
Ⓒ臼井儀人・塚原洋一/「野原ひろし 昼メシの流儀」製作委員会
『クレヨンしんちゃん』でお馴染みの「とーちゃん」こと野原ひろし。サラリーマンとして働く彼は普段、限られたお小遣いをやりくりしながら、仕事の合間の“昼メシ”とどう向き合っているのか…。累計発行部数80万部を突破した公式スピンオフ作品『野原ひろし 昼メシの流儀』がアニメ化される。監督を務めるのは『むぎゅっと!ブラッククローバー』や『みにヴぁん ら~じ』などのショートアニメを手掛けてきた西山司さんだ。
大人気アニメの大人気スピンオフ漫画、実写を交えてこだわりのアニメ化

「原作との出合いは、ネットミームとして見かけたこと。そのときは、まさか自分が監督をやるなんて思ってもいなかったです。お話を引き受けてまず最初に悩んだのは、料理を美味しそうに見せるにはどうしたらいいかということ。悩んでいたらスタッフの一人が『実写はどうですか?』と提案してくれました」
最初に料理が出てくるシーンは実写で表現。フードコーディネーターの監修を入れて、料理撮影が得意なスタジオに撮影をお願いして…と、原作を再現できるようこだわっているが、実写には実写ならではの苦労があるそう。
「たとえば山盛りになっている料理は、撮影している間に溢れてきたり、維持するのが難しいんです。あとは、撮影用のライトの熱で料理が溶けちゃうことも。いくつかの料理は試食しましたが、美味しかったです」
原作では1話につき1つの“昼メシ”が登場するが、アニメでは前半のAパートと後半のBパートでそれぞれ一品ずつのエピソードが描かれる。原作に登場した順番通りにアニメ化されているわけではなさそうだが、そこにはどんな理由が?
「食べ合わせじゃないですけど、例えばAパートで辛いものを食べたら、Bパートでは辛くないものがいいよね、という話は、シナリオ会議で話し合いました。個人的に、パンケーキを食べる話はシナリオがめちゃくちゃ面白いので、楽しみにしていてください」
「誰もが知っている“とーちゃん”の家族も知らない“1時間”」というキャッチコピーがついた本作で、どんな野原ひろしの姿を見ることができるのだろう。
「しょうもないことで一喜一憂したり、新人の子にカッコつけて奢ったり、後輩の川口に対して考えていることとか、そういうところが新しい一面だし、見ている方も共感できる部分があると思います」
Profile
西山 司
にしやま・つかさ アニメーション監督、演出家。監督代表作は『むぎゅっと!ブラッククローバー』『みにヴぁん ら~じ』『ヒューマンバグ大学 -不死学部不幸学科-』など。一部作品ではキャラクターデザインも手掛ける。
Information

『野原ひろし 昼メシの流儀』
『クレヨンしんちゃん』の「とーちゃん」こと野原ひろしが、サラリーマンとして昼メシにこだわる様子を描く。限られた時間とお小遣いの中で、様々な食事を楽しむひろしの姿に注目。BS朝日にて、毎週金曜23時~放送中。Ⓒ臼井儀人・塚原洋一/「野原ひろし 昼メシの流儀」製作委員会
anan 2467号(2025年10月15日発売)より
































