体操界を牽引するニューヒーロー! 橋本大輝「パリでも思い切った演技を見せたいです」

エンタメ
2024.07.02
鍛え上げた美しい体から放たれるのは、東京五輪覇者としての圧倒的な存在感。“金”に最も近い存在と目されるなか、自身の原点となる体操への思いを胸に、パリへ。体操界を牽引するニューヒーロー、橋本大輝選手の新たな挑戦が始まる。

橋本大輝(体操競技男子 日本代表)

橋本大輝

体の隅々まで緊張感をみなぎらせ、難易度の高い技を連ねるダイナミックな演技で、観る者を魅了する橋本大輝選手。体操王国・日本において、いま最も注目を集めるアスリートのひとりだ。

高校3年生の時に日本代表に選ばれ、世界体操で団体銅メダルに貢献したのが2019年。そのわずか2年後の東京五輪で、個人総合と得意種目である鉄棒、2つの金メダルを手にした。その後も国内外の大会で優勝を重ね、パリ五輪へは昨年末、選考会を待たずに出場が決定。日本体操界を牽引する新たな王者として、2連覇を狙う。重圧がかかる立場だが、

「プレッシャーはあって当然。自分を信じ、自分の道を行きます」

今でこそ、その境地に至ったが、前回の五輪後、注目度が一気に増した時期には“しんどい”と感じたこともあったという。

「体操は数字ですべてが決まる競技。技も年々進化していて、つねに難易度が高い演技が求められます。その中で、自分がやりたいことと評価が出る構成のバランスをとるのが難しいことがあって」

方向性を見失いそうになったときに立ち返ったのは、競技を始めた小学校時代から目に焼き付けてきた、日本の“美しい体操”だ。

「膝もつま先も美しく伸び、ストップモーションでどこを切り取っても隙のない演技。大先輩の内村航平さんや順天堂大学時代の恩師でもある冨田洋之さんたちが作り上げてきた体操を受け継いでいきたいと改めて思いました」

そうして、「昨日より少しでも前へ」を信条に地道に練習を重ねてきた橋本選手。自身の立ち位置とやるべきことを見据えることで、自信を取り戻せたと話す。

「僕の一番の強みは雄大さ。それは体を大きく見せる技術ではなく、内面の自信によって醸し出されるものだと思います。最近の自分の演技動画を見ると、それが表現できているように感じる。パリでも思い切った演技を見せたいです」

5月の選考会を経て、他の4人の出場メンバーも決まった。

「世界一厳しいと言っても過言ではないのが日本の代表選考会。それを勝ち抜いてきた素晴らしいメンバーです。5人とも見ているのは同じ、ひとつの目標。全員で頂点に立ち、笑い合いたいですね」

はしもと・だいき 2001年8月7日生まれ、千葉県出身。セントラルスポーツ所属。2人の兄の影響で6歳から体操を始める。市立船橋高校在籍中の’19年、世界選手権団体総合で銅メダル。’21年、全日本体操個人総合選手権で初優勝、以降4連覇を果たす。同年、東京五輪にて鉄棒と、史上最年少で個人総合で金メダルを獲得。’22年、’23年の世界選手権の個人総合では2連覇を達成する。7月、連覇をかけてパリ五輪へ。

※『anan』2024年7月3日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・井田正明 ヘア&メイク・高松由佳 取材、文・新田草子

(by anan編集部)

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