
左から、綱啓永さん、井桁弘恵さん、齊藤京子さん。
2020年の1作目放送から瞬く間に話題となった人気シリーズ『教場』。集大成ともいえる映画『教場 Reunion/Requiem』で生徒役を演じた綱啓永さん、齊藤京子さん、井桁弘恵さんに、これまでの作品に対する印象や、実際に挑んでみての体感、現場の雰囲気、俳優キャリアとして得たものを伺いました。
── みなさん、『教場』シリーズをご覧になっていたそうですが、出演が決まったときの気持ちは?
綱啓永(以下、綱) 嬉しかったです。俳優ならみんな出演したい作品というか。ただ、厳しい現場だといろんなところから聞いていたので、ただならぬ覚悟で臨みました。
齊藤京子(以下、齊藤) 自分が『教場』に携わることができるなんて思っていなかったので、すごく嬉しかったです。厳しさがほかの作品とは違うと聞いていたので、体力面も心配でしたし、シリーズOGの上白石萌歌さんや樋口日奈さんに相談したりしました。
井桁弘恵(以下、井桁) 『I』『II』に出演されてる方たちを羨ましく思っていたぶん、自分がそれを務められるのかという不安もありました。髪を切るということもあって、役者人生の転換点になることは間違いない。ちゃんと向き合うために、自分の心を整えて作品に向かったのを覚えてますね。

卒業式用のスライド撮影も任されるカメラ好きの門田陽光を演じた綱啓永。「本人にはあまり事件が起きない難しい立ち位置ですが、ちゃんと考えて、最後にちゃんと門田の感慨を表現するところに持っていってくれた。ちゃんと計算できていて良かったです」(中江 功監督)
綱 撮影に入る前からわかっていたことですけど、木村さんとの現場を経験させていただいただけで確実に強くなったなと改めて感じます。きっと205期の生徒も、『I』『II』や『0』でも、みなさん何かしらこの作品から得ているものがあって、その大部分を占めるのがやっぱり木村拓哉さんという存在なのかな。
井桁 同年代の役者陣で、学園ものではない作品でリアルに切磋琢磨するって、あまりほかの現場では経験できることじゃないですし。作品に入る前の訓練も長かったり、こんなにじっくり作品に向き合い続けられる時間はすごく貴重。
齊藤 聞いていた以上に厳しくて、体力的にやばいと思ったことが何度もあって。自分が警察官を目指していると錯覚するくらい、本当に警察学校に通ってたように思える。でも、出来上がった作品を観ると、ちゃんとお芝居してるんですよね。
綱 撮影のどれくらい前から訓練してたっけ?
井桁 2~3か月くらい前から。立ち方、座り方、もう全部やりました。
綱 手帳を見せる角度とか、ちょっっとでも浅かったりすると、「こらーっ!」みたいな。そういう訓練を通して、連帯感も生まれていって。最初は行進も点検も、“怒られないように俺だけは早くしないと”と思っていたんですけど。みんなの仲の良さも深まっていくなかで団結力が生まれて、集団行動も最後はまとまってましたね。
井桁 訓練終盤に木村さんが見に来られたときに、「まだ全然レベルに達してない」と仰って。そのときにいただいた「周りを感じろ」というひと言で、みんな、周りに合わせることが大事なんだと気付かされた。その言葉がなかったら、撮影中ももっと時間がかかっていたと思います。
── 齊藤さんはグループの経験があるので、大丈夫でしたか。
齊藤 いや、アイドルと警察学校はあまりにも違いすぎます。
綱 そうだろうね。

ストーカー犯罪撲滅を目指す星谷舞美役を演じた齊藤京子。大学の同級生・石黒と成績トップの座を競う。「アイドルっぽくないというか、キャピキャピしてなさそうなところが役に合うかなと。声の低さと喋りのキレの良さが、すごく魅力的でした。これからが楽しみ」(中江監督)
齊藤 敬礼ひとつも“こんな感じなのかな”と思ってすると、全然違ったりとか。やったことのない動作を30人全員で0.何秒くらいで揃えなきゃいけないので、ほんと大変でしたね。
── そういうなかで生徒役をまとめる存在もいらしたのでは?
井桁 みんなが「気持ちでやり遂げよう」となると、猪狩くんが論理的というか、冷静に意見を言っていた気が。でも、レギュラー生徒のキャストの方が…。
齊藤 教場長(上川拓郎)とかが。
井桁 そう、学級委員みたいな位置の教場長が盛り上げてくれたり、誰か一人がリーダーというよりはみんなで声を掛け合ってました。
綱 僕から見てると、男女それぞれ1人挙げるなら、まとめてくれていたのはイゲちゃんと猪狩くんかな。
井桁 えっ? 私は年齢が上のほうだったので。でも、まとめるなんて全然できなかったです。

妹の模範となるべく警察官を目指す初沢紬役を演じた井桁弘恵。「お姉さんがいる自身の経験を、役に落とし込んで演じられるのがすごい。今は頭を使って演じてる部分が多いと思いますが、咄嗟の感情から出る感覚のお芝居中心になると、さらに面白い役者になると思います」(中江監督)
── 木村さんとのやりとりで印象に 残っていることはありますか。
井桁 気遣いの方だなと思いました。木村さんと護身術の授業をするシーンで、木村さんにもアザをつくらせてしまったし、私もすごいアザができたんです。それを木村さんが「期間限定のアザーズだね」と言ってくださって。「アザがなくなったら解散ですね」なんて返したりして。お茶目な会話で緊張感をほぐしてくださって、助けられました。
綱 アザーズか。僕は定規を武器に見立て暴漢役を演じるシーンがあるんですけど。
井桁 『Reunion』ね。
綱 うん。木村さんが「ほんとにガンッと来ていいよ」と言ってくれて。僕からすると“いいんですか?”という気持ちと、“もし、当たってしまったとき、僕は芸能界でどうなる”という考えもよぎったりするなか(笑)、思い切って木村さんに突っ込ませていただきました。木村さん、やっぱ、カッコよかったです。
齊藤 私は木村さんとお話ししたかったんですけど、何を話していいかわからなくて。でも、食べ物の話だったら大抵盛り上がるじゃないですか。変なやつだと思われてもいいから一生の思い出を作ろうと思って、「好きな食べ物なんですか」って聞いたら、「あっ、こういう系で盛り上がれる系?」って言われて。「盛り上げます!」って。
綱 めっちゃおもろいな、それ。
井桁 なんだったの?
齊藤 チーズケーキ。木村さんが好きなら食べたいなと思うようになりました。ただのファン、みたいな。
綱 わかる。木村さんについての質問されるとそうなるよな。
井桁 そうなる。
齊藤 俳優をしていても、木村さんとご一緒できる方は限られている。このお仕事をいただいて、改めて頑張ろうという気持ちになりました。
Profile

綱 啓永
つな・けいと 1998年12月24日生まれ、千葉県出身。『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019)のリュウソウブルー/メルト役で注目を集める存在に。出演映画『東京逃避行』『口に関するアンケート』の公開が控える。

齊藤京子
さいとう・きょうこ 1997年9月5日生まれ、東京都出身。日向坂46のメンバーとして人気を博し、卒業後はバラエティ番組でも活躍。初主演映画『恋愛裁判』(公開中)の演技で、俳優としてもますます注目の存在に。

井桁弘恵
いげた・ひろえ 1997年2月3日生まれ、福岡県出身。『仮面ライダーゼロワン』(2019)でシリーズものも経験。『ぜんぶ、あなたのためだから』(テレビ朝日系)ではヒロインを演じている。『おしゃれクリップ』のMCも好評。
information
映画『教場 Reunion/Requiem』
警察学校での日々を第205期生の門田(綱啓永)がカメラで記録するなか、新たな事件が。一方、風間の教え子の刑事たちは、風間の右目を奪った十崎の行方を追っていた。『教場Reunion』(Netflix独占配信中)に続き、『教場 Requiem』(公開中)を劇場でというスタイルも話題に。
写真・樽木優美子 スタイリスト・三宅 剛(綱さん) 高橋美咲(齊藤さん) 浦田聡美(井桁さん) ヘア&メイク・牧野裕大(綱さん) 木戸出香(齊藤さん) 鈴木海希子(井桁さん) 取材、文・杉谷伸子 撮影協力・バックグラウンズ ファクトリー
Ⓒフジテレビジョン Ⓒ長岡弘樹/小学館
anan 2485号(2026年2月25日発売)より












