――ヨネダ2000を結成するまでの経緯を教えてください。
愛:誠とは、NSC(吉本総合芸能学院)の同期でした。在学中は、お互い別でコンビを組んでいたんですが、誠のネタをずっと面白いと思っていて。それで卒業間際に私から「一緒に組んでほしい」と言って、“ギンヤンマ”を結成しました。卒業後、芸人としてスタートして2年目ぐらいの時、同期の男性から入れてほしいと言われたので、“マンモス南口店”というトリオになって。でも、その男性と誠が二人ともネタを書くんですが、うまくマッチしなくて、解散することになりました。それでも私はもう一度、誠と組みたかったから再び声をかけて“ヨネダ2000”を結成したんです。
――“ヨネダ2000”というコンビ名の由来を教えてください。
誠:学生時代、愛さんのあだ名が“ラクダ”で、自分のあだ名が“ヨネダ2000”で。ラクダよりはヨネダ2000がいいだろうということで…。ちなみに、自分のお尻の蒙古斑が“ヨネダ2000”の文字になっているのが同級生にバレて、ついたあだ名です。
――そうなんですね…。
誠:そして愛さんのあだ名は、本当は“ゾウ”です。
――嘘ついたんですか?(笑)
誠:いや、先ほどメイク中に、バックナンバーのランジャタイさんのインタビューを拝見しましたけど、我々のほうが相当まともな感じだと思いますけど(笑)。でも、めちゃくちゃ面白くて笑いました。
――あははは(笑)。でも、何度か編成が変わられていたんですね。
愛:はい。でもトリオがなければ、今のヨネダ2000もなかったと思います。ギンヤンマ時代から私たちは仲がよかったんですが、気を使い合っていて、いまいち一歩踏み込めていなくて。でも、トリオの男性が結構ズバズバと言う人で、その時に、コンビってこれぐらい思ったことを言い合わないとダメなんだ、と学んだんです。
――なるほど。またコンビを組みたいと愛さんから言われて、誠さんはどう思いました?
誠:自分も、愛さんとやりたかったから嬉しかったです。
愛:ここで断られたら、私は芸人を辞めようと思っていました。ドッグトレーナーの資格を持っていて、動物が好きなので、そっちの道に行ってたかも。
――お二人のネタの虜になる人が続出していますが、どのように実力をつけてきたのか気になります。
愛:ヨネダ2000を結成したのが、2020年の4月。新型コロナウイルスが流行り始めた頃で、劇場でのライブが中止になったんですよね。だから、ヨネダ2000の最初のステージは、『キングオブコント』の1回戦でした。
誠:しかも、トップバッター。
――それは、いきなりですね。
愛:緊張もあったけど、そりゃそうだよな…って落ち方をして。
――そのネタは、今でも?
誠:やっていません。でも「ニュースキャスター」という好きなネタで、今でも動画を見たら笑うと思います。あはははは(笑)。
愛:面白いよね、ふふふふふ(笑)。
――ネタを思い出して、ご自身でめっちゃ笑うんですね(笑)。
誠:ほとんどのネタを、いつも繰り返し見ては笑っています。こんなに面白かったんだ! って。
愛:誰にも伝わってないネタでも。
誠:コロナ禍のライブ時に、無観客なのにスベったことがあって。
愛:採点式で、時間もオーバーして、マイナス13点だったよね。
誠:それで何が悪かったんだろうって、あとから見直したら、二人でお腹抱えて笑っちゃって。
愛:ただやりたいこと、好きなワードを詰め込んだだけなんで、伝わらないのはわかるんだけど。
誠:だから面白いんです。スベったけど。
――スベった時って、落ち込んだり反省するのかと思っていました。
誠:基本、自分たちのネタは全部、本当はウケると思っているから。
――例えば、M‐1の決勝ネタ「餅つき」は最高に面白いですが、よりウケるように改善したりも?
誠:それこそお餅つきのテンポ。
愛:それまではテンポを決めずに、その日のコンディションでやっていたんです。
誠:でもウケる日があれば、ウケない日もあることに気づいて。全然ウケなかった時の映像を見たら、めちゃくちゃ速かったんです。テンポを計ったらBPM190ぐらいあって、怖くて。
愛:ただでさえ大きな声なのに、むっちゃ速いから、もう何が何だかわからないネタになっていた。
誠:それ以来、テンポを決めて合わせようってことになりました。
愛:BPM160がいいぞ、ってことになってからは、安定しましたね。毎回、袖から出る前に、それぞれスマホのメトロノームアプリでテンポを確認しています。
ヨネダにせん/左・誠(まこと)1999年3月25日生まれ、東京都出身。右・愛(あい)1996年9月19日生まれ、神奈川県出身。共にNSC東京校23期生。2020年結成。昨年の『M‐1グランプリ2022』で、女性コンビとしては13年ぶりに決勝進出。また『女芸人No.1決定戦 THE W 2022』では準優勝するなど、活躍している。
※『anan』2023年3月22日号より。写真・マチェイ・クーチャ ヘア&メイク・本田麻菜美 インタビュー、文・若山あや
(by anan編集部)