三浦宏規「オチとしては最高じゃない?」 『キングダム』で高野洸とW主演

2023.2.13
群雄割拠した紀元前の中国・春秋戦国時代を舞台に、孤児から強い信念と戦いの才で身を起こし大将軍を目指す信(しん)と、秦国の若き王・嬴政(えいせい)。このふたりの青年を軸に描いた大ヒット漫画『キングダム』。初の舞台化で主人公・信を演じるのは、数々の舞台でフィジカルの高さを発揮してきた、三浦宏規さんと高野洸さん。支え合い競い合い、広大な戦場を駆け抜ける――。
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――’17年からミュージカル『刀剣乱舞』(以下、刀ミュ)で、髭切と膝丸の兄弟刀を演じてきたおふたりが、今回、帝国劇場という場所で、舞台『キングダム』という大作の主人公をWキャストで演じることに不思議な縁を感じます。

三浦宏規:洸が信をやるって知ったとき、ここでキタか~と思いました。なんなら共演って刀ミュだけで、今度いつ一緒にやれるんだろうって思ってたから、それがまさかの帝国劇場で、舞台『キングダム』の信役をWキャストでやるなんて、とんでもないオチ(笑)。でも、オチとしては最高じゃない?

高野洸:そうだね。ここ数年、お互い活躍の場が違ってきてたから…。

三浦:出演が発表されて、結構いろんな人から連絡もらいましたし。

――Wキャストというのは、演じられる側はどういう感覚ですか?

三浦:僕はすでに他の作品で経験してるんですけれど、作品によって稽古の仕方も全然違うんです。今回はふたりのシーンが多いんで、基本的に稽古も4人一緒でやることが多くて。組み合わせはその日ごとに違うんですけど、ひとつのシーンを4人で作ってる感覚です。

高野:僕は今回が初めてなんですが、皆さんが意見を出しやすい環境を作ってくださるから、いい雰囲気で稽古できてると思ってて…。

三浦:もちろん意識する部分もありますけど、歳が比較的近いのもあるし、もともとみんな知ってる仲間で…。何より、1人で役を作るより2人で作った方がより良いものを目指せると思うから、いい関係性が築けてるんじゃないかな。

高野:ただ、初めてだから稽古初日は不思議な感覚でした。…なんかテンパってたし(苦笑)。でも宏規が堂々とやってるのを見て…。

三浦:全然堂々とやれてないよ。

高野:やってたって!

三浦:堂々としようとしてるだけだって。洸の方こそ、全然テンパってるように見えなかったけど?

高野:Wキャストってどうやって稽古を進めていくのか何もわからなかったから…。

三浦:初日は…殺陣か。あの日はみんなテンパってたから! 芝居の稽古が始まる前に、2週間ぐらい殺陣とパルクールのワークショップをみんなで受けて。芝居稽古は、シーンの頭からお芝居も殺陣も全部を一緒に作ってる感じで。

高野:稽古の進め方も独特だよね。このシーンを稽古しますってなったら、まず舞台セットでビジュアルイメージを共有して、そこから出演する人全員で脚本の読み合わせをして、芝居のニュアンスを確認してから立ち稽古に入るっていう。あれは、演出の山田(和也)さんの稽古スタイルなのかな?

三浦:だと思う。俺も今回初めてのやり方なんだよね。立ち稽古でも、まずはどのタイミングでどこにどう動くかっていうのを確認して。そこから時間があれば、お互いの組で1回ずつ稽古するっていう感じで進めてるんだけど…。あれは1日に何回もできないよね。

高野:うん。信の立場からすると、冒頭から重たいシーンが続くから…。めちゃくちゃ動き回るし、叫んで、怒って、悲しんで、心も激しく動くから忙しい。序盤でこんだけ疲れてて、本当に最後まで走り抜けられるのか不安だよ(笑)。ただ、戦場で生き抜くことや大将軍を目指すことの難しさとか、果てしなさは実感してるかな。

――三浦さんはバレエ、高野さんはヒップホップの素養があり、身体能力の高さは証明済み。熱い想いと己の腕一本でのし上がる信を演じるのが楽しみです。お互いの稽古を見ていかがですか?

高野:100点だし、マジで器用。普通、説明されても一発でできないようなこともすぐにできちゃうんで、すごいなって思ってます。

三浦:大汗かいてるけどね(笑)。でも、お互いに正面から相手の芝居を見るのって変な感じだよね? 洸の稽古を見てるとき、なんか自分がえい政役になった感覚がある。

高野:俺も、自分の役を自分が見てる感じがして、すごく変な感じ。

三浦:洸の信はさ、もう何してても信に見える。

高野:嘘だ。取材だからって…。

三浦:ホントだって。まきちゃん※とも「信すぎない?」って話してたんだから。髪型がちょっと似てるのもあるけど、衣装をつけたら『キングダム』の信だなってわかるくらい。

高野:嬉しいな。あんまり自信がなかったから。

※牧島輝(ひかる)さんの愛称

(写真下)みうら・ひろき 1999年3月24日生まれ、三重県出身。幼い頃から数々のバレエコンクールで入賞し、2015年より俳優として活動スタート。近年は、ミュージカル『レ・ミゼラブル』マリウス役や舞台『千と千尋の神隠し』ハク役で活躍。
テーラードジャケット¥82,500(シーク ヤボーティー/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575) ツイードニットカーディガン¥48,400(ディスカバード TEL:03・3463・3082) シアートップス¥17,600(08サーカス/08ブック TEL:03・5329・0801) パンツ¥31,900(サノバチーズ/サノバチーズショップ TEL:03・6427・1986) リング¥18,700(IVXLCDM/IVXLCDM 六本木ヒルズ TEL:03・6455・5965) シューズ¥52,400(セサ フットウェアー/ノウ ショールーム hello@ontheparkstreet.com)

(写真上)たかの・あきら 1997年7月22日生まれ、福岡県出身。ダンスの才能を認められDream5のメンバーとして活躍後、ミュージカル『刀剣乱舞』や舞台『ヒプノシスマイク』などに出演し注目される。2019年よりアーティスト活動スタート。
テーラードジャケット¥79,200(ダイエットブッチャー) フレアパンツ¥29,200(アタッチメント) ブレスレット¥30,800 リング¥50,600(共にセブン バイ セブン × バウゴ ヘイアン) シューズ¥26,400(アポクリファ)以上サカス ピーアール TEL:03・6447・2762 ニットベスト¥37,400 シアートップス¥17,600(共に08サーカス/08ブック)

舞台『キングダム』 2月27日(月)まで帝国劇場、以降、3月に梅田芸術劇場メインホール、4月に博多座、5月に札幌文化芸術劇場 hitaruにて上演。原作・原泰久(集英社『週刊ヤングジャンプ』連載) 脚本・藤沢文翁 演出・山田和也 音楽・KOHTA YAMAMOTO 出演・三浦宏規/高野洸、小関裕太/牧島輝、川島海荷/華優希、梅澤美波(乃木坂46)/美弥るりか、有澤樟太郎/梶裕貴、鈴木大河(IMPACTors/ジャニーズJr.)/神里優希、早乙女友貴、元木聖也、朴璐美/石川由依、小西遼生、山口祐一郎ほか 東宝テレザーブ TEL:03・3201・7777

※『anan』2023年2月15日号より。写真・MARCO スタイリスト・井田信之 ヘア&メイク・瓜本美鈴(三浦さん) 佐々木まりこ(高野さん) インタビュー、文・望月リサ 撮影協力・EASE

(by anan編集部)