「タイアップの曲やインディーズ時代の楽曲も収録している多面的な作品になりました。タイトルは、見る角度によって色が違う“構造色”というモチーフから発展したもので、アンモナイトの化石が長い時間をかけて宝石化し、虹色に輝いたものをさす『Ammolite(アンモライト)』になりました」(福島智・Ba)
「アルバムっていう形態がそもそも“アンモライト”的だと思っていて。中学のときに聴いていたものを聴き返したら、当時とはまったく違う感覚があるのがおもしろい」(藤井怜央・Vo/Key)
2012年に結成した彼らは、’17年からはじめた渋谷でのストリートライブでその知名度を高めた。
「ストリートでは、とにかく踊れることを意識していました」(藤井)
「5秒で足を止めてもらうために、サビからはじまる曲を作ろうとか、どこから聴いてもいいメロディを書かなきゃとか考えましたね」(福島)
「逆に、何をしてもいい空間で。俺が急にドラムを叩き出して二人が合わせたり。本当の意味でライブ感覚がある場所だった」(冨田洋之進・Dr)
ストリートで鍛えたバンドの足腰は、様々なタイアップに対応する発想力を支えている。その中で、シンプルかつ普遍的なテーマも浮上した。
「『幸せ』(アニメ『ホリミヤ‐piece‐』のOPテーマ)はタイアップがあったからできた曲。本当にあったかいメロディで、新たな引き出しを開けてくれました」(藤井)
「そういう意味では今回、『渦幕(うずまく)』や他の曲も含めて、僕らなりに幸せについて様々な角度から考えた作品ですね」(福島)
そして彼らが目指す“幸せ”のひとつは、拠点とした渋谷のスクランブル交差点から程近いNHKにある。
「紅白歌合戦に出続けることが昔からの目標で。そのために、説得力のある歌、演奏ができるように自分たちを高めていきたいですね」(藤井)
メジャー1stアルバム『Ammolite』。【完全生産限定盤(CD+Blu‐ray)】¥5,500 【初回生産限定盤(CD+Blu‐ray)】¥5,500 【通常盤(CD)】¥3,300 完全/初回生産限定盤はブックレット付き。(Sony Music)
オモイノタケ 左から、冨田洋之進(Dr)、藤井怜央(Vo/Key)、福島智(Ba)。アルバムを引っ提げたワンマンツアーを、9月22日から全国のZepp5か所と、最終日は彼らの地元である島根・松江テルサホールで開催する。
※『anan』2023年9月13日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・鹿野巧真 ヘア&メイク・Takaki Toshihiro(SEED&beauty) 取材、文・森 樹
(by anan編集部)