「深い呼吸を妨げる、鎖骨、肩甲骨、肋骨に関わる筋肉のこわばりをほぐしてから“美胸呼吸”を行います。血流を改善し、姿勢も整うので、質感だけでなく、上向きのバストに変わってくるでしょう」(呼吸ヨガ[R]スペシャリスト・平賀きょう子さん)
正しい座り方で行おう!
今回のエクササイズは全て座ったままで行うもの。正しい姿勢で行わないと効果が出にくいので注意して。
OK
両足を少し開いて椅子に座り、腰を揺らして体の緊張を解く。腰を反らしたり、丸めたりした後、坐骨が楽に真っすぐ立つ、正しいポジションからスタート。
NG
一見姿勢の良い反り腰、背中を丸めた姿勢はどちらも呼吸が浅くなる。
STEP1:鎖骨ほぐし
鎖骨をほぐすと、上半身が緩んでくる。
前かがみの姿勢などが原因で、肩が内巻きになり鎖骨周辺の筋肉はこわばってしまう。バストの土台・大胸筋や、背中の大きな筋肉・僧帽筋、腕の上部の三角筋が鎖骨に繋がっているので、鎖骨をほぐせば、肩や胸の上部の緊張がほどけていく。
右手人差し指と中指で左鎖骨の一番内側の下を押さえる。息を吸い、吐きながらゆっくり左肘を下から上に(内回し方向)。肘が体の前にくる時に一番指が深く入る。肘を元に戻す時に息を吸う。指は鎖骨下を押さえたまま。5回繰り返す。指の位置を少し外側にずらし、同じ動きを5回ずつ4か所繰り返す。反対側も同様に。
POINT:指で押さえるポイントは、鎖骨の骨の下に沿わせて4か所。イタ気持ちいいくらいの強さで押して。
STEP2:肩甲骨ほぐし
背中が柔軟になれば胸は大きく開く。
肩甲骨に関わる筋肉がうまく使えないと、肩こりを招き、深い呼吸ができなくなる。動きが悪くなった硬い筋肉は、マッサージするより肩甲骨を中央に寄せる動きをする方が効果的にほぐれる。深部の筋肉まで刺激でき、胸が開きやすくなる。
後ろ手に組み、息を吸い、吐きながら両肘をできるだけ近づくように寄せ、そのままグッと両手を下げる。あごは引き、胸中央上部(胸腺があるあたり)を上に向けるように。手が組めなければ肘を寄せることを意識して行おう。息を吐ききったら力を抜いて息を吸う。5回繰り返す。
POINT:肩甲骨を寄せようとするより、両肘を引き寄せるイメージで行うと、自然と肩甲骨同士が近づく。
STEP3:肋骨ほぐし
ターゲットは、肋骨の間の筋肉。
胸の土台となる大胸筋を支える肋骨の間には肋間筋があり、バストを左右から支えている。肋間筋は横隔膜とともに呼吸筋と呼ばれ、ここがこわばっていると、胸郭を大きく広げた深い呼吸ができなくなる。しっかりほぐし柔らかさを取り戻そう。
右手を頭にのせ、上半身を少し左に傾ける。右胸の下あたり(POINT1)からスタート。肋骨の骨と骨の間に左手の指が入るようにして筋肉をほぐす。呼吸は楽にゆったりと続ける。10秒ほどほぐしたら次のポイントに。肋骨の前、横、後ろの3か所を10秒ずつ。反対側も同様に。
POINT:肋骨の間に指を入れ、肌を捉えたまま小刻みに揺らすイメージ。痛いところは念入りに。(1)胸の下あたり、(2)脇、(3)後ろとポイントは3か所。手が届くなら、(3)のさらに背中側をほぐしてもいい。
STEP4:美胸呼吸
普段より大きく胸まわりを使って呼吸。
鎖骨、肩甲骨、肋骨をほぐしたら、胸まわりの筋肉をフルに使う深い呼吸、“美胸呼吸”の準備はOK。呼吸は酸素と二酸化炭素の交換だけでなく、筋肉を満遍なく使う運動なんだと実感するはず。胸全体に酸素と栄養を行き渡らせよう。
坐骨が楽に立つ正しい姿勢から、息をゆっくり吐きながら、尾骨の先を内側に巻き込むように背中を丸める。後傾した骨盤の上に頭がくる。6秒かけて吐ききったら、そのまま3秒キープ。続いて息を吸いながらゆっくり上体を伸ばし、6秒かけて尾骨を後ろに押し出す。胸を若干上に向け、前傾した骨盤の上にちょうど頭がくるようにする。吸いきった状態で3秒キープ。この動きを5回繰り返す。尾骨を巻き込む時は床についた両足を踏ん張って前に押し、尾骨を後ろに押し出す時は床を足で引くイメージで行うとやりやすい。慣れてきたら呼吸の時間を延ばそう。
POINT:背骨を支える、骨盤の中央の三角形の骨・仙骨。今回は、その下にある尻尾のような尾骨を意識。
平賀きょう子さん 呼吸ヨガ(R)スペシャリスト。一般社団法人ユース・レジリエンス研究所代表。動画レッスンも開催。kyoko-yoga.com/
ブラトップ¥3,600 レギンス¥12,000(共に スリア/インターテック TEL:050・3821・2940)
※『anan』2020年9月16日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・仮屋薗寛子 ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ) モデル・メイ・パクディ 取材、文・板倉ミキコ
(by anan編集部)