岡崎体育、音楽制作は「こだわりも大事ですが、こだわりすぎないのも大事」

エンタメ
2022.07.09
岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「こだわり」です。
okazaki

人間誰しも、何かをするとき「こうでないといけない」というこだわりがあると思います。靴下は右足から履くとか、朝食はパン派だとか。僕にはこだわりが何かあるかなと考えたんですが、本当に暮らしの中でのこだわりがまったくない。打ち上げの居酒屋は、座敷じゃないほうがいい(胡座をかくのが苦手なので)くらいです。でもそれもスタッフが予約してくれた店が座敷だったとしても、別に怒ることもありません。「(もし座敷だったら)ちゃぶ台ひっくり返すぞ」と常日頃、冗談を交えつつもけっこうマジの口調で6年間ずっと言っているにもかかわらず、座敷を予約されることがあります。それでも実際にひっくり返したことはありません。そろそろ一回くらいひっくり返してもいいかも、とは思いますが。

音楽制作においてもこうでないといけない、ということはないように思います。唯一こだわっているとしたら、楽曲を作るときは他の仕事は入れてほしくないというのがあります。丸一日何も入ってないときでないと、制作に向き合うことができません。「収録と収録の隙間時間が2時間あるから」と作れるものではないし、もっと時間に余裕があっても「あと5時間後に家を出ないといけない」という縛りを考えてしまうと、もう作業に向き合うことができなくなってしまいます。作業にとりかかるまでのアイドリングの時間も長いので、制作をするときは十分な余裕を持ってそれだけに集中するのが、ひとつ僕のこだわりかなと思っています。

でも、それも昔からそうだったわけではありません。デビュー前はどんな状況、時間帯でも楽曲制作をしていました。ライブ後も打ち上げに参加せず家に帰って延々と曲作りをしていた。野心があってストイックだったので、それができたんだと思います。当時は曲を量産するというのが僕のこだわりだった。今はある意味、その強い思い入れを下ろしている状態なのかもしれません。自分が無理しないで作れる環境でないと作らないとしているので。以前はアレンジも、アレンジャーに頼まず全部自分で打ち込みすることにこだわっていました。でも、素晴らしい才能の方々との出会いがあって、人に編曲を頼むということもできるようになった。それで自分の楽曲の可能性を広げられるようになったと思います。こだわりも大事ですが、こだわりすぎないのも大事だなと思います。

おかざきたいいく NHK Eテレ『ヒャダ×体育のワンルーム☆ミュージック』Season3(毎週土曜21:00~)に出演中。最新タイアップ・シングル曲「レディキャップ!」「季節の報せ」が配信中!

※『anan』2022年7月13日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND) 文・梅原加奈

(by anan編集部)

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