して活動するので、今⽇が最後のステージじゃないから。こうやって応援してくれたら、いつでもSHINeeはまた来ます」(KEY)。
加えて、平⽇のベルーナドームに集まることの難しさを知っています、と、この⽇駆けつけたファンに感謝とねぎらいをメンバーが⼝々に語ると、「何曲も残ってない曲を、本当に⼀⽣懸命頑張って、オープニングみたいに⼒を出してみなさんに⾒せたいと思います。みなさん準備できましたか!」(KEY)と、「Chemistry」をドロップ。メインステージ花道に広がってパフォーマンスするその姿は、発⾔どおり、ミドルチューンにもかかわらず、まるでライブ序盤かのような勢いとタイトさ。
その圧倒的なパフォーマンスで魅せきると、最後はメインステージ中央に横⼀列に並んで「Everybody」へ。サビでジャンプが連続する振付にはじまり、彼らの楽曲の中でも群を抜いてタフなこの曲をアンコールの締めくくりに持ってくるセットリストに会場も騒然としながら、それでも髪を振り乱しながら⻤の形相で、横⼀直線の⾼いジャンプをキープし、ロングトーンもドームの天井を突き破らんばかりの渾⾝の声量で歌い切る4⼈の姿は、紛れもなくSHINeeだった。
ラストは、いつもならば仰向けになるところを、⽴ったまま “Everybody wake up!” と会場と⼀緒に叫び、⼒強く空を指差してフィニッシュすると、間髪⼊れずにエンドロールが流れ、公演の終了を告げたのだった。
とここで、興奮冷めやらない会場にふたたびバンド演奏が鳴り響き、それに合わせて⼤きなSHINeeコールが巻き起こると、「SHINee WORLD! もう1回いきましょうかー!」というMINHOのアジテートから、ダブルアンコールに「Hitchhiking」をドロップ! ツアーTシャツにデニムというラフな格好になった4⼈は、メインステージ花道両サイドの端の端まで移動して客席とコミュニケーションをとったり、熱演の疲れを微塵も感じさせない歌とラップでアグレッシブな楽曲をより⼀層ドライブさせると、最後は4⼈揃ったダンスでフィニッシュ! 締めくくりには、4⼈と会場とでお約束のサムズアップを交わして約2時間半の公演を終えると、会場からは彼らの姿が⾒えなくなってもなお⼤きな拍⼿が湧き起こり、SHINeeの⼤熱演に賛辞を送った。
SHINeeは今年、韓国デビュー18周年、⽇本デビュー15周年を迎える。K-POPの“世代”でくくれば、第2世代といわれるキャリアを築いてきた。それだけのキャリアを持っていれば、グループとしてのひとつの完成形を⾒ることもあるだろう。だがSHINeeは、18年のキャリアを積み重ねてもなお、“フレッシュ”なのだ。
韓国デビュー当時、前衛的であることをコンセプトに据え、そのビジュアルも楽曲もシーンの⼀歩先を表現してきた彼らは、いつしか、SHINeeというグループそのものを常に前を向かせ、歩き続けさせるようになった。それは、彼ら⾃⾝の、何があってもSHINeeを守り抜くという強い意志と覚悟がそうさせるのだろう。ゆえに彼らは常に挑戦をし、努⼒をし、常に⾃分⾃⾝を超えてくる。だから、いつ観ても彼らはフレッシュなのだ。
本公演でふんだんに盛り込まれた10年以上前の楽曲の数々も、この18年間で鍛え上げられた⼀⼈ひとりの圧倒的なスキルに裏付けられた無敵のパフォーマンスで、“今”の曲に“ひっくり返し”てしまっていた。彼らの「THE INVERT」は過去の⾃分たち⾃⾝を現在地に引っ張り出すということだったのかもしれない。それをもって彼らはまた、SHINeeを⾃分たちの⼿で守りながら、アップデートしていくのだろう。
ダブルアンコール前のエンドロールが、オープニング映像の逆再⽣だった。冒頭に述べた、今回の公演のモチーフにしているダンテの『神曲』の地獄篇では、主⼈公ダンテは、地獄の最下層をすり抜けると重⼒が反転し地上へと上昇し、天井の星を仰ぎ⾒て終わる。エンドロールはまさにこの結末を表現していた。
この⽇の熱演を地の底からふたたび上昇させた今、次に彼らが⾒せる景⾊はどんな景⾊だろうか。すでに、2028年の彼らの韓国デビュー20周年に向けて、この3部作が1年ごとに進んでいくことはメンバーの⼝から公表されている。次回、2027年にはどんな“フレッシュ”なSHINeeを⾒せてくれるのか、楽しみで仕⽅ない。
Profile
SHINee
シャイニー 2008年5⽉に韓国でデビュー、2011年6⽉に『Replay-君は僕のeverything-』で⽇本デビュー。今年、⽇本デビュー15周年を迎える。SHINee The 6th Mini Album『Atmos』が発売中。




























