寝苦しくてなかなか眠りに落ちない夏の夜は、背筋がゾクゾクする物語がおすすめ。anan読書委員会が、手に汗握るサスペンス&ミステリー本をピックアップしました。
本

深い情念×意外な真相。’80年代の名作短編が復刻。(高山一実さん[乃木坂46])

『夜よ鼠たちのために』連城三紀彦

妻を手にかけた画家は、ラブホテルで妻の他殺死体が見つかったと電話を受け…(「二つの顔」)、長い愛人生活に終止符を打つために、女は夫婦を葬る完璧な計画を立てるのだが…(「二重生活」)など、サスペンスたっぷりの9編を収録。「一作一作が面白い!!! 初めて読んだ連城さんのこの作品集で、一気にファンになりました」宝島社文庫 730円

他人を選別するゲームで、生き残った者たちは…?(ミュージシャン・ぼくのりりっくのぼうよみさん)

『生贄のジレンマ』土橋真二郎

他人を生け贄にすれば自分は助かる。クラス間では騙し合いが横行して…。「いわゆるデスゲーム系の小説です。ある高校の教室に届いたメッセージで命懸けのゲームがスタート。人間関係や価値観が浮き彫りになっていく、囚人のジレンマを用いたゲームが特に好きでした。結末は賛否両論かも」メディアワークス文庫 上・下各590円 中570円

徹底した取材と想像を融合、一家惨殺事件の全貌。(Selector菓子創作acinecab主宰・土谷みおさん)

『冷血』トルーマン・カポーティ 佐々田雅子 訳

ノンフィクション・ノベルの金字塔。「すべてが終わったところから始まる物語です。冷酷にも一家4人を殺害した2人の犯人が明かした事実を軸に、多角的な視点から解いていく“なぜ”。ノンフィクションの世界を超えたカポーティから見た新しい空間への導きに誘われる心地よさ。登場人物への愛情にも触れることができます」新潮文庫 940円

底知れぬ恐怖を呼び起こす幽霊小説の芸術7編(Selector久禮書店<KUREBOOKS>店主久禮亮太さん)

『奥の部屋 ロバート・エイクマン短篇集』ロバート・エイクマン 今本 渉 編訳

怪奇小説の巨匠が放つ傑作選。「英国人らしい気品と意地の悪さが光ります。20世紀初頭のセピア色の日常を描写する筆致は、それだけで引き込まれる面白さ。恐怖の正体がわからない、奇妙な体験の余韻が暑い夜を朝まで冷やしてくれそう。気づかず読み進めるうちに、僕たちは現実の隙間に閉じ込められます」ちくま文庫 950円

意外な犯人に驚愕。叙述ミステリー。(ミュージシャン・志磨遼平さん[ドレスコーズ])

『夜歩く』横溝正史

岡山の旧家、古神家の令嬢のもとに舞い込んだ奇妙な手紙。3日後にキャバレーで画家狙撃事件が起き、首なし連続殺人へつながっていく。「子どもの頃はミステリーや推理探偵ものが大好きで、なかでもグロテスクなムードのこの作品から受けた衝撃はいまだ鮮明に覚えています。驚愕のラストをこれから味わう読者がうらやましい」角川文庫 560円

※『anan』2017年7月5日号より。写真・中島慶子 文・三浦天紗子

(by anan編集部)

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