【全部90分以内!】短くも濃密、そして怖い! 夏の最新ホラー映画5作

©︎『チルド』製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)

夏といえばホラーの季節! 今年も、しっかり怖くて個性豊かなホラー映画が続々と登場中。ここでは、90分以内で楽しめる新作を紹介。観やすい時間設定ながら濃い恐怖体験ができる、新鮮な視点から描かれた5作品をラインナップ。

Index

    88分

    コンビニに集う人たちの虚無感と狂気に震える。『チルド』

    東京の某コンビニ「エニーマート倉冨町7丁目店」の店員である堺(染谷将太)は、将来への漠然とした不安や孤独、無力感を味わいながら日々を無感動に過ごしている。新たにアルバイトに採用された小河(唐田えりか)は、秩序に執着し、厳格な規律を持って店を支配しようとするオーナー(西村まさ彦)の狂気と閉塞感に触れ、何かがおかしいと感じるように。

    1/1

    そんなある日、バックヤードで店の秩序を乱す出来事が発生。それでも何事もなかったように過ごすオーナーの姿、そして、小さな歪みから日常が崩壊していく様を目の当たりにした堺は、「秩序とは何か」「生きるとはどういうことか」という問いに向き合うことになる。岩崎裕介監督は、父親が17年前からコンビニを経営しており、「その場所が持つ独特の“異常性”をずっと間近で見てきました」「主人公の堺は、自分自身でもあります」と話す。観終わった時、いつものコンビニの見え方が変わるかも…?

    Information

    『チルド』

    7月17日(金)よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル梅田ほか全国で公開

    監督:岩崎裕介 配給:NOTHING NEW

    ©︎『チルド』製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)

    73分

    全編が犬視点。インディの演技に拍手! 『GOOD BOY/グッド・ボーイ』

    レトリバー犬のインディは、アパートで飼い主トッド(シェーン・ジェンセン)と暮らしている。体調を崩して入院したトッドは、退院後、空き家となっていた祖父(ラリー・フェセンデン)の家に移り住むことに。しかし、インディは家の中で物音を聞いたり、隅から影が漂ってくるのを感じ取るなど、さまざまな異変に気付く。そんなある日、トッドの容体が悪化。インディは原因と思しき邪悪な存在から彼を守ろうとするが…。

    1/1

    ベン・レオンバーグ監督は今作について「もしも、家が幽霊に取り憑かれていて、そのことを知っているのが、家族の飼い犬だけだったら? という問いから生まれた作品」だと語る。アメリカでは予告が公開されるとSNSで大きな話題を呼び、全米映画ランキングで2週連続トップ10入りを果たした。ちなみにインディは監督の飼い犬で、「間抜けな音を立てたり、特定のポーズを取らせたり、『幽霊屋敷』と化した家の中をおやつで誘導したりして、彼の“演技”を引き出しました」とのこと。その結果、インディは「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト映画祭)」最優秀犬演技賞をはじめ、世界の映画際でさまざまな賞を受賞している。

    Information

    『GOOD BOY/グッド・ボーイ』

    7月10日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国公開

    監督:ベン・レオンバーグ 配給:アット エンタテインメント

    © 2025 Whats Wrong With Your Dog, LLC. All Rights Reserved.

    88分

    あの人気キャラが殺人鬼に…!? 『ポパイ・ザ・スレイヤー・マン』

    大学生のデクスター(ショーン・マイケル・コンウェイ)は、夜に港をさまよい獲物を探し回る“船乗り”の都市伝説を題材に、ドキュメンタリーを制作中。その撮影と調査のため、片思い中のオリビア(エレナ・ジュリアーノ)と友人と一緒に、廃工場へ忍び込んだところ、どこからともなくパイプ煙草のような臭いが漂い始め、闇の中から伝説の船乗りが姿を現す…!

    1/1

    仲間を次々と殺されていく中、デクスターとオリビアは逃げながらも手がかりを追い、船乗りの正体に迫っていく。彼らは生きて脱出できるのか? オリビアが都市伝説に強い関心を抱いていた本当の理由とは? ここ数年、パブリックドメインとなったキャラクターたちがホラー作品の餌食となるケースが増えており、今作はご存知「ポパイ」が殺戮者として描かれている。いつもはたくましく感じる屈強な前腕も恐怖の象徴に。おなじみのホウレンソウ缶も登場です。

    Information

    『ポパイ・ザ・スレイヤー・マン』

    7月24日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほかロードショー

    監督:ロバート・マイケル・ライアン 配給:ライツキューブ

    ©︎ 2025 Sailor Man Films LLC. All rights reserved.

    89分

    不可解な証言から浮かび上がる怖い真相。『口に関するアンケート』

    心霊スポットとして知られる墓地の“呪われた木”にまつわる噂を聞いた村井翔太(板垣李光人)をはじめとする大学生グループは、肝試しをすることに。翌日、グループの一人が姿を消し、彼らの周りで奇妙な現象が起こり始める。大学生たちが語る不可解な証言から導かれる恐ろしい“あの夜”の真相とは。そして、“真相”を知った者に待ち受けているものとは?

    1/1

    「大学生×肝試し」というホラーの王道ともいえる設定ながら予想を超えた展開に。原作は、『近畿地方のある場所について』をはじめ数多くの人気作品を手がける作家・背筋の同名小説。手のひらサイズかつ、たった60ページの作品を、ジャパニーズホラー界の巨匠、清水崇監督が実写映画化した。失踪した大学生を追う刑事の草壁(中村獅童)や、週刊誌記者の西(柄本時生)など、映画のオリジナルキャラクターも登場。板垣さんの顔で魅せる演技は圧巻です。

    Information

    『口に関するアンケート』

    上映中

    監督:清水崇 配給:松竹

    © 2026 映画「口に関するアンケート」製作委員会

    90分

    家族への愛が恐怖へと変わる、呪いの映画。『遺愛』

    藤井佳奈(山下リオ)は父の死をきっかけに、母の介護を始める。献身的に向き合う彼女だったが、話しかけてもほとんど無反応、部屋を散らかし、時に噛み付いてくる母に対して次第に疲弊していく。さらに、周囲で説明のつかない異変が起こり、その原因が母に入り込んだ“ナニカ”による呪いのせいだと考えるように。それは本当に呪いなのか、それとも介護に追い詰められた心が生み出したものなのか…?

    1/1

    介護という行為が恐怖へと変容していく様を描く本作。自主制作短編『カウンセラー』やドラマ『フィクショナル』を手がけた酒井善三監督と、『イシナガキクエを探しています』をはじめとするTXQシリーズなどで知られるテレビ東京プロデューサーの大森時生がタッグを組んだことでも話題に。第55回ロッテルダム国際映画祭など、さまざまな映画祭に出品された。

    Information

    『遺愛』

    上映中

    監督:酒井善三

    配給:ライツキューブ

    ©2026「遺愛」製作委員会

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    文・重信綾

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