泳ぎを通じて成長する少年の物語が、最終章へ。
泳ぐことに魅せられた男の子たちが競泳を通じて仲間やライバルたちと出会い、切磋琢磨しながら成長していく様を描いた人気アニメ『Free!』シリーズ。2013年にテレビ放送がスタートして以来、テレビアニメ、劇場版と成長を遂げてきた彼ら。昨年9月に公開された『劇場版 Free!‐the Final Stroke‐』前編では大学生になり、世界に挑んだ。そして今年4月に公開の後編をもって、9年にわたった彼らの物語がひとつのクライマックスを迎える。
ここでは、『Free!』をまだ知らない人にも作品の世界と物語を味わってもらえるよう、主人公・七瀬遙と彼の仲間たちの歩みをプレイバック!
見てきた人も、初めての人も。七瀬遙が歩んだ軌跡。
主人公の七瀬遙は、水、そして泳ぐことに特別な想いを抱き、水に愛された天才スイマー。そんな彼がここまで辿ってきた道のりを、トピックスごとにご紹介します。
1、チームメイトとの再会を機に結成された水泳部。戦友たちとのリレーが彼らの熱い想いを繋ぐ!
高校2年の七瀬遙と橘真琴は岩鳶高校に入学してきた葉月渚の熱意に押され、陸上部だった竜ヶ崎怜も引き込んで水泳部を立ち上げることに。同じ頃、オーストラリアで挫折を味わい日本に帰国した松岡凛は遙に再会。二人はあることがきっかけで大きなわだかまりを抱えていたのだが…。そんな二人を再び結びつけたのは、小学生の頃にみんなで泳いだメドレーリレーだった。バック(背泳ぎ)の真琴、ブレ(平泳ぎ)の渚、バッタ(バタフライ)の凛、そしてフリーの遙と、4人がリレーを繋いでいく様や意外な展開が胸アツ! 得意の型をダイナミックに泳ぐ姿や、美しい水の描写など、見どころは多いが、泳ぎきった後の彼らの清々しい笑顔はまさに青春。
2、プレッシャーや故障、進路への想い。悩みの中で自分自身と向き合い、仲間と切磋琢磨の日々を丁寧に描く。
過去のトラウマから海が怖いという真琴や、親との関係で水泳部を退部させられそうになる渚など、抱える事情や想いは様々。しかし、どんな時であっても仲間がそばにいてくれる心強さは変わらない。悩みから逃げようとした時は仲間が優しく諭してくれ、逆に一人で落ち込んでいる時はみんなが一丸となって支えてくれる。辛い時も楽しい時も共に寄り添い、成長していくたくましい彼らのひたむきな姿を美しく描く。また、小学校から中学、高校、そして大学まで、少しずつ大人になる過程を長く丁寧に描写しているのも『Free!』シリーズの特徴。全員の成長を、まるで本当の友人のように近くで感じられるのも大きな醍醐味だ。
3、「世界で泳ぎたい」仲間に気づかされた自分の夢。全国大会、そして全日本選抜大会の舞台へ挑む姿は必見。
高校3年生になり将来のことを考え始める頃になると、大会を見に来たスカウトの視線や結果を求められることに苛立ったり、仲間が競泳の世界の外に夢を見つけ、知らぬ間に進路を決めていたことを不満に感じたり…。未来に対する漠然とした不安と、仲間に置いていかれるかもという焦燥感など、思春期ならではの心の揺れが見る者の心に突き刺さる。そんな遙は、凛に連れられて訪れたオーストラリアで世界の舞台で泳ぐという夢を見つけ、これからは記録や勝ちにこだわっていくと宣言。かつてフリーしか泳がないと言っていた遙に仲間と泳ぐ楽しさを示した凛が、またしても遙を新たな場所へと導いていく。影響し合って成長する二人の友情がまぶしい。
4、夢の舞台・シドニー大会に出場、しかし…。新たに抱いた決意を前に、遙が選んだ道とは。
自分の夢と水泳にまっすぐ向き合い、それまで絆を培ってきた仲間にも支えられて練習に励む遙は、凛のコーチであるミハイルのかつてのライバル・東龍司をコーチに迎えて指導を仰ぐ。しかし、いよいよ世界へと飛び立とうしたその時、遙の前には絶対的な王者、アルベルト・ヴォーランデルが立ちはだかる。水を愛し、水に愛される遙の力を奪うかのような圧倒的な強さを見せつけられ、どうしていいかわからなくなる遥。さらには凛とのすれ違いから、遥はますます自身を孤独に追い詰めてしまう。そんな遥に東コーチは「すべてを捨てる覚悟を持て」と言うのだが…。遥が伸ばした手の先には一体どんな未来が待っているのか、劇場でぜひ確認を!
『Free!』シリーズ 『ハイ☆スピード!』(KAエスマ文庫/京都アニメーション)原案。ABCテレビにてTVアニメ『Free!』(TV第1期)、『Free !‐Eternal Summer‐』(TV第2期)連続放送中。ほか各プラットフォームにて好評配信中。TVシリーズ・特別版・劇場版は過去8作。『劇場版 Free!‐the Final Stroke‐』後編が4/22全国公開。
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※『anan』2022年4月6日号より。取材、文・尹 秀姫
(by anan編集部)