すでにカオス状態(笑)。テンポよく展開していく物語を楽しんでください。
「ミナレのトークは放送事故ギリギリですね(笑)。私は普段、睨みつけながら、強い言葉でまくしたてることがないので、クランクインまで不安でしかなかったんですけど、今は演じていて楽しいです。ただ、台詞量が『何ページ続くの!?』という感じで、圧倒的に過去一番。ミナレは早口で噛まない設定なんですけど、撮影ではどうしても…。これまで重ねたテイクは一番多くて5回くらい。なんとか2桁いかずにクランクアップするという目標を掲げて頑張っています(笑)。台詞はテスト勉強のように一行ごとに入ったか確かめながら、少しずつ覚えていきます。場所は家か撮影の合間の現場ですね。声に出して覚えたいタイプで、感情が入ってくると顔つきも変わるので、カフェとかだと、危ない人になっちゃうんです(笑)」
突拍子もない言動で、次々に事件を巻き起こしていくミナレ。
「50万円騙し取って逃げたクズの元カレを埋葬し、アパートからは遺体が見つかったり、ストーカーを撃退、さらには知り合いが拉致されて…と言うと、サスペンス要素満載のカオスですね(笑)。でも、コメディ要素もたっぷり。笑いのセンスがある監督で、『ここは変な間が欲しいから、思っているより長めに』と指示をくださったシーンがどんなふうに編集されているのか、ワクワクです」
人生初の金髪もお似合いで、原作者の沙村広明さんが「ミナレ役は小芝さんしかいない!」と言い切るほど、役にハマっているけど…。
「私自身にはミナレ的な要素はまったくないんです。小さい頃から目立つのが苦手で、先生と目が合わないようにしてましたし、今でも石橋は叩いて叩いて、やっぱり渡らないこともあります(笑)。それと、夜の街が怖くて、バーよりも居酒屋さんのほうが落ち着くタイプ。ビビりで冒険心がまるでないんです。だから、取材でお話しできる面白いエピソードがなくて、いつもすみませんって思っています。だから自由奔放で、気持ちを隠さない女性が羨ましいですし、ミナレのように生きられたらラクだろうなあって」
本作は漫画が原作で、アニメ化もされた。実写化ならではの魅力とは。
「それぞれに魅力がありますが、実写には漫画にはない声があって、漫画やアニメでは破天荒に見えるキャラクターも、3次元になることで身近でリアルに感じられると思います。テンポのよさや先が読めない面白さは、原作をそのまま受け継いでいるので、ドラマのオリジナルストーリーも含めて楽しみに見ていただけると嬉しいです」
最後にタイトルにちなみ、最近「聞いてくれ」と思ったことは?
「ビュッフェで出来たての限定メニューが出てきた時に、いっぱい取っちゃう人! 後ろに並んでいる人のことも考えてくださ~い(笑)。…やっぱりしょうもないエピソードになっちゃいました、すみません!」
『波よ聞いてくれ』 沙村広明氏の大人気コミックが初のドラマ化。やさぐれ女の鼓田ミナレが、ひょんなことからラジオパーソナリティの才能を開花させ…。毎週金曜23時15分~テレビ朝日系にて放送中。※一部地域で放送時間が異なります。
こしば・ふうか 1997年4月16日生まれ、大阪府出身。俳優として活躍するほか、『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ)の「ゴチになります!24」の新レギュラーを務める。主演映画『レディ加賀』が公開待機中。
ジャケット¥68,200 スカート¥38,500(共にEZUMi/リ デザイン TEL:03・6447・1264) イヤリング¥22,000 イヤーカフ¥9,900 リング(左手)¥13,200(以上Jouete TEL:0120・10・6616) リング(右手)¥57,200(ete TEL:0120・10・6616)
※『anan』2023年5月17日号より。写真・内山めぐみ スタイリスト・成田佳代 ヘア&メイク・竹下あゆみ インタビュー、文・小泉咲子
(by anan編集部)