
今年、メジャーデビュー10周年を迎えた岡崎体育さんにインタビュー。未発表の全24曲を収録したベスト盤『盆地テクノ』、そして今後の展望について聞いた。
未発表曲だけしかない、究極のベスト盤
SNSを中心に大きな話題をさらった「MUSIC VIDEO」をはじめ、メジャーシーンに“岡崎体育”という名を轟かせたデビューアルバム『BASIN TECHNO』のリリースは2016年5月。それから10年。10周年の記念イヤーに新たに発表されたのはベストアルバムだけど全部、未発表曲!?
「インディーズ時代に発売した自主制作盤が6枚あり、その中から24曲を選びインディーズ・ベストとしてまとめました。なのでベスト盤だけど未発表の曲だけなんです」
インディーズ時代の名曲といえば「鴨川等間隔」や「エクレア」「スペツナズ」などライブでもお馴染みのファンからの人気も高い楽曲がすぐ思い出されるが、まだまだこんな隠し玉があったとは…、とアルバムを一聴するだけで驚かされる。
「古い曲だと18〜19歳の頃に作ったものも。岡崎体育と名乗る以前の楽曲も収録しています。まだTwitter(現X)のフォロワーもひと桁の頃で、奈良にあるライブハウス〈ネバーランド〉でコツコツと活動していた。当時の僕のことを知るのは、ヤバイTシャツ屋さんのこやま(たくや)くらい。ちなみに彼は僕の4人目のフォロワーです」
“京都府南部と奈良県北部の県境”と、がなり声を上げるロックナンバー「県境」は、その小さなライブハウスを“居場所”としていた時代の岡崎体育節炸裂の一曲。ほかにも“カマキリ”から“ヘラブナ”まで登場する独特のセンスとギミックが光る歌詞や、テクノからポップスまで自在に行き来するサウンドは、今の岡崎体育に通じる魅力を放つ。一品もおかずがかぶらない幕の内弁当のようにバラエティ豊かで、聴いていて次は何かと心躍る。一方、まだ荒削りな歌声は、新鮮かつ原始的な魅力のままに耳に響く。
「今回、再録などはせずリマスターをしたものをそのままお届けしています。過去の作品の青い部分そのままなので、はじめて彼氏にノーメイクの顔を見せるような、ちょっとした気恥ずかしさもある感じ。でも、この時代があったからこそ今の自分があると思うので、すっぴんの岡崎体育を知っていただく機会としていいかなと。聴き直してみて改めて、この頃は何も考えず思いついたことをそのままにやってんな…と自分のことながら驚かされます。踏み外すことを恐れない強さというのは、キャリアを重ねると逆に失ってしまいがちなので、こういう向こう見ずな勢いを今の楽曲制作にもどんどん取り入れていきたいと思いました」
10周年を迎え、目指す先にも変化が生まれてきた。
「この10年はどこを切り取っても充実しかなかった。自己肯定感はもう十分に上げ切ったので、次は周囲への感謝のターンに移行したいと思います。クサイことを言うのに照れるキャリア、年齢ではもはやない。素直にファンの方々や周囲にありがとうと伝えていきたいです」
Profile
岡崎体育
おかざきたいいく 2016年5月『BASIN TECHNO』でメジャーデビュー。音楽活動以外にも、TVタレントや俳優、CM出演などマルチに活動中。
information

『盆地テクノ』
メジャーデビュー10周年記念アルバムインディーズ・ベスト盤。「だれでもそうだよ(程度の差こそあれVer.)」「県境」「倒置法」など本人選曲の全24曲をリマスタリング。2枚組。7/3より配信、8/5にCD発売。【通常盤(2CD)】 ¥4,200(SMEレコーズ)
anan 2502号(2026年7月1日発売)より
































