今年はバンド結成10周年! テーマは今も“一生青春”。
「この『mix 10th』というタイトルはアルバム制作の最初に決まったんです。そこからロックな曲もポップな曲も幅広く揃えて、メンバーそれぞれの個性も出しながら楽しめる一枚になりました」(すぅ)
あいにゃんが作詞・作曲を手がけた「てのひら」や、すぅが作詞を手がけた「Answer」など、バンドの歩みや絆を感じさせる楽曲たちも聴きどころ。デビュー当時は「読者モデルの女の子たちが結成したバンド」として注目を集めたが、その頃を振り返って彼女たちはこう語る。
「読者モデルをやっていても、そのファンの方たちだけでライブハウスを埋めることなんてできなかった。『本当に自分たちで弾いてるの?』なんて言われることも多かったし、そうした経験もバネにしながら、10年を駆け抜けてきたなって気がしています」(あいにゃん)
デビュー当時からずっと「『可愛い』って言われるよりも音楽を聴いてほしい」という気持ちが強かったという。夢に見た日本武道館の単独公演やワールドツアーなども経験しながら、今はまた初心を思い出す。
「10年前は事務所にも入ってなかったし、みんな学生だったのでお金もなくて、試行錯誤しながら自分たちでライブをブッキングしたりして活動していました。10周年の今、コロナ禍で活動を制限されたことで、手探りで前に進まなきゃいけなかった結成当初の頃みたいだなって思い出しました。このアルバムに今だからこそできた曲を詰め込んだので、聴いてくださる皆さんに少しでも光を届けられたらいいな」(ひなんちゅ)
この春からはYouTubeチャンネルの開設やオンラインサイン会の開催など、新たな挑戦でも楽しませてくれている彼女たち。このキュートなビジュアルで凄まじい音圧のロックを放ちながら、いくつものハプニングも乗り越えてバンドとしてタフな進化を遂げてきた。
「ピンチは確かにたくさんあったけど(笑)、これまで誰も体調不良や怪我でライブを休んだことがないのは誇れることかも!」(ゆかるん)
「これがサイサイらしさだ! と思うことを貫いてこられた10年。それは私たちが掲げた“一生青春”というテーマそのもの。好きなことを全力でやり続けることで、年齢を重ねてもずっと若々しく生きていきたいんです」(すぅ)
「いつか結婚して子供を産んでもバンドを続けられるのが理想」と語る4人。やりたいことをやり続けるからこその輝きを、この先も熱気に満ちた音で聴かせてくれるだろう。
鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)による提供曲「聞かせてwow wowを」など全13曲。『mix10th』【初回生産限定盤(CD+DVD+PHOTOBOOK)】¥4,500 【通常盤(CD)】¥3,000(ユニバーサルミュージック)
サイレントサイレン 左から、あいにゃん(山内あいな/Ba.)、ひなんちゅ(梅村妃奈子/Dr.)、すぅ(吉田菫/Vo.&Gt.)、ゆかるん(黒坂優香子/Key.)。2012年11月、シングル『Sweet Pop!』でメジャーデビューした4人組バンド。通称“サイサイ”として親しまれ、女子中高生を中心に人気を得て10年。ロックバンドとして確かな立ち位置を築いた。
※『anan』2020年9月16日号より。写真・土佐麻理子 ヘア&メイク・yumi 石川ユウキ(共にThreePEACE) 取材、文・上野三樹
(by anan編集部)