岡崎体育、ほぼ初めての“お蔵入り”に「しばらく置いておくといい味が出るかも」

2024.4.6
岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「お蔵入り」です。
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2週連続で告知をさせてください。3月27日にEP『Suplex』を配信リリースしました。

熱心な岡崎体育ファンはご存じかと思いますが、僕はアルバムに1曲か2曲“捨て曲”を入れます。よくCD屋さんのポップなどで「捨て曲ナシ!」などと書かれていることがありますが、僕は自ら「捨て曲はアリ」としています。サクッとできた、いい意味で気の抜けた曲が“捨て曲”。今回だと「宇宙と長野」がそれです。メロディラインも5分ほどでできたくらい、妙に肌なじみのいい曲です。キーも自分に合っているのでとても歌いやすい。あまりにスルッと生まれて、サクッと収録も決められたのでまさに“捨て曲”です。一方で、レコーディングもしたのに収録をせず、考えに考えた末にお蔵入りさせてしまった楽曲もありました。

実は、こういうふうに曲を“お蔵入り”させることは岡崎体育としてはほぼ初めてのことです。岡崎体育はソロアーティストではありますが、レコーディングに辿り着くまでにはたくさんの方に協力していただき、みなさんにいろいろな仕事をご担当いただいて一曲を仕上げます。そのほぼ終わりまで近づいた曲をお蔵入りにするのは、ちょっと悩ましいものがありました。レコーディングをしているスタジオだって、予約をしてわざわざレンタルしているのに……とか、もったいないことをしたくない性格ゆえ、そういう余計なことまで考えてしまいました。それでも、「今リリースするタイミングではないかも」とスタッフと話し合って何曲かを蔵に入れました。いや、蔵といえるほど大層なところにしまい込んでいる感覚もありません。ちょっとだけ外に干しておいてみよう、一回あえて寝かせてみよう、くらいの感覚です。しばらく置いておくといい味が出るかもしれません。なので、もう少ししたら違った形でみなさんにお届けできると思っています。スタッフにも、「レコーディングしたけどお蔵入りにすることなんて、普通によくあることだよ」と励まされました。

僕が大好きなロックバンド、リンキン・パークもそういえばそうだったと思い出しました。2003年発売の名アルバム『メテオラ』でお蔵入りしていた未発表曲を、昨年アルバム発売20周年を記念してリリースされた特別盤に、突如収録してファンを驚かせた。そういうサプライズにもなるかもしれないので大事に置いておきたいと思います。

おかざきたいいく 自身初となるEP『Suplex』(SMEレコーズ)を引っ提げてのZeppワンマンツアーが、4/14横浜からスタート。4/21札幌、4/27名古屋、4/29福岡、5/12大阪(ベイサイド)、6/2東京(ダイバーシティ)の全国6か所で開催。

※『anan』2024年4月10日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND) 文・梅原加奈

(by anan編集部)