植木等&小松政夫級の熱い師弟関係が誕生!?

――昭和を代表する喜劇人を描く本作ですが、見どころは?
山本:人情ドラマでありながらも、歌ありコントありで、作り込んだバラエティを見ている感覚になれるところ。今のドラマって良くも悪くも、いいものを作ろうとするあまり、きっちりしすぎる面があるんですが、この作品は違う。子供の頃に胸躍らせて見ていたドラマや戦隊モノにも通じるワクワク感があって。楽しい作品になると、1話で直感しました。
志尊:実は、初めて台本を読んで泣きました。植木さんと小松さんは、ふたりとも不器用で武骨なんだけど、まっすぐ向き合っているんですね。計算ずくの人間関係が苦手な僕には、情を重んじるふたりの関係性がすごく素敵に映ります。
――山本さんの声が、植木さんにそっくりで驚きました。
山本:実在の人物なので、本読みの段階でかなり寄せてはいたけど、スタッフに「もっと」と言われたんです。でも、モノマネになってはいけない。その加減が難しかったです。植木さんは資料があるからまだいいけど、小松さんの場合は、表舞台に出る前の話だから、志尊くんの方がずっと大変ですよ。
志尊:なので僕は、似せることよりも、情熱的にまっすぐ生きる“小松さんイズム”を伝えられたらと思って演じてます。
――タイトルにもなっている“のぼせもん”は博多弁で、すぐ熱中する人という意味。おふたりは、のぼせもんタイプ?
志尊:2か月で18kg痩せたり、肉体改造はハマるとグワ~ッてなりますけど、僕はのぼせる対象が細かいんです。一方、山本さんはギターは弾けるし、筋トレの知識は豊富だし。どの分野もアベレージが高すぎます。
山本:僕は、のぼせんもんというより分析型で。そこは、植木さんに似てるかもしれませんね。志尊くんもおそらく分析型で、近頃、稀にみるほどの頭のいい若手。ただ可愛いだけじゃない。
志尊:そんな…(照)。山本さんとの会話は本当に楽しいです。たとえば僕が1聞いたら、10で返してくださいますし。
山本:それ、かえって鬱陶しくないかな?(笑)
志尊:そんなことないです! 小松さんにとって植木さんは憧れだったじゃないですか。僕の山本さんに対する感情も同じです。
山本:志尊くんは聞いてくれるからこっちも嬉しくなる。思い出したんだけど、武田鉄矢さんはドラマの撮影で、本番の直前まで喋っていろんなことを教えてくれました。おもしろいから僕は大好きなんだけど、武田さんは「最近は若い方々が僕の話をおもしろがって聞いてくれる」と。その意味がわかりかけてる自分が怖いなあ(笑)。

右/やまもと・こうじ 1976年10月31日生まれ。ドラマ『トットちゃん!』『風雲児たち』など話題作への出演が続く。「『スーダラ節』など、植木さんの作品や曲は永遠に受け継がれるもの。触れるたびに引き込まれます」
左/しそん・じゅん 1995年3月5日生まれ。公開待機作に『覆面系ノイズ』『探偵はBARにいる3』など。「植木さんや小松さんは、事務所の大先輩。D-BOYSで楽曲をカバーさせていただいたこともあります」
※『anan』2017年9月20日号より。写真・小笠原真紀 インタビュー、文・小泉咲子
(by anan編集部)

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