「10代~20代前半は、そばにいるメンバーや、どんどん売れていく友達とかを見ては誰かと比べる人生で、ネガティブな自分が大嫌いでした。周りには『AAAとして十分成功している』と思われがちでしたけど、どうしたら思考を変えられるのか、ずっと戦っていたんです。ネガティブな自分のままで死ぬのは、嫌だったんですよね。それで、僕の場合は若い頃から芸能界にいて、日本で自分らしくいるのが難しかったので、LAに移住することにしました。日本を出て『僕って何てちっぽけなんだろう』と逆に自己肯定感が下がったこともあったんですが、諦めずいろんな業種の人たちと出会う努力をしました。さまざまな意見に出合うことで、ネガティブからポジティブになれ、生きるのが、本当にラクになりました」
それでも、ネガティブな自分に戻ることもあるという。
「24時間ポジティブでいられる人なんて絶対にいないですよ。でも、ネガティブなことが絶対悪と思わないことが大事です。その上で、人間は忘れる生き物なので、メンタルにもトレーニングが必要。読書や運動とか、なりたい自分に近づくための手段を持つようにするといいと思います。ジャーナリングもいいですよ。夜、その日のイライラとか愚痴を書くじゃないですか。翌朝、読み返すと『なんてひどい人間なんだ』って思っちゃうんで(笑)、ただ書くだけ。それでも、起きるとスッキリしてるんです。あと、おいしいごはんを食べたとか肌の調子がいいとか、幸せに感じたことを10個書くのもおすすめ。ネガティブにさせている原因さえもどうでもよくなっていきます」
與式ポジティブ思考の核は“自分だけが正解”と思わないこと。
「若い頃はプライドが勝ち、ズカズカ自分の意見を押しつけて、たくさんの人を傷つけたと思います。でも、自分は完璧じゃないし、だからといってダメな人間でもない。誰もが正解で、誰もが不正解じゃない。そうやって、自分も相手も受け入れ、ジャッジしないスタンスになったことで、たくさんの学びを得ることができて自分自身が成長できたんです」
その経験が、この本の形式であるファンや読者の人生相談に乗る時に常に心掛けていることでもある。
「誰かの相談に乗る時は絶対に相手を否定しません。多くの方が人間関係や自分に自信が持てないことに悩んでいて、それは芸能人も同じですが、今までに経験したことのない悩みがきたら、自分がそういう状況だったらどうするか、考えを巡らせます。もちろん“與真司郎が言っていることがすべて正解”だとは思っていません。この本を読んで、取り入れたいことも『私とは考えが違う』と思うところもあるはず。でも、それは読者の方々がそれぞれ自分に向き合ってくれたから。この本が、自分自身を見つめ直すきっかけになったら最高に嬉しいですし、これからも、多くの人から吸収したいい思考をたくさんの人とシェアしていきたいです」
『すべての生き方は正解で不正解』 仕事、人間関係、恋愛などカテゴリー別に、悩める読者をポジティブ思考に導く名言がたくさん。LAの自宅で撮り下ろした写真も多数収録。電子版には、マネージャー撮影のプライベートフォトも。講談社 1760円
あたえ・しんじろう 1988年11月26日生まれ、京都府出身。2005年、AAAメンバーとしてデビュー。自身のライフスタイルブランド『446‐DOUBLE FOUR SIX‐』から、Green Pressed Juiceをリリース。
シャツ¥28,600(Paul Smith/Paul Smith Limited www.paulsmith.co.jp) ブレスレット¥55,000(SHINGO KUZUNO/Sian PR TEL:03・6662・5525) その他はスタイリスト私物
※『anan』2022年9月7日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・村井素良 ヘア&メイク・佐藤真希 インタビュー、文・小泉咲子
(by anan編集部)