
落語を聴いてみたい! 寄席に行きたい! でもまず何から始めれば? と足踏みをしているあなたに向けて、二葉さんと一花さんが素朴な質問に答えてくれました。
Q. まずは何から始めたらいい? おすすめの落語家は?
A. 最初は寄席がおすすめ。私らの落語をぜひ!
まずは、気軽に落語が楽しめる寄席へ行き、いろいろな噺を聴いてみよう。「落語は嗜好品。人それぞれに好みや相性があるものなので、いろいろな落語家を観るうちに必ず合う人が見つかるはずです」(一花)「一番初めは私らの落語を聴いてください。間違いないです!」(二葉)情報収集には、寄席演芸の専門誌『東京かわら版』がおすすめ。毎月1000件以上の情報が掲載されている。

『東京かわら版』は毎月28日発行、¥800。1か月の、落語家の出演番組表的役割を担う。https://www.tokyo-kawaraban.net/
Q. あらためて、寄席の魅力とは?
A. リレー競技にも似た盛り上がり方とお得感
「落語家をはじめ、いろいろな芸をする方がいっぱい出てくるところが特徴で、お得感もあります。リレー競技に似ていて、テンションが低いところからみんなで徐々に上げていき、トリの師匠までバトンを繋いでいく。盛り上がった後、さらりと終わる感じも私は好きです。ミステリアスな人が多くて、 “この人大丈夫かな?”という不思議な気持ちも味わえます(笑)。途中で出入りできて集中し続けなくていい緩い感じも好きです」(一花)
Q. 寄席に行ったらどこに座るのがおすすめ?
A. 好きな席に座ってOK。見え方の違いを楽しんで
「好きなとこ座り! いろいろな席に座るうちに、 “自分ここ好きやな”が出てくるはず。私は最初、下手の前から5列目らへんに座っていたけど、アフロやったから迷惑やったと思います」(二葉)「落語家は左右に顔を振るので、最初は正面に座るのが一番観やすいかもしれません。ちなみに弟子入り前、師匠の高座では一番前の席に座って、 “観てます”というアピールをしていました(笑)」(一花)
Q. 当日のネタはどうやって決めているの?
A. その時どきで調整したり、日によります
「 “これでいこ!”と決めていく時もあるし、同じ会場で同じネタをしないようにしたり、直前まですごい悩む時もある。日によりますね。お料理と似てるんじゃないですかね。たとえば、ジャガイモも一個ずつ、また季節によって違うし、その時どきの感覚でお料理するじゃないですか。今日はちょっとお塩を少なめにしとこかなぁとか、そんな感覚に近いです」(二葉)「寄席の場合は、前の方の噺を受けて決めることもあります」(一花)
Q. 上方落語と江戸落語、それぞれの違いはどういうところにある?
A. 歴史に基づいた演出の違いがあります
「成り立ちの歴史が違います。江戸はもともと落語をお座敷で、大阪は外でやっていたので、上方落語は落語家の前に見台という机と膝隠しという衝立があり、見台をバンバン叩いてお客さんの気を引いて喋っていました。上方は今も見台を使う噺が多く、派手でうるさい。江戸は扇子と手拭いのみを使います。あと、落語の中に三味線とか太鼓、銅鑼、鐘といった、『はめもの』と呼ばれる音楽(効果音)が入るところも、上方の特徴の一つです」(二葉)
Profile

桂二葉
かつら・によう 1986年8月2日生まれ、大阪府出身。桂米二に入門。2021年「令和3年度NHK新人落語大賞」受賞。『探偵!ナイトスクープ』(ABCテレビ)に出演。大阪・天満天神繁昌亭「深夜寄席」をプロデュース。

春風亭一花
しゅんぷうてい・いちはな 1987年1月26日生まれ、東京都出身。春風亭一朝に入門。2025年「令和7年度NHK新人落語大賞」受賞。今年秋、真打に昇進。9月から12月にかけて、真打昇進披露興行が行われる。Ⓒ橘蓮二
anan 2500号(2026年6月17日発売)より






























