「須崎は、不動産業の父親の言うことに従ってきたけど、しっかり自立して、佐奈と一緒に会社を立ち上げ、小鳥さんの価値観に触れながら変わっていきます。このドラマを通じて、一番成長するんじゃないかな。小鳥さんの感性や考え方がすごくいいんです。40代になっても新しいものを取り入れようとしたり、大事なことはちゃんと伝えたり、今の世の中で大事なことが詰まっていて、僕自身、心を動かされています」
その小鳥を演じるのは西島秀俊さん。小鳥のような柔らかさや温かさを持った方だそう。
「バイオレンス作品のイメージが強くて、勝手にものすごいオーラを放っているんじゃないかと思っていたんです。もちろん風格があるんですが、相手への思いやりが自然と滲み出ている方で、現場での佇まいなど勉強させていただきたいです。佐奈役の永野芽郁さんは、現場で台本を読み込んでいる姿を見て、すごく役に集中している印象を受けました」
役作りで起業家に会い刺激を受け、仕事への向き合い方に共感したそう。
「既存の組織だと、やるべきタスクがある程度決まっていて、どうしてそれをやるのか理由を考えなくなってしまいそうですが、僕は、やるべき理由を知っておきたいんです。作業としてではなく、悩んだり、正解だと思ったことも壊したりしながら仕事をしたい。そうじゃなければやる意味がないと思っているので。そういった意味で、自分たちの手で立ち上げた会社を大きくするにはどうしたらいいか、考えて動くスタートアップ企業の方々は、とても素敵だなって。僕は、結構意見を言うタイプなので、サラリーマンだったらクビになっちゃいそうですし(笑)。俳優でなければ、地方で農業をやりたいです。以前、バラエティのロケで農家の方からお話を聞く機会があって、毎年、気候が変わって大変な中でも、いいものを作りたい、それにはどうしたらいいか、ものすごく考えてらっしゃったんです。自分で考えて、自分で作る。思えば、農業もスタートアップ企業的ですね」
密かに思いを寄せているが、佐奈との関係を壊したくなくて、なかなか告白できない不器用な須崎…。二人の恋愛関係も見どころで、胸キュンシーンにも期待ができそう!
「もどかしいと感じるほどピュアな行き違いがとても丁寧に描かれているので、二人の関係も楽しみにしていただきたいです。ただ、須崎が、恋愛と仕事がごっちゃになっていて、上手く線引きできないところは役として理解はできるんですけど、僕自身は、一緒に仕事している期間中に関係する人を好きになることはまず考えられないです。もちろん、仕事に対する向き合い方からでも人となりはわかりますが、仮に恋愛が始まるとしたら、その先にもっと中身を知ってから。プライベートで僕が胸キュンするものですか? 実家で飼っている犬の動画! 両親が定期的に送ってくれるんですけど、最近ちょっとキュンが不足しているんで、そろそろ新しい動画を送ってもらわないと(笑)」
『ユニコーンに乗って』 成川佐奈(永野)は、世間が注目する若きCEOだが、貧しい家庭環境を売りにするしかなく、行き詰まりを感じていた。そんな時、元・銀行マンの小鳥智志(西島)が面接を受けに来る。毎週火曜22:00~、TBS系にて放送中。
すぎの・ようすけ 1995年9月18日生まれ、千葉県出身。ドラマ『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』、映画『東京リベンジャーズ』など、多くの話題作に出演。映画『バイオレンスアクション』が8月19日全国公開。
※『anan』2022年7月20日号より。写真・小笠原真紀 インタビュー、文・小泉咲子
(by anan編集部)