血流を促す筋肉を鍛え免疫細胞を巡らせる。
運動が苦手な人や忙しい人でも、1分間で効率よく免疫力を上げられるよう、整形外科医の陣彦善先生が考案したのが、免疫エクササイズ。
「免疫力を支えている大きな要素が筋肉と血流。運動不足だと筋肉が収縮して血液を巡らせるポンプ作用がうまく機能しなくなり、血流が悪くなってしまいます。するとリンパ液の流れも悪くなり、免疫細胞が全身の隅々まで行き渡らなくなってしまうのです」
特に鍛えるべきは、太もも、背中、足裏の筋肉。
「太ももの大腿四頭筋は全身の中でもっとも大きな筋肉なので、鍛えると効率的に筋肉量を増やすことができます。また、背中を鍛えると姿勢が改善し、深い呼吸ができるようになるため、血液循環が良くなります。足裏は、バランスをとったり、衝撃を受け止める役割があるので、エクササイズをスムーズにするためにも鍛えておきたい筋肉の一つです」
4つの動きで構成された免疫エクササイズは、1日に10回×2セットでOK。
「正しいフォームで行うことが大切なので、うまくできなければ、最初は上半身と下半身の動作を分けて行うとよいでしょう。細切れでいいので毎日続けて」
免疫エクササイズ
たった1分間で、免疫力をアップするための筋肉を鍛えることができるエクササイズ。日課にすることで、血行が良くなり、冷えにくい体に。さらに、姿勢が良く、呼吸も深くなるので、疲れにくくなるメリットも。
STEP1 正しい姿勢で立ち両手をまっすぐに上げる。
両腕をまっすぐに上げることによって重心が上がり、体を支えるためにお腹の筋肉にスイッチが入る。あごは軽く引き、お尻はキュッと締めることを心がけて。
・手のひらは向かい合わせに。
・腕が耳につかなくてもOK。
・足は肩幅に開く。
STEP2 息を吸いながら2秒かけてゆっくりと腰を下ろす。
スクワットの動きで、お尻、太もも、ふくらはぎの筋肉を鍛える。膝を曲げるというよりも、椅子に座る感じで股関節から曲げて。膝がつま先より前に出ないよう注意。
・呼吸を忘れずに。
・股関節から脚を曲げる。
・膝がつま先よりも前に出ないように。
STEP3 左右の肘を90度に曲げて肩甲骨を寄せる。
肘を90度に曲げることによって、肩甲骨を背中の中央に寄せる。広背筋が鍛えられ、巻き肩の改善にも。腰を反らさないよう、背中をフラットに保ちながら行って。
・手のひらは前向きに。
・肩をすくめない。
STEP4 息を吐きながら2秒かけてゆっくりと元の姿勢に戻る。
再び両腕を上げ、お腹の筋肉にスイッチをオン。背中まわりの脊柱起立筋を刺激することで、正しい姿勢を保ちやすくなる。長く息を吐くことで、副交感神経も優位に。
・手のひらを向かい合わせにしていく。
・お腹をへこませる。
陣 彦善先生 有栖川整形外科院長、整形外科専門医、スポーツ専門医、統合医療認定医。著書は『医師が教える!1分免疫エクササイズ』(世界文化社)。
※『anan』2023年3月29日号より。イラスト・岡田 丈 取材、文・古屋美枝
(by anan編集部)