Rin音さん

メロウなトラックにチルなラップを乗せて届ける、新世代アーティストのRin音さん。実は彼がもともと好きだったのは格闘技。でも「体格的に自分にはやれそうにないな」と思っていた時に出合ったのがラップで戦う「MCバトル」。18歳でラッパーとしてキャリアをスタートさせるきっかけだった。


最初のテレビ出演が『Mステ』。就活どころではなくなりました。

「20歳以下のラッパーが出場できる地元の大会で優勝したんですけど。MCバトルは要は口喧嘩だから『お前は自分で音楽を作ってねえ』というディスは鉄板です(笑)。それで負けたくなくて大学時代に自分で曲も作り始め、YouTubeに投稿したらたくさんの方に聴いてもらえるようになって。そろそろ就職活動をしなきゃという時期に、これで最後だと思い作ったのが『snow jam』でした。それがTikTokでバズり、初めてのテレビ出演が『Mステ』でしたから、就活どころではなくなりました(笑)」

3rd Album『error clock』には6月に公開された映画『リライト』の主題歌「scenario」も収録されている。

「この作品は日本の高校生が主人公なので、自分の青春時代のモヤッとした感情を重ねながら曲を作りました。主人公がいて情景描写や設定が決まっている上で歌詞を書いていくことも好きなので、お話をいただいて嬉しかったです。今回のアルバムは全14曲をひとつのストーリーとして並べた自信作になりました」

曲作りではラッパーだからこその言葉選びや、メロディに対する言葉の乗せ方にこだわっている。

「言われて嫌なことを遠慮なく発するMCバトルに出てきたからこそ、普段は人に『これを言ったら傷つくかな』と考えて話すタイプです。でも人は綺麗事だけじゃないし、自分の中にある生々しい感情を曲の中でどこまで出すのかというバランスを考えながら言葉を選んでいます」

痛みを知る人だからこその切なさを封じ込めたRin音さんの楽曲は今後も多くの人の支持を得るはず。

「最初はバトルに勝ちたくて作り始めた音楽ですが、好きだから今も続けています。自分を大きく見せるのは得意じゃないので、これからも等身大でマイペースに活動できたら。ちなみに僕、最近になって結局、格闘技を始めたんですよ。新しいことを吸収して成長していくことが楽しいんですよね」

Rin音さん

Profile

リンネ 1998年生まれ、福岡県出身。18歳からラッパーとして活動をスタート。楽曲制作を始めると「snow jam」がTikTokからヒット。ドラマや映画の主題歌も手がける。

3rd Album『error clock』

Information

新曲を含む全14曲に加えボーナストラックとして「snow jam‐From THE FIRST TAKE」を収録。¥4,000(ユニバーサル ミュージック)

写真・小林真梨子 取材、文・上野三樹

anan 2453号(2025年7月2日発売)より

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