骨盤の歪みを整えれば、慢性的な不調が改善。
女性特有の不調の大きな原因の一つは、「骨盤の歪みにある」と自力整体師の矢上真理恵さん。
「整体の世界では、女性の骨盤は生理周期と連動して開閉すると考えられています。排卵日から生理にかけて仙腸関節という関節を軸に左右に開き、生理が終わると次の排卵日に向かって閉じていく。ところが、骨盤が左右どちらかに傾くなど歪んでいると、仙腸関節の動きが鈍くなり、PMSや生理痛の症状があらわれてしまう。これらの改善には、骨盤の歪みを整えることが大切です」
そこで実践したいのが、矢上さんが提唱する“自力整体”。
「自重でツボを押したり、体を左右にゆすったりしながら骨盤の歪みを整えるのが特徴です。プロの整体技法を自宅でそのまま再現できます。もちろんプロに治してもらうのもいいのですが、しばらくすると猫背など姿勢のクセや生活習慣で、再び歪んでしまいがち。それなら自分でできたほうが、こまめに歪みを整えられるので、根本治癒に繋がります」
「手首ほぐし」で自律神経を整えリラックス!
日々のストレスなどで、手には無意識のうちに力が入りがち。それが全身に伝わり、体がこわばる一因に。手首をほぐせば、腕や肩、胸の緊張も緩み、自律神経が整い、体もリラックスできます。
・なんで「手首」からほぐしていくの?
手首は体のこわばりをほぐすうえでのカギとなる部位。生理痛などお悩み別のワークは、筋肉が緊張状態だとその効果が得られないため、最初に手首ほぐしで体の力を抜くことが大事なんです。
1、両手の甲を床につけ、手首に軽く体重をかける(3~4呼吸)
床に正座したら上体を少し前に倒し、手の甲を床につけて膝の横に置く。軽く体重を手首にかけ、手首が床から浮かないようにぴったりつけたら、上体を前後左右にゆする。手首のこわばりがほぐれていくのを感じよう。
2、四つんばいになり、左手は手の平を、右手は甲を床につける
四つんばいの姿勢で手首をさらに緩める動き。肩の下に両手をつき、右手のみ手の甲を床につけて、右手首に軽く体重をかける。上体は床と平行に、腰が反らないように要注意。首の力を抜き、頭を下げてリラックス。
・POINT!
伸ばすほうの右手は、手の甲を床につける。左手でバランスをとろう。
3、右手を左膝のほうへゆっくりスライドさせる
左手で体を支えながら、右手を左膝のほうにスライドさせる。これは手首の近くにある「内関」という、脳をリラックスさせるツボを膝で刺激するため。手首から肘の緊張をほぐす効果もあり。
4、左膝で右手首の内側を踏む(3~4呼吸リラックス)
左肘を曲げて床につき、右手の甲を床につけたまま左膝の下に置く。「POINT!」の内関のツボの位置を参照し、息を吐きながらジワジワ体重をかけていく。頭は床についてOK。首の力を抜こう。
・POINT!
内関のツボは、手首線から5cmほど、指でいうと3本分の位置にある。
5、両手を伸ばし、お尻をかかとにつけて休む
両手の甲を床につけて前方にスライド。お尻は、かかとから離れないように。その状態で、手の平をはじめ全身の力を抜いてしばらく休憩。3~4回ほど深呼吸をしたら、1に戻って反対も同様に行う。
矢上真理恵さん 自力整体師。「矢上予防医学研究所」ディレクター。父親の矢上裕さんが考案した自力整体を学び、伝える立場に。著書に『すぐできる自力整体』(ダイヤモンド社)など。
※『anan』2024年10月16日号より。写真・中島慶子 ヘア&メイク・福寿瑠美(PEACE MONKEY) 取材、文・保手濱奈美
(by anan編集部)