
ルックも芝居も国宝級なティモシー・シャラメ。20代のうちに2度のオスカー候補入りを果たし、30歳になった今、再度オスカーに王手をかけているのが、最新作『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』です。
今作で彼が演じたのは、実在した卓球選手マーティ・リーズマンをモデルにした、天才卓球プレーヤーのマーティ。これが本当に…クズ男。卓球の腕はピカイチだけど、女たらしでギャンブル大好きで、超絶だらしないの。これまでティモシーが演じてきたどの役よりもクズ(大事なことなので2度言いました)。プロデューサーも兼務している主演作なので、力の入れ方も半端ないのよ。「でも、共感してるんだよ、マーティに」と言うティモシーに、ちょいと話を伺いました。
「マーティはたしかにひどい男。称賛には値しないかもしれないけど、目的達成のためには手段を選ばず意欲的なんだ。その点においては、僕にとても近いと思っているんだよね。なにせ映画界はどんなに才能があっても認められないことなんてざら。そこでやっていこうと思ったら、強い決意と推進力、そして断られてもめげずに猛進する姿勢が必要なんだ。マーティはそういうタイプの男。『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019)などで演じた役とは全く違うキャラに挑戦させてもらえたことを誇りに思っているんだよね。あ、マーティに一番近いのは『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(2023)かな。ウォンカも目的に向かって一直線だったから。ただ、マーティよりも動物的な本能で生きていたけどね(笑)」

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どれだけのクズっぷりかは観てからのお楽しみとして、本作で驚くのは卓球シーン。なんせ天才プレーヤー役(ちなみにライバルは日本選手です)。どうやって撮ったか全く分からないアクションなんです。
「あれは全部振り付けなんだけど、『フォレスト・ガンプ/一期一会』でも卓球の振り付けを務めたコーディネーターが担当してくれた。20回近くのラリーもあったんだけど、リズムが一定していないダンスみたいなものだからすごく大変でね。3か月は特訓をしていたよ。ぶっちゃけ“全部使わないだろうに、なんでここまで…”って思いながらやってたけど(笑)」
これまでにない性格の役柄、プロ選手並みの卓球動作、そのうえ本作は先に公開された各国で大ヒットが続出し、北米での興収は配給会社A24の歴代最高値を記録。となると、期待は映画賞だけど「以前の自分なら気にしたけど、それほどでもないんだ」とポツリ。え、なんで!?
「20代前半から半ばくらいまで、僕はヒース・レジャーやホアキン・フェニックスなど、先輩俳優たちに憧れすぎてたんだ。今でも彼らは僕のヒーローだけど、憧れてそこにいきたい、っていう気持ちではなくなった。僕は自分の人生に満足できればそれでいい。また、マーティのように、わがまま放題に生きてしまうと、そのあとで起きることが分かってきたんだと思う。彼のような人がパーティにいたら、遠くで見てる分には楽しいだろうけど、今の僕だったら仲良くはなれないかな(笑)」
Profile
ティモシー・シャラメ
1995年、NY生まれ。幼少期からモデルを務め、2008年から俳優として活動。『インターステラー』(2014)など大作への出演で注目され、2017年の主演作『君の名前で僕を呼んで』で第90回アカデミー賞主演男優賞候補に。
information

『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
監督・脚本/ジョシュ・サフディ 出演/ティモシー・シャラメ、グウィネス・パルトロウ、オデッサ・アザイオン、ケビン・オレアリー、タイラー・オコンマほか 3月13日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。Ⓒ2025 ITTF Rights LLC. All Rights Reserved.
anan 2486号(2026年3月4日発売)より












