「アルバムを作るときは、こんな一枚にしようということは全く考えないんです。行き当たりばったり。一枚を通して聴くと、コイツら一体何をやりたいんだろう、と思われることが多いです。非常にファンには優しくないバンド(笑)」(川上洋平)
「アルバムは自分たちのやりたいことをやるものなんです。誰かが聴きたいもの、を考えて作ったことはないですね」(庄村聡泰)
「そうそう、型に嵌められたくないんですね。音楽シーンにも過去の[Alexandros]にも、囚われたくはない。いままで全くやってこなかったタイプの曲も多くて面白いアルバムになりました」(川上)
いつも通りグルーヴ感は心憎いほど気持ちよく、さらに4人の“野性的な面”が勢いよく噴出しているのが新作『EXIST!』といえそう。
「パンキッシュな薫りの新曲『Aoyama』は今までになく音数を減らしているけど、その代わり軽快感が出て、新しいなと感じます。『Feel like』はポップスでもあり、ダンサブルな曲なんだけど、どのジャンルにも属さないような新しさが生まれましたね」(白井眞輝)
「うん、音数を減らしたぶん、演奏してても気持ち良かった。ベースを弾いててグルーヴを操ってる感じが作れたんですよね。その一方『クソッタレな貴様らへ』は、あれほどカオスな曲は珍しい(笑)。どこまでムチャクチャになるんだ、と思いながらカッコよくできちゃった感じ。何度聴いても気持ちいいです」(磯部寛之)
「名曲ぞろいです。半分ぐらい既発の曲ですが、アルバムの曲順どおりに聴いてもらうと、また新しい発見があるんじゃないかな。そういう楽しみ方もしてほしいですね」(庄村)
ファンには知られた話だが、インディーズ時代には4人で共同生活をしていた彼ら。
「うちらは大人になってから組んだバンドなので、ともに青春は過ごしてないけど、社会に出てからの苦労は一緒に経験しています。20代後半になっても芽が出ないバンドマンって、アンアン読者が最も彼氏にしたくないタイプですよね(笑)」(川上)
「二十歳そこそこでデビューできなかった組、なんですよね。その代わりハングリー精神の塊みたいなバンドだし、いまもこれからもやりたいことだらけです」(庄村)
当時から世界へ目を向けていたことも[Alexandros]の方向性に影響を与えている。積極的に海外のフェスに参加したり、来日したMUSEやプライマル・スクリームなどのサポートアクトでも注目され、常に海外を視野に入れて活動中。
「アイドルのイベントで、台湾まで行きましたからね。普通は断るんでしょうけど、行きたかったので(笑)。そこで気に入ってもらえるチャンスがあるなら、共演者が誰とかはあまり関係なく、どこにでも行きます。世界中でライブしたいし、世界中で聴いてほしいと思ってます」(川上)