展示されるイラスト原画は、なんと1000点。前・後期で500点ずつ展示し、作品は全て入れ替わる。
「2015年から計5回、百貨店で“ペンギン百態”という展示を開いていました。それを経て、これらを一堂に集めたものを見てみたいという気持ちが強くなって。“千”という漢字が入る千葉県で1000のペンギンを集めたら、楽しいに違いないと思い、ギャラリーに提案させていただきました」
と、さかざきさん。そもそもさかざきさんとペンギンとの出合いは?
「子どもの頃にペンギンが出てくる童話を読んだのがきっかけで、ペンギンが好きになりました。大学ではカレンダーに登場させたり、卒業制作で絵本を作ったりも。もう35年くらい描き続けていますね」
今回、作品は一つ一つ木製の額縁に収められ、窓からペンギンをのぞき見しているかのような趣向に。また作品は、銀・森・虹・空・画家のアパートメントに分けられ、流氷やアーケードなどを想起させる会場構成ともリンク。作品を観るだけでなく会場の雰囲気も楽しめるよう、細部まで工夫が凝らされている。
本展ならではの、さかざきさんがオススメする鑑賞方法も。
「展覧会の“アパートメント”という名前の通り、後期の作品は会期終了後にオンラインで分譲する予定です。来場してくださった方には、おうちに連れて帰るならどの絵がいいだろう、そんな見方をして楽しんでいただけたらと思います」
さかざきさんの描くペンギンたちは、愛らしさ満点。ぜひじっくりとお気に入りの一枚を見つけてみて。
【銀のアパートメント】
ペンギンのペンギンらしい動きをイラストに。歩いたり滑ったりしている姿が愛らしい。
【森のアパートメント】
羊やハリネズミなど、生きものと共にペンギンが描かれる。表情やサイズ感の違いが見どころ。
【虹のアパートメント】
ペンギンがカラフルな色合いのものと共に描かれる。擬人化されたペンギンの表情に注目して。
【空のアパートメント】
同じ鳥類の仲間と並ぶペンギン。埼玉県川口市の町工場と共作したモビールもお見逃しなく。
【画家のアパートメント】
猫とペンギンの関係性が微笑ましい。さかざきさんはペンギンに自身を投影しているそう。
『さかざきちはる ペンギンアパートメント』 市川市芳澤ガーデンギャラリー 千葉県市川市真間5‐1‐18 前期:開催中~5月28日(日)、後期:5月30日(火)~7月9日(日)9時30分~16時30分(入館は16時まで) 月曜休 一般700円ほか ※前期と後期で作品は全て入れ替わります。TEL:047・374・7687
※『anan』2023年5月31日号より。
(by anan編集部)