他の部位はそうでもないのに、お腹だけぽっこり。ダイエットをしてもくびれが出てこない…。その原因は“筋膜の引きつれ”である可能性が大きいと指摘するのは、心と体のコンディショニングトレーナー・みっこさん。
「筋膜とは、筋肉と脂肪の間にある薄い膜のこと。鶏肉でいうなら、鶏皮と鶏肉の間の薄い膜です。姿勢の乱れや生活習慣のクセによって血液やリンパの流れが滞り水分不足になると、この筋膜がよれて固まり、周囲の筋肉の動きが悪化して、そこに脂肪がどんどんついてしまうのです」
みっこさん考案の筋膜にアプローチする“つまぷる”は、脂肪を“つま”んで“ぷるぷる”とゆらして、筋膜の引きつれをはがし、お腹をのばして、筋肉をスムーズに動かせるようにするメソッド。筋肉がスムーズに動くようになると美しい姿勢がキープできるようになり、その姿勢で日常生活を送れば、激しい運動をせずともお腹がへこんでいくというメカニズム。そのステップはたったの3つ!
「1つ目は“つまむ”。脂肪の奥へ優しく指を入れて、これ以上は進めないという硬い層に行き当たったところでつまむのがポイントです。かまぼこを傷つけず板からはがすイメージで、できるだけたくさんの脂肪をつまみましょう。2つ目の“ゆらす”で、脂肪の根っこからゆらして筋膜に刺激を与え、3つ目の“のばす”で、骨盤と肋骨の間隔を広げれば、自然にお腹はへこみます。動作自体は簡単ですが、なかなか最初から正しくはできません。マスターするまでは、お腹が出る服装で鏡を見ながら行ってください」
目覚めさせたい筋肉は“腹横筋”!
4つの筋肉からなる腹筋群の中で、最も奥にあるのが腹横筋。お腹をキュッと締めつけることから別名“コルセット筋”とも。つまぷるによって脂肪の奥で眠っている腹横筋が目覚め、動くようになると美しい姿勢を保てるようになり、運動量もアップ。
つまぷるの基本は3ステップ
つまぷるで行うのは、脂肪をつまんで、ゆらして、のばす、の3つだけ。鏡でチェックしながら、一つひとつの動きを丁寧に。強くやりすぎないように注意して。
STEP1:【つまむ】脂肪をつまむ
お腹の表面でなく脂肪を分厚く集めてつまむ!
脂肪の根元からお肉を集めて、たっぷりつまむ。脂肪をギュッと“潰す”のではなく、大福の皮からあんがはみ出ないくらいの力加減で、むにっとつまむだけ。
STEP2:【ゆらす】脂肪をゆらす
STEP1でつまんだ脂肪を離さずに、ぷるぷるゆらす。手首だけでギュッギュッと動かすのではなく、腕ごと上下に大きくゆらすと、筋膜がしっかりと刺激される。
STEP3:【のばす】脂肪をつまんだまま、お腹をのばす
助骨と骨盤を離すように体をのばして。
脂肪をつまんだまま体を引き上げ、お腹をのばし、骨盤と肋骨を離す。お腹をのばしたらつまんだ脂肪は外れてOK。指はお腹の表面を下方向にすべらせて。
お腹のつまみ方はお好みで!
指を曲げて/横から/前から
これはNG!
お腹をのばしているつもりで、上体を倒しているだけだったり、あごを上げているだけだったりということも。あごが上がり、のびが悪いと思ったら、あごにタオルを挟んでみるのも手。
下っ腹が気になる…【下腹はがし】
姿勢の歪みなどで垂れ下がった内臓まわりにビッタリついてしまった脂肪がターゲット!
【つまむ】左の下腹の脂肪をつまむ
左足を1歩後ろに引き、先ほどの基本のSTEP1のやり方で、左の下腹の脂肪をつまむ。上体を丸めるとつまみやすい。
【ゆらす】ぷるぷるゆらす
おへそより左側でつまむ場所を変えながら、1分間、ゆらし続ける。
【のばす】脂肪をつまみ、そのまま押し上げながら、体を引き上げる
左足のかかとを上げて、骨盤と肋骨の距離を離すようにお腹をのばし、指を上方向にすべらせる。1分間繰り返したら右側も同様に。
寝ながらやってもOK!
仰向けで両膝を立て、脂肪をつまむ。クッションなどで頭を高くするとつまみやすい。お腹をのばすときは、同じ側の脚も一緒にのばしながら指を上にすべらせる。
みっこさん 40代からの動けるからだクラブ主宰。パーソナルトレーナーや整体師での経験をもとに、「つまぷる」を考案。著書に『つまぷるで腹ペタ!』(Gakken)など。YouTube「40代からの動ける体チャンネル」も好評。
※『anan』2023年6月28日号より。写真・中島慶子 ヘア&メイク・高松由佳 取材、文・小泉咲子 構成・菅野知子
(by anan編集部)