理学療法士の土屋元明さんが、腰痛&お尻の痛みを解消する“筋膜ほぐし”を教えてくれました。
筋膜ほぐし、主な3つの手の動き。
1、さすりほぐし
手のひら全体を皮膚に軽く押し付けながら上下や左右に滑らせて、ひっかかりがあるところを小刻みに揺らす。主に浅いところにある筋膜を動かすのに効果的。
2、つまみほぐし
皮下脂肪をつまんで、深いところにある筋膜をほぐす場合に有効。指先を使うと刺激が強すぎるので、指の第二関節のあたりで皮膚をやさしく挟む。
3、スキンロール
小指以外の4本の指で、皮膚をたぐり寄せるようにしながら進む。親指は皮膚から離さないようにして、進行方向へと滑らせるように動かすのがコツ。皮膚が厚い場所や、広い範囲に痛みやコリがある時に。
【POINT】ゴム手袋でほぐすのが効果的!
筋膜ほぐしを行う上でぜひおすすめしたいのが、園芸用や作業用の手袋の利用。ザラザラした表面が肌にぴったりと密着して、ほぐし効果を格段にアップ。ドラッグストアやコンビニなどで、数百円で購入できる。
【お悩み別筋膜ほぐし】腰痛&お尻の痛み
前かがみで座る姿勢は、骨盤まわりの筋肉にも影響大。
「腸腰筋などが縮んで硬くなり、筋膜の滑らかさが失われてコリや痛みに。全体をさすって表面の筋膜をほぐし、つまみほぐしで深部の筋膜をゆるめます。腰の関節を押さえて体を動かすケアや、お尻ほぐしも有効」
写真では服の上からだけれど、直に肌をさするのが◎。
腰全体の筋膜ほぐし
ぽかぽかと温まるまで、まんべんなく。
1、両手のひらを腰に密着させ、皮膚をやさしく動かすようにして小刻みに上下にさする。10往復行う。
2、同様にして左右にもさする。こちらも10往復。
ウエストつまみ
続けてスキンロールを行うとより効果的。
1、腰の、痛みのある部分を親指と人差し指で挟むようにつまみ、30秒ほどやさしく揺らす。横につまめない場合は縦でもよい。
2、つまんだまま、上体を前後左右に倒す。とくに痛みを感じる動きがあればウエストをつまんだまま、痛みが和らいでくるまでその動きを繰り返す。
関節ロック
ピンポイントな痛みにとくにおすすめ。
1、痛みのある部分の3cmくらい下に中指を押し当てて皮膚を持ち上げ、痛みのあるところで指が止まるようにする。
2、痛いところを動かさないようにしながら、上体を前後左右に倒す。とくに痛みを感じる動きがあれば、関節をロックしたまま、痛みが和らいでくるまでその動きを繰り返す。
お尻つまみ
座りっぱなしで固まったお尻をほぐす。
1、お尻の、痛みがあるところをつまみ、30秒ほどやさしく揺らす。
2、つまんだまま、上体を前後左右に倒す。とくに痛みを感じる動きがあればお尻をつまんだまま、痛みが和らいでくるまでその動きを繰り返す。
土屋元明(げんめい)さん 理学療法士。代表をつとめる施術院『動きのこだわりテーション』でリハビリを行い、多くの悩みをケアする。『不調と痛みが消える! 10秒筋膜ほぐし』(主婦の友社)など著書多数。
ブラトップ¥10,450 リブレギンス¥14,300(共にジュリエ ヨガ アンド リラックス TEL:03・5720・8256)
※『anan』2023年9月20日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・浜田あゆみ モデル・橘 季希 取材、文・新田草子
(by anan編集部)