
「少女マンガらしいかっこいいヒーローを描くのが苦手で、ならばいっそのこと真逆の、一切ときめかないような男を描いてしまおう、という発想から生まれました」
根っからの少女マンガ育ちで、王子様のような存在を現実の世界に求めてしまう千代、元ヤンで美人だけどなぜか既婚者によく言い寄られる円、彼氏が途切れたことはないもののダメ男ばかりと付き合ってしまう佐和子。この3人の体験談が立て板に水を流すように語られるのだが、それがまあとにかく、女性目線で見ると笑えるものばかり。
「友人から聞いた話や自分の体験したことに、わかりやすく肉付けして描くことが多いですね。ニュースや雑誌の特集からインスピレーションをもらったり、恋愛話に限らず人から聞いた話を男女関係に置き換えて描くこともあります」

食べ物やお金に対する価値観の違いから生まれる相手への不満や不信感、合コンやデートの際に「アウト~!」と言いたくなる振る舞いなど、誰もが我が身に置き換えられそうなエピソードなのもいい。
「ムカつくけれど、のちに笑って話せるようなことにしようと思っているので、DVみたいな笑えない話はタブーにしています。あとは、共感してもらえることも大事ですね。佐和子がなぜ諒くんと付き合っているのかという点では、まったく共感されていませんが(笑)」
現実の恋愛では女性側に非があることも多々あるだろうが、ここは少女マンガということで、男性諸君には「笑える悪人」になっていただき……。女性が『ダメ恋』を読んでストレス発散できれば、男性にもきっと優しくなれるはず(願望)。
自分のことは棚に上げ、「こんな男いるよな~」と膝を打ちたくなる、ダメ恋エピソードが満載。男性に言いたい放題言わせたあとに放つキメ台詞が痛快です。小学館 429円(C)尾崎衣良/小学館
※『anan』2017年11月22日号より。写真・水野昭子 インタビュー、文・兵藤育子
(by anan編集部)
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