座談会に参加してくれたのは、江本静華さん(32歳・モデル)、近藤えりこさん(36歳・アーティスト)、長桶絵莉加さん(29歳・フリーライター)です。
言葉の力によって、絶望から立ち上がることも。
江本:やっぱり、忘れられない言葉ってあるよね。
近藤:家族からの言葉ってすごくパワーになると思う。私はアーティストだから歌うことが仕事なんだけど、あるとき、歌声を否定されて落ち込むことがあって。そうしたら家族から「あなたにはあなたのいいところがある。全員に好かれる必要はないよ」って言われて、救われたのを覚えてるなぁ…。
長桶:うんうん。私は「一人じゃない」って言葉が忘れられないの。ダブルとして生まれたことで幼い頃から差別されることが多くて。そんなときに母から言われて、一緒に頑張ろうっていう気持ちが湧いてきたんだ。
江本:素敵なエピソード! 言葉って原動力になったり、時には自分を支えてくれたりもするよね。個人的には言霊も信じてるから、自分を励ますような言葉は大切にしたいな。
長桶:そうそう。言葉には絶望から立ち上がらせてくれる力もあるし、やる気を持たせてくれたり、恐怖に打ち勝たせてくれたりもするよね。
近藤:そうだね。人の心を動かすような言葉って、本当に素敵だと思う。
江本:音楽の歌詞にもそういう力があると思うの。私はどうしても周囲と自分を比べてしまいがちで。そんなときにレディー・ガガの「Born This Way」を聴いたんだ。特に心に残っているのはサビのフレーズ。自分で選んで歩いているこの道が正しい選択だったんだ、って勇気が湧き起こるような気がして、大好きなんだ。
長桶:いいね〜! 逆に、落ち込んでいる友人にかけてあげる言葉って、持ってる? 私はいつも「I'm here for you.(あなたのためにここにいるよ)」って伝えるようにしてるの。決して独りぼっちではないことを伝えて、一緒に悩むし、一緒に考えたいなって思うんだ。
江本:私だったら、「まっとうに生きてるだけで偉いぞ!」って言ってあげるかな。すごくストレートなんだけどさ(笑)。
近藤:変に飾らない言葉のほうがまっすぐ届くと思う! ただ、その人のバックボーンや悩みによってはなんて言ってあげたらいいのかわからないこともあるよね。だから私は、「あなたのこと、全部はわからないかもしれないけど、わかりたいとは思ってるよ」って伝えたいな。
江本:すごく勇気がもらえそうな言葉! もしも悩んでいる友人がいたら言ってあげたい。言葉って、本当に素敵だね。
江本静華さん anan総研No.061。32歳・モデル。
近藤えりこさん anan総研No.019。36歳・アーティスト。
長桶絵莉加さん anan総研No.309。29歳・ライター。
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※『anan』2020年10月7日号より。写真・大嶋千尋 角戸菜摘 文・五十嵐 大