AHN BO HYUN(アン・ボヒョン)
将来を嘱望されたボクシング選手から、モデルを経て俳優となったアン・ボヒョンさん。ドラマ『梨泰院クラス』の敵役チャン・グンウォンを演じたことで一躍注目された彼ですが、素顔はやさしく思慮深い好青年。憎まれ役として相手を殴るシーンを演じたものの、精神的には「自分が殴られるほうがむしろ気楽なのに…」と実は思い悩んでいたそう。
「グンウォンの一連の行動は主人公セロイが立ち上がるきっかけになるので、とても大事なシーンばかりです。でも僕自身、人を殴ったり、頭に牛乳をかけたりするのはとてもできない性格。僕がグンウォンを演じることを心配する人も多かったんですよ。でも実際に放送が始まってみたら、僕個人ではなくグンウォンという人物にしか見えないと言ってもらえて、演じた甲斐がありました」
今年、韓国で放送されたドラマ『財閥X刑事』では世間知らずのお坊ちゃま刑事チン・イスを好演。韓国での人気ぶりはすさまじく、シーズン2の制作も決定した。
「イスも、僕とは何もかも正反対なキャラクター。普段の僕は物静かなんですが、イスは常にテンションが高くて、そんな彼を演じていて僕もいつもよりテンションが高くなりました。『生まれ変わってもよろしく』では人付き合いを避けるソハを演じながら僕も憂鬱気味になりましたし、『ユミの細胞たち』では監督から『本当に天然ボケな子に見えるね』と言われたことも」
演じるたびに大きく印象が変わり、カメレオン俳優と称されることも多いボヒョンさん。「挑戦を続けることには困難もあるけれど、それ以上に面白いんです」とにっこり。
「今でも自分の演技に迷うことは正直あるし、正解を見つけるために長い時間をかけることもあります。しかし、俳優としていろんな人物を演じるのは単純に楽しい。この楽しさがあるから、僕は俳優という仕事を続けていられるんだと思います。楽しさが、僕の演技の原動力です」
高い演技力、そして分厚いだけでなく引き締まったボヒョンさんの肉体美に惹かれるファンは世界中に――。週3日以上のトレーニングでこの筋肉をキープしているそう。
「僕は運動をサボるとすぐ肉がつくんですよ。しかも最近は痩せにくくなったと感じているので、最低でも週に3日は筋トレと有酸素運動をしています。有酸素運動は主に階段トレーニングと、ランニングマシンで傾斜をつけて走っています。野菜はあまり得意ではないんですが、食物繊維が摂れるのでしっかり食べて、あとはタンパク質と炭水化物。会食の席ではストレスにならない程度に食べますが、次の日に節制してコントロールしています。最近はボディメイクのためというより、体力づくりや健康に重点を置いたトレーニングを心がけています」
徹底した自己管理にはストイックさを感じるが、ボヒョンさんいわく「三日坊主の運動法」なんだとか。
「僕もそこまで筋トレが好きなわけではないんですよ。なので“週に3日だけはやろう”と心に決めています。3日運動したら次の日にはもうサボりたくなるから、その日はチートデーにして好きなものを食べて、翌日には食べた分だけ運動しなきゃ、というのを繰り返しているだけ。仕事から帰った後も、20分でもいいから家で体を動かしてからシャワーを浴びるようにしています。疲れている時に運動するのは大変だけど、次の日に“昨日も運動したから大丈夫”と思えるので、精神的にラクなんです。運動を続けているとそれだけで達成感もありますしね」
最後に、“これからトレーニングを始めよう”と考えているanan読者にメッセージをお願いしました。
「いつかは運動しよう、と思っている方も多いと思いますが、始めようと思った時がやるべき時。ためらわずに、怖がらずに、1日も早く、覚悟を決めて今すぐ始めましょう!」
Ahn Bo Hyun アン・ボヒョン 1988年5月16日生まれ、韓国・釜山広域市出身。『太陽の末裔』で注目され、『梨泰院クラス』で一躍人気に。『マイネーム:偽りと復讐』『軍検事ドーベルマン』など出演作多数。アン・ボヒョン日本公式ファンクラブ https://ahnbohyun-fc.com/
※『anan』2024年7月3日号より。写真・田形千紘 スタイリスト・lee inwoo ヘア・cho chunil メイク・kim mijin 取材、文・尹 秀姫
(by anan編集部)