『地面師たち』
前代未聞の巨悪詐欺師でも正義の味方より共感できる。
新庄耕の小説を基にした配信ドラマ。「実際に起きた不動産詐欺事件をモデルにしているだけにストーリーに説得力があります。詐欺を行う地面師たちの切れ味鋭い個性や人間離れした残虐性、悪に加担する主人公の動機なども見事に描かれていて、詐欺師なのになぜか応援したくなる痛快さがある作品です」(こがけんさん)。
Netflixにて独占配信中
(C)新庄耕/集英社
『涙の女王』
こじらせ夫婦の顛末は? 言葉にできない純愛にハマる。
『愛の不時着』超えのヒットを記録した韓国ラブコメディ。度重なるすれ違いから夫婦生活が破綻寸前だった二人が、あることをきっかけに恋愛をリスタートしていく。「韓流ドラマの大定番プロットだけど、やっぱり上手い。プライドの高さから、自分の気持ちを素直に言葉にできない主人公に共感する人も多いのでは」(今さん)。
Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中
『極悪女王』
役作りから時代背景まで。リアルを追求した話題作。
ダンプ松本の人生をモデルに、仲間たちとの友情や闘い、葛藤を描きながら、極悪女子レスラーに成り上がる様を描く。「あの優しいゆりやんが『この野郎!』と鬼気迫る勢いで闘う姿に、魂を揺さぶられた。“全女”のレスラーを演じる他のキャストの画面越しからも伝わる本気の熱量に、誰もが圧倒されるはず」(こがけんさん)。
Netflixにて独占配信中
『1122 いいふうふ』
新しい価値観を実践する現代夫婦の実態に迫る。
セックスレスで子供がいなくても仲の良い二人は夫婦円満を保つため、それぞれ不倫相手を公認することに…。「夫婦の関係をとても現代的に描いている作品。テーマとしてはポリアモリー(複数愛)を実践することで、1対1の関係の大切さに気付くという内容なのですが、何もかもがオープンなところが今っぽい」(児玉さん)。
PrimeVideoで独占配信中
(C)渡辺ペコ/講談社 (C)murmur Co., Ltd.
『SHOGUN 将軍』
エミー賞史上最多18部門受賞。全米が熱狂した日本の時代劇。
真田広之がプロデューサー兼主演を務めるドラマシリーズ。「’80年代のヒット作を日本人主体でリメイク。面白いだけでなく、純ハリウッド作品でありながら、日本語の発音が変だと思う部分が一切ないことに驚いたし、感動した。時代は変わったと真田さんが語っていた通り、存在感が薄かった日本映像界が大逆転した作品だと思う」(今さん)。
ディズニープラスの「スター」で独占配信中
Courtesy of FX Networks
PROFILE プロフィール
児玉美月
映画文筆家。16歳の頃より年間500本以上の映画を鑑賞。共著は『彼女たちのまなざし 日本映画の女性作家』(フィルムアート社)ほか分担執筆本も多数。作品パンフレットや文芸誌、ファッション誌、ウェブメディアなどに寄稿する。
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こがけん
歌や映画ネタをメインに活動するピン芸人。映画好きが高じ、映画好き芸人を迎えてのトークライブ「こがけんシネマクラブ」を開催するほか、雑誌に評論を寄稿。YouTube「こがけんチャンネル」にて映画解説動画も配信。
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今 祥枝
ライター、編集者。『日経エンタテインメント!』『BAILA』ほかで映画・海外ドラマのレビュー、コラムを連載中。著書に『海外ドラマ10年史』(日経BP)、新書準備中。米ゴールデングローブ賞の国際投票権を持つ。