誰もがエンタメを発信できる時代に、長きにわたり愛され、歴史と繋がり今も続く映画、小説、歌舞伎、ドラマ、音楽、落語、ミュージカル、特撮の8ジャンル。その道を詳しく知る方々の目線から、現在の潮流を聞きました。

Index

    ① 映画

    映画は、時代を映す鏡。圧倒的な没入感と、体験価値が得られる

    動画配信サービスの普及やコロナ禍によって、一時映画館離れが加速しました。しかし、アニメ映画の台頭で映画館に行く若者が増えたり、昨年公開の『国宝』が実写邦画として22年ぶりに歴代興行収入1位を更新するなど、今まさに映画館で映画を鑑賞することの体験価値が上がっています。

    昔から映画館は、目の前の大きなスクリーンに映し出される様々な世界を疑似体験できるプラットフォームという役割を担ってきました。そこに最近は、視界全体を覆うフルパノラマビューの「IMAX」や温度や風、香りまで体感できる「4D」、最新鋭の音響システムなど、上映設備が進化したことで臨場感が増幅。さらに応援上映といった新しい鑑賞方法が定着し始めたこともあり、圧倒的な没入感や特別な体験が得られるスポットとして多くの人に認知され始めてきたのが大きな要因かと思います。

    そんな背景もあり、最近ヒットする映画の傾向は、映画館で観るに値するクオリティの高さや世界観の広がりを感じられる作品であり、それが今の映画の王道ともいえます。タイパ・コスパの時代に、スマホをオフにして、2時間ほどの物語に没入させるスケール感や内容が作品自体に求められているようです。その潮流の一つが、既存ファンを掴むためのテレビドラマの映画化や、ヒット作の“ユニバース化”という世界観を共有したシリーズ展開。そしてもう一つが、アニメ映画はもちろん、『国宝』のような日本の文化や日本人のアイデンティティを感じられる、世界にも誇れる作品。アカデミー賞で視覚効果賞に輝いた『ゴジラ-1.0』も代表的な例の一つで、今“ジャパンムービー”というジャンルが、海外でも確立され始めています。

    映画という一大コンテンツは、大きなスクリーンで描かれるからこそごまかしの利かないリアルさが求められる。“世の中を映し出す鏡”として、現代の社会課題や感情を反映し続けるのが映画の役割であり、最新の体験価値を提供してくれる唯一無二のエンタメだと思います。

    お話を伺った方

    ジャガモンド 斉藤正伸

    ケイダッシュステージ所属のお笑いコンビ、ジャガモンドのツッコミ担当。テレビ、ラジオ、YouTubeを中心に映画を紹介YouTubeチャンネル「ジャガモンド斉藤のヨケイなお世話」が大好評。

    ② 小説

    かつてない多様性の中で物語をどう使うか。ブームなき時代の自由

    一昔前までの小説界は100万部超えのベストセラーが連発し、売れた本のジャンルや内容に紐づくようなブームが何度も起きてきました。近年は読書人口が減り、そもそもミリオンヒットが本当に少なくなっている。その結果、ブームと呼べるものは観測しづらくなっていると思います。

    細かく見ていけば、たとえばミステリーは“館もの”が今なぜか大盛況です。ホラーはジャンル自体が数年前から元気で、モキュメンタリー系が人気。また、「AIが恋人or親友」的な言説の流通が背景にあると思うのですが、恋愛小説は「心と体」の関係を改めて問うような作品が増えている。2000年前後にネットから発生した“なろう系”小説は依然、多くの読者を獲得しています。でも、どれか一つのジャンルが覇権を握っている感じはしないですよね。

    とはいえ2026年上半期の売り上げランキングで1位と2位になった2作は、今の読者が小説に何を求めているのかを象徴しているかもしれません。1つ目は、雨穴さんの『変な地図』です。モキュメンタリーかつミステリーなのですが、「小説とは、言葉を使って物語を語るエンタメである」という意識が徹底されている。誰でも物語を読みこなせるよう、細心の注意が払われているんです。2つ目は、本屋大賞を受賞した朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』。この小説はファンダム経済を題材にしながら、「いま自分たちはどんな社会に暮らしているのか?」について解析し、言語化しています。ノンフィクション的なその問いを、物語を使うことによって深く掘り下げたり、読者に伝えやすくしている。

    雨穴さんの物語最適化型と、朝井さんの現代社会解析型。強いて言えばこの2つが今の王道かもしれないんですが、これって小説という表現ジャンルがもともと持っている2つの方向性なんですよ。だからやっぱり、これらをブームと呼ぶのは難しい。

    ただ、ブームがないからこそ、ブームに縛られずに書ける。小説界は今、かつてないほど多様性に溢れていると思うんです。

    お話を伺った方

    吉田大助

    ライター。雑誌を中心に、書評や作家インタビュー、対談構成などを行う。著書に『別冊ダ・ヴィンチ 令和版 解体全書 小説家15名の人生と作品、好きの履歴書』(KADOKAWA)など。Xでも書評情報を発信。

    ③ 歌舞伎

    400年以上続く伝統芸能。いつの時代も“役者”が王道を作ってきた

    映画『国宝』のヒットをきっかけに、若い世代をはじめ、多くの観客が劇場に足を運び、歌舞伎の注目度が高まっています。

    歌舞伎は江戸時代初期に生まれ、芝居、踊り、音楽の3要素を軸に、最先端の流行を取り入れながら発展してきた伝統芸能で、400年以上の歴史があります。戦争の影響もあって苦境に陥った時期もありましたが、いつの時代も歌舞伎の王道を作ってきたのは、舞台に立つ役者たちでした。昭和40年代前半には「昭和の三之助」と呼ばれる若手役者たちが歌舞伎界に再び光を照らし、娯楽が多様化してきたバブル経済期には、三代目市川猿之助さんが「スーパー歌舞伎」という新ジャンルを開拓。その流れは今にも受け継がれ、『ワンピース』『風の谷のナウシカ』といった漫画やアニメを原作とする演目を上演するなど、伝統と革新を融合させながら進化を続けてきました。

    役者自らが歌舞伎界を盛り上げる一心で真摯に取り組んできたことが実を結び、現在は役者の層の厚さが増しています。82歳のいま芸の絶頂期を迎えている人間国宝の片岡仁左衛門さん。その仁左衛門さんと“孝玉コンビ”と呼ばれブームを巻き起こした坂東玉三郎さん。そして七代目尾上菊五郎さん、松本白鸚さんなどの重鎮に次いで、かつて「平成の三之助」と呼ばれた市川團十郎さん、八代目尾上菊五郎さん、尾上松緑さん。この3人はそれぞれが新しい道を切り拓いていますが、團十郎さんは近年、古典を継承し発展させていくことに重きを置いていて、今の歌舞伎界を引っ張っています。次世代を担う実力派の若手俳優たちの台頭も目覚ましく、目が離せません。

    役者を愛でることこそ、歌舞伎の王道。今の推し文化の源流ともいえるかもしれません。血縁や芸の系譜など、深掘りすればするほど沼にハマっていく伝統芸能ですが、何も知らなくても一度実際に観劇したら、役者の演技や息遣いに魅了されるはず。衣裳、化粧、演出など、役者を輝かせるための視覚的要素の多彩さも、歌舞伎の魅力だと思います。

    お話を伺った方

    中井美穂

    フリーアナウンサー、タレント。映画・演劇のコラム、動画配信番組、イベントの司会、朗読など幅広く活躍。歌舞伎などの伝統芸能から現代劇まで演劇全般に幅広く精通している。読売演劇大賞選考委員も務める。

    ④ ドラマ

    私たちの生活に根付く仕事と恋愛など、身近なテーマを時代ごとに描く

    ドラマは私たちの生活とともにある身近な娯楽であり、視聴者の多様化や価値観の変化に対応しながら発展してきました。'90年代のバブル景気の前後は、都会に生きる男女の恋愛を描いたトレンディドラマが人気を呼び、2000年代に突入すると、激動の時代が舞台のお仕事ドラマが台頭。2010年代からは、SNSの発展によりドラマ視聴中にリアルタイムで考察や感想を共有する文化が広がり、謎解き要素の多い長編ミステリーや考察ドラマがヒットを連発。その流れは今にも受け継がれています。

    テレビで放送される連続ドラマは、1クール(3か月)が主流。ゆえに物語に引き込むストーリー展開と、伏線回収やサプライズの仕掛けなど、視聴者を飽きさせない工夫が随所にちりばめられています。その手段の一つとして、全体のストーリーラインが1クールで進行しつつ、1話完結型の要素も兼ね備えた作品が根強く支持されています。また、「TVer」などの配信サービスの普及により見逃し視聴が可能になったことで、SNSや口コミで評価が高いドラマを後追いできるように。視聴数が伸びてコンテンツが多様化し、ドラマの力が落ちてきたといわれる昨今においても、熱量の高いファンを取り込むことに成功しています。『VIVANT』のような大ヒット作が生まれるのも、そういった背景があるようです。

    視聴環境は大きく変化したものの、ドラマの王道は仕事と恋愛という、身近にあるテーマを描いた作品にあると思います。ただ、その描き方に時代性が大きく反映されているのが令和の特徴。たとえばお仕事系ドラマは単純に登場人物の働く姿を切り取るのではなく、『不適切にもほどがある!』のように、現代的なモラルや社会問題を扱ったり。恋愛ドラマも胸キュンが止まらない男女のラブストーリーというよりは、主人公の心の機微や、『じゃあ、あんたが作ってみろよ』のように別れた後のふたりの関係性を繊細に描くなど、これまでのセオリーを覆すリアルな作品へと移行しているのが、最近の王道の傾向だと思います。

    お話を伺った方

    成馬零一

    ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、Web等で幅広く執筆。『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)、『坂元裕二論 未来に生きる私たちへの手紙』(blueprint)など著書多数。

    ⑤ 音楽

    多様化、デジタル化が進む中、聴き心地のいいアナログ回帰の流れが

    幅広い音楽にアクセスできるようになった今、自分の好きなジャンルやアーティストを見つけやすくなったことで、推しの音楽だけを熱心に聴く人が増え、細分化された“クラスター”が形成されています。ただ、それは誰もがサブスクやYouTubeなどで多様な音楽を自由に発表できるようになり、聴き手もそれをすぐに享受できる環境が整っているため、ある意味、豊かな時代になった証しでもあります。

    日本の音楽シーンの変遷を辿ってみると、テレビやラジオがヒット曲を作り出し、誰もが同じ歌謡曲を口ずさんでいたのが昭和の時代。1980年代前半まではアナログ演奏中心での音作りが主流でしたが、平成に入るとミリオンセラー連発のヒット曲時代に突入。と同時に音楽のデジタル化が進み、歌謡曲とは異なり、洋楽と並べても遜色のない日本でのポピュラー音楽「J-POP」という言葉が生まれました。その後、ストリーミングサービスの普及によりCD売り上げは鈍化。個人が多くの曲の中から好きなアーティストやジャンルにとどまって聴取する“タコツボ化”の状態に至ります。

    多様化する一方で、最近は時を経ても色褪せない名曲のような、耳心地のいいメロディが再評価され始めています。日本のシティポップが世界中で流行っているのもその現象の表れ。その流れは日本にも浸透し、それが王道になりつつあります。デジタル技術を活かしながらもアナログの良さを残した音楽が増加しており、より気楽に楽しめる音楽への回帰が進んでいます。

    それを体現している日本のアーティストが、星野源、藤井風、米津玄師、Vaundy。この4名に共通することは、過去の音楽へのリスペクトと、歌や演奏の技術が高く、フィジカルの強い音楽性を持ち合わせていること。だから聴き手の心を確実に動かし、吸引していける質の高い音楽を発信できている。デジタル化や細分化の反動によって、誰もがいいと思える聴き心地のいいメロディの復権こそが、今後の音楽の王道を作っていくような気がしています。

    お話を伺った方

    スージー鈴木

    音楽評論家。『スージー鈴木の音楽ソムリエ』(BS日テレ)が放送中。BAYFM『9の音粋』の月曜DJを担当。新著『ライバルたちのJポップ史~70年代フォークから令和ヒットの裏側で』(祥伝社)が発売中。

    ⑥ 落語

    身ひとつで表現する、最もシンプルで洗練された大衆芸能

    落語は、物語の状況をわかりやすくするために手ぬぐいや扇子といった小道具を用いますが、基本的に噺はなしか家が身ひとつで表現するシンプルさがあり、演者の話芸から聴き手自身が想像して楽しむ芸です。

    最近は、落語好きのコアなファンだけでなく、幅広い世代から支持を集めています。噺家の数は徐々に増え続け、今や東西合わせて850人を超えました。いま最もチケットが取れないといわれている柳家喬太郎さんや春風亭一之輔さんをはじめとする人気噺家のほか、元気なベテラン勢に若手の実力派や女性の噺家の活躍も目覚ましいのが人気上昇の理由の一つです。また配信やサブスクなどで落語を聴く機会が増えたことも人気に寄与しています。江戸情緒溢れるノスタルジックな寄よせ席の雰囲気に魅了されること、ライブ感を重視する現代の感性と見事にマッチしていることなども落語人気に拍車をかけているように思います。

    落語の醍醐味は、即興性を生で体感できることや日本文化の根底にある粋を感じられること。大衆芸能でありながら伝統芸能としての側面も持ち、同じ演目でも噺家によってスタイルや表現が異なるのも面白く、アレンジや最後を締めくくるサゲ(オチ)も演者の工夫次第。落語と一口に言っても、古典落語のほか、古典の改作や、漫談、噺家や作家によって新たに作られる新作落語があり、最近は、古典と新作が共存。多様化が進んでおり、落語を聴くには今が一番面白い時代だと思います。新作は現代感覚に基づいて作られているものが多いため、聴くハードルが低いのも魅力の一つですが、やはり落語の王道は今はまだ古典にあると思います。落語家が脈々と語り継いできた古典落語を伝える技術力がなければ、いくら独創的な発想力があっても目の前の聴衆を魅了することは難しいでしょう。豊かな表現力や間、軽妙洒脱な噺運びで、まるで映像を見ているような想像力を引き出し、笑わせてくれたり見たこともない世界に誘ってくれるのが、落語の奥深さであり王道の面白さです。

    お話を伺った方

    佐藤友美

    日本で唯一の演芸専門誌『東京かわら版』の編集長。『笑点』の司会を務める春風亭昇太さんが若手だったころに好きになったことが落語にハマったきっかけ。著書に『ふらりと寄席に行ってみよう』(辰巳出版)。

    ⑦ ミュージカル

    花形として歩んできたグランドミュージカルが不動の人気を誇る!

    ミュージカルは、歌、演技、ダンス、音楽、演出、美術などが一体となった総合芸術です。約10年前から日本でもミュージカル人気が定着、それを牽引しているのが「グランドミュージカル」。明確な定義はありませんが、1000席以上の規模の大劇場で上演される、大掛かりで華やかな作品のことを指します。ミュージカルの歴史に名を刻む『レ・ミゼラブル』『エリザベート』といった超人気の舞台は、演出や装置の質も高くて豪華。日本でもたびたび上演され、全公演即日完売を続けるほどの人気ぶり。まさに王道中の王道といえるでしょう。

    その王道に追随する形で、最近多くのミュージカルファンから高い評価を受けているのが韓国ミュージカルです。代表的なのが『メイビー、ハッピーエンディング』。2016年にソウルで初演後、ブロードウェイに進出し、昨年、アメリカの演劇界で最も権威あるトニー賞を受賞。アジアで創られたミュージカルとして初の快挙を成し遂げました。日本でも今年11月から、新しい演出で再演されることが決まり、話題沸騰中。韓国では国を挙げてクリエイターの育成に注力しているため、脚本や演出もハイレベルで物語性の深さを感じられる上、音楽も素晴らしい作品が多い。日本でもファンからの信頼度が増しています。

    一方で、日本のオリジナルミュージカルは残念ながらまだまだヒット作が少なく、過去の再演や海外原作が主流。ただ最近は、ミュージカルや演劇の地位向上により、SixTONESの京本大我さんをはじめ、人気の俳優やアイドルが積極的に舞台に挑戦するように。スター性と演技力を兼ね備えた役者の活躍がミュージカル人気を支えています。多くの芸能事務所が若手俳優の育成にも力を入れているので、これからミュージカル出身のスター俳優がどんどん輩出される可能性も高い。ミュージカルは役者の演技だけでなく、あらゆるエンタメの要素が凝縮され、その奇跡的な融合を目の前で鑑賞できるため、大きな感動を生みます。ぜひ生の舞台の臨場感を味わってください。

    お話を伺った方

    望月リサ

    ライター。現代演劇、ミュージカル、宝塚、2.5次元作品など、舞台を中心としたエンタメについて造詣が深く、本誌をはじめとした女性誌や演劇系雑誌、パンフレットなどに幅広く執筆。人物インタビューにも定評がある。

    ⑧ 特撮

    王道でないことが特撮ヒーローの王道。アウトローがヒロイズムに

    特撮、特に『仮面ライダー』はいわゆる“王道”ではないと思いますね。現代のヒーロー像の原型といわれるアメコミヒーローの『スーパーマン』も、新天地で生きることを余儀なくされた、ディアスポラ的な存在。外敵と戦う一方で、自分のアイデンティティにも向き合い、苦しみ続ける。ヒーローとは、葛藤を抱えた存在なのだと思います。日本でいうと桃太郎も同じですよね。桃から生まれた、いわばよそ者がヒーローになる。日常的な我々の暮らしがあって、そこに非日常な敵がいるとしたら、ヒーローというのは、この敵か味方かどちらか分からない存在なんです。味方と敵、日常と非日常の境界線をフラフラしながら、自分は一体どっちなんだろうかと迷っている。日常にいたいけど非日常に引きずられて、非日常の敵と戦うためには、非日常のパワーを使わないといけなくて…。その危うさは、王子として生まれて英才教育を受けて王様になりましたっていう“王道”とはやっぱりちょっと違うんですよね。

    ヒーロー番組の企画では、完全無欠なヒーロー像を求める人もいるんです。近年の仮面ライダーに「主人公がプー太郎とは何事だ、ちゃんと職に就かせろ」みたいなことを言われたり(笑)。でも、刑事ものでいうと『相棒』は捜査一課のエリートじゃない特命係の2人だし、学園ものでも型破りな教師が人気。道を踏み外したアウトローこそがヒロイズムに繋がると思ってます。 どの時代でも、『仮面ライダー』を作る上で一貫して守っている軸は「原作・石ノ森章太郎を絶対に忘れてはいけない」ということ。“1号ライダー”みたいな記号に寄せるということではなく、精神的な部分ですね。敵と根源が同じ力を使って戦うライダーがほとんどなのは、そのためです。これは、同じ力でも心の持ちようで善悪が変わることを表現していて。見方を変えればヒーローだって怪人と見なされてもおかしくない。「仮面ライダーだから善」なのではなく、「善を選ぶから仮面ライダーである」という信念は貫いています。

    お話を伺った方

    白倉伸一郎

    東映プロデューサー。『鳥人戦隊ジェットマン』(1991年)よりプロデューサー補として特撮作品に参加。以降『仮面ライダークウガ』(2000年)から『仮面ライダージオウ』(2018年)までの平成仮面ライダーなど、数多くを手掛ける。

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    取材、文・鈴木恵美 野村文(白倉さん)

    anan 2500号(2026年6月17日発売)より
    Check!

    No.2500掲載

    王道エンタメの矜持

    2026年06月17日発売

    55年間ときめきを追いかけ続けてきたananがこのメモリアルな号で特集するのは“王道エンタメ”。市川團十郎さん、反町隆史さん、辻村深月さんなど、それぞれの世界で王道を歩んで来られた方々のインタビューを通して、各ジャンルにとっての王道とは何かを探ります。

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