「早苗は、セックスに対して苦手意識があって、なかなか心を開けないところがあります。でも、何とか自分を変えようと、ボロボロになりながらも全力で生きている女の子。私は今26歳なんですが、25歳って頑張ってきたはずなのに、思い描いていた理想の大人にはなれてなくて、焦るし悩む年齢な気がします。私自身も大人になりきれてないと思うので、早苗にすごく共感しますね。羨ましいのは、イヤなことがあってもタガを外して、人生を楽しめるところ。現場に入るまで想定してなかったんですけど、テキーラを勢いよく飲むシーンは、サパークラブのお祭り騒ぎに押されて、本番ではドヤ顔で『うっしゃ~!!』って叫んでました。私もお酒は好きですけど、ビールが好きなので、早苗ほど酔ってテンションは上がらないです(笑)」
彼氏がいなくなった早苗に急接近するのが、元バイト仲間の康祐。万年セックスお化けと呼ばれながらも、実は内面では惑いを抱えており…。
「物語が進むにつれて二人は悩みを共有し、互いに成長していきます。それまでは個々のシーンが多いので、それぞれのコンプレックスが何なのか、悩みをどのくらい匂わせて演じるのか、明確にしておきたくて、本読みの段階で、康祐役の佐藤大樹さんと監督と丁寧に擦り合わせました。このドラマには、恋愛の悩みのパターンがだいたい一通り出てくるので、いま行き詰まっている人は抜け出すヒントが見つかるかもしれませんし、恋愛が億劫になっている人にとってはいい刺激になるのでは」
タイトなスケジュールの撮影だったが、座長の佐藤さんが盛り上げ上手で、終始笑いが絶えなかったそう。
「佐藤さんが目標をはっきりと口にしてくれて、『ついていこう!』と思いました。目標の内容ですか? 言っていいのかな…『目指せ、TVerのお気に入り登録10万!』とかです(笑)。正直なところ、一つのシーンで起こる気持ちの変化を逆から撮らざるを得ないことが多く、変化の結果を私は想像するしかできないので、とても大変でした。でも、どのシーンも全部、現場で監督と何を話し、どう演じたか思い出せるくらい濃密で、青春のような素敵な時間を過ごせた作品です」
『around1/4(アラウンドクォーター)』 恋や人生の分岐点に直面する25歳前後=アラウンドクォーターの男女5人が、悩み傷つき、時に失敗しながらも乗り越えていくリアルな恋愛群像劇。ABCテレビでは毎週日曜23:55~、テレビ朝日では毎週土曜26:30~放送中。
みやま・かれん 1996年12月12日生まれ、東京都出身。2002年、俳優デビュー。映画『かがみの孤城』に声優で出演。今年7月まで舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』で嘆きのマートルとデルフィーを好演した。
※『anan』2023年8月9日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・椎名倉平 ヘア&メイク・関東沙織 インタビュー、文・小泉咲子
(by anan編集部)