鏡リュウジさん×石井ゆかりさんが語る、「私たちが占いに惹かれる理由」

共に占星術をベースとしながらも、それぞれの視点で読み解く占いが人気の鏡さんと石井ゆかりさん。実は旧知の仲という二人のスペシャル対談が実現! 占う時の心がけなど、普段は聞けない貴重なお話をたっぷりと。


Profile

鏡リュウジ

かがみ・りゅうじ 占星術研究家、翻訳家。占星術の心理学的アプローチを日本に紹介し、従来の占いのイメージを一新させたパイオニア。著書は『鏡リュウジの占星術の教科書』(原書房)シリーズなど多数。

石井ゆかり

いしい・ゆかり ライター。星占いの記事やエッセイを執筆。自身のInstagramでほぼ毎日夕方「明日の占い」を配信。著書に2010年刊行のベストセラー『12星座シリーズ』(WAVE出版)など多数。

── アンアンでも大人気のお二人の夢の顔合わせです。まずはいつ頃から占いを始められたのか、その出合いを教えてください。

 僕は、タロットから入りました。11歳の時にタロットを買ったんですけど、幼い頃に魔女が出てくる童話を読んでいたことが影響していたと思います。魔法を使う物語に占いの要素が入っていることはよくあって、『5年3組魔法組』(1976年〜放送)っていう子ども向けのテレビ番組もそうでしたし、『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年〜放送)には占星術が出てきました。

石井 私は多分『秘密戦隊ゴレンジャー』を再放送で見ていた世代なんですが、そうでしたか。占星術が出てきたのは、覚えていないですね。

 印象的だったのは、最終回で黒幕が進軍しようとするシーン。それに対して参謀のような役割の人が、「火星が蠍座に近づいたので、宮殿を出ると帝国が滅びる」みたいなことを言って止めるんです。そのやり取りが、単純にかっこいいなと思った記憶があります。

石井 それはかなり本格的ですね。スタッフの方が「ガチ」だったんですね(笑)。私が占いに興味を持ち始めたのはずっとあとで、社会人になってからでした。仕事もプライベートも、とにかく何もかもうまくいかない時があって。そういう時はやはり、占いが気になるものですね。占いの教科書のような本を買いました。

── 誰かに占ってもらうのではなく、自分で占おうと思ったんですね。

石井 「占っている」という感覚はあまりなかったんです。星占いってすごく一般的だけど、「そういえば、どうやるものなのか、知らないな」と気づいたんですね。それで本を買って、「こうすると、こんなふうに読めるんだ」という仕組みを知るのがおもしろかったというか。そのうちに雑誌などメディアで見る占いに、なんとなく違和感が出てきました。もう少し違う書き方なら、もっと当たる感じがするのでは、と。

 違う書き方とは?

石井 私は蟹座なのですが、蟹座は一般的に「母性が強い」「家庭的」などと書かれることが多いですよね。でも、いろいろ本を読んでみて、実際の蟹座の人たちや自分の生き方を振り返ると、「母性」という言葉が本当は何を意味しているのか、わかった気がしたんです。親しんでいるものを守りたいとか、外敵を恐れるという気持ち、固い甲羅の中に何かを守る、という性質が、実は蟹座的なものなのではないかと。つまり、家事が好きなのではなく、知らないものでいっぱいの「外」に出るのが苦手なんですね。慣れた場所を愛している。安心だからです(笑)。

 やっぱり根本的な“読み”が大事なんですよね。それによって占いに違いが出てくる。昔の占星術の教科書にはそういう解釈があまりなくて、例えば蟹座は冷たくて湿った星座なので、それが物理的に説明されているだけ。キャラクターの象徴的な意味合いが薄いんですよね。

石井 確かに、伝統的な占星術では、星座のことはあまり語られていませんね。ハウスの意味と星座を重ねたあたりから、星座の解釈が膨らんできたのでしょうか。

 そうですね。19世紀末くらいに近代占星術の父といわれるアラン・レオに代表されるような人たちが、星座のことをいろいろとキャラクターづけしてくれたんです。それは占星術が今に至るうえでの、大きな貢献だったと思います。

決めつけや脅しは回避。解釈の余地を残したい

── 占う人により、星座のキャラクターなど解釈が異なるとのことですが、お二人は占いを言語化する時に、どんなことを意識していますか?

石井 占いが気になる時って、自分が何か間違っていて、そこから良くないことが起こっているのでは、と思いやすい気がするんです。そういう繊細な気持ちに、敏感でありたいという思いがあります。雑にしたくないというか。そもそも占いには、権威的な面があると思うんです。自分では軽く言ったつもりでも、相手を傷つけてしまうことがある。

 僕も、脅すようなことを書かないようにしています。おそらく石井さんも経験があると思いますが、昔は雑誌などメディアで占いの記事を書く時に、運勢がいいか悪いかをはっきり書いてくださいと言われることが多かったんですよね。例えば、「このタイミングで恋人ができます」といった感じに。でも僕は、なるべくそういう書き方をしないようにしてきました。表現を膨らませる方向性を取ってきたというか。読む人それぞれに解釈ができるように、余地を残しておきたいんです。

── ちなみに、お互いの占いについて、どんな印象を持っていますか?

石井 鏡さんの占いは、なんというか、知的でかっこいい女性が読んでいる姿が思い浮かびます。おしゃれでパワフルな読者のイメージが浮かぶんですね。

 えー、嬉しいです!

石井 あと、さらっと気軽に読もうと思えばそう読めるんですが、深く考えたい人には、ちゃんと深い考えのヒントが隠されているんですね。読む人のスタンスで、気軽にも読めるし、深くも読める。重層的な占いだなと感じています。

 ありがとうございます。石井さんといえば、その出現が占い界においてすごくエポックメイキングだったというか。石井さんの占いは、人間観察の豊かさはもとより、それ以上に、星座が持つ核となるイメージみたいなものを原理的に掴もうとされていて、そこから繰り出される表現が唯一無二。決まりきった言葉ではなく、奥底から汲み出されているからこそ、心に響くのだと思います。

石井 そんなふうに言っていただけるなんて、光栄です。

── 今回、鏡さんに自分で自分を占う方法を教えてもらうコーナーもあります。それができると、どんないいことがありそうでしょうか?

石井 誰にも言えないようなことをホロスコープの上で見つけることになると思いますよ(笑)。

── えー!?

石井 例えば、個人占いに行っても、占い師に言えないことってあると思うんです。誰にも打ち明けられないことがある。でも、自分で占うと、それがホロスコープの上に見つかります。「これだ!」とわかる(笑)。

 伏線回収ができるんですよね。

他力本願は通用しない。後半は、意思表示が必須

── 2026年も後半となりました。どんな運勢になりそうなのかも気になります。

石井 後半は、火と風の星座が勢いを増します。戦いの象徴である火と、情報やプロパガンダを司る風が、互いに煽り合う、といった、ちょっと不安なイメージも浮かびます。

 その懸念もありますが、パンデミックを予言したといわれるフランスのアンドレ・バルボーという占星家は、ここから数年は21世紀で一番いい期間になると言っていますよ。

石井 ぜひとも、そうなってほしいなと思いますね。王様の星座・獅子座に木星が入り、対岸に冥王星がいますから、リーダーシップの大きな変化も考えられます。

 後半のトピックといえば、やはり拡大と発展の惑星・木星が6月30日に蟹座から獅子座に移動したことですよね。それまでの蟹座の時期は家の中で落ち着いていた感じでしたが、獅子座になると一気に外向的に。アーティストが力を持ってさまざまな発信をするなど、閉塞感を打破する兆しがありそうです。木星が獅子座に入るのは、12年に一度の周期。前回の2014年は『アナと雪の女王』が日本で公開、その前の2002年はSMAPの「世界に一つだけの花」が大ヒットしました。今回も自分自身の肯定がキーワードになるかもしれませんね。

── 後半をよりよく過ごすために、個人で意識するといいことは?

石井 獅子座はプレゼンテーションの星座なので、意思表示することが大切だと思います。世の中が不安定だと、どうしても身をすくめ、縮こまりたくなりますが、この時期は黙っているより、自分から声を出し、前に出るほうが、星の雰囲気には合っている気がします。

 だから、“本当のプライド”を持ってほしい感じはしますね。自分が「これが正しい」と思うことに忠実に行動すること。

石井 そうですね。あと、やはり辛いニュースが多い時代なので、心を痛めている方が多いと思います。ニュースに心を呑み込まれる感じもあると思うんですが、あえて「自分自身の生活」を守ることも、とても大事だと思います。正しいと思えることを自分なりにやったら、あとは自分の人生を楽しむことを忘れないようにしたいですね。

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イラスト・二階堂ちはる 取材、文・保手濱奈美

anan 2502号(2026年7月1日発売)より
Check!

No.2502掲載

2026年後半、あなたの恋と運命

2026年07月01日発売

弊誌恒例の占い特集の最新版。新たな時代が更に加速していく、2026年後半の行方を人気占い師たちが導きます。G・ダビデ研究所、星ひとみ、鏡リュウジ、淡の間、ゆうたろう、フェイ、AZなど 超豪華な占い師が勢ぞろい!

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